2024年10月10日
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2012年3月9日
製品・サービス / トピックス
パナソニック株式会社 デバイス社は、車載向け電動パワーステアリング、電子制御ブレーキシステム、アイドルストップの電源回路に最適な業界トップレベル(※1) の低直流抵抗[1] で小形、大電流を実現した「車載パワーチョークコイル[2]」を製品化しました。
(※1)2012年3月8日現在 メタルコンポジットコア構造のチョークコイルとして(当社調べ)
■製品名:車載パワーチョークコイル
■シリーズ名:PCC-M1050ML、PCC-M1060MLシリーズ
■量産開始:2012年3月
■サンプル価格:500円/個
■月産数量:500万個/月
■カタログ情報
http://industrial.panasonic.com/www-cgi/jvcr13pz.cgi?J+PZ+2+AGL0009+0+4+JP
車載の電子制御ブレーキシステムは、ABS(アンチロック・ブレーキシステム)機能から、ESC(エレクトロニック・スタビリティ・コントロール)機能の搭載へと変わりつつあり、車両の安定性を高めるために、油圧ユニットの大容量化、複雑な加減圧制御が必要となってきています。これに伴い、油圧ユニットの加減圧を制御するアクチュエータ(モータ、ソレノイド等)を駆動させる電源回路に搭載されるパワーチョークコイルには、小形、大電流とともに耐熱性、耐振動性が求められています。当社では、車載用電源回路に対応するために、独自のメタルコンポジットコア[3] を採用した新構造の車載向けチョークコイルを製品化、量産を開始します。
【特 長】
1.当社独自の太銅線コイルとメタルコンポジットコアの一体型構造により、業界トップレベルの低直流抵抗で小形、大電流を実現
■形状:縦10×横10×高さ6mm
■電流値:16.5A 当社従来品(※2):15.1A
■直流抵抗:4.5mΩ ・・・業界トップレベル(※1) 当社従来品(※2):5.3mΩ
近年、車載の電動パワーステアリング、電子制御ブレーキシステム、アイドルストップに代表される電子機器ユニットで使用されるアクチュエータを駆動させる電源回路は、機能の拡大、追加により大容量化が進んでいます。回路の駆動電源のノイズ除去用フィルタやDC/DCコンバータ回路[4] に使用されるパワーチョークコイルには、小形で、数十Aクラスの大電流にも対応することが要求されています。今回、当社では、従来に比べ、より太い銅線を用いた独自の太銅線コイルとメタルコンポジットコアの一体型構造を開発しました。また、銅線を引き出し加工する独自工法の採用で、コア内で銅線の容量を最大化できる構造を開発することで、銅線の線積率[5] を向上させ、直流抵抗を約20%低減(当社従来品比)に成功しました。これにより、業界トップレベルの低直流抵抗で小形、大電流のパワーチョークコイルで、車載用電源回路の要求にお応えしてまいります。
2.当社独自の端子構造とメタルコンポジットコアの採用により、優れた耐熱性、耐振動性を実現
■耐熱性:150℃/2000h
■耐振動性:5Hz~2kHz/30G
(※2)当社従来品:PCC-M1054Mシリーズ(丸線コイルとメタルコンポジットコア一体型構造の車載用チョークコイル)
車載用パワーチョークコイルには、耐熱性、耐振動性など厳しい特性が要求されます。メタルコンポジットコアは、金属磁性粉末と、絶縁の役割を持つ樹脂で構成されていますが、従来の材料構成で太銅線を用いた場合、過酷な環境下において、コア内にクラック等の欠陥が発生する課題がありました。今回、樹脂材料の最適化により、線積率の高い太い銅線とメタルコンポジットコアの一体成型により、コア内でクラック等の欠陥が発生せず150℃の高耐熱を達成しています。さらに、耐振動性を確保するため、コア内部から太銅線を引き出した独自の幅広端子構造を採用、従来の端子構造に比べ、基板への実装性が高く、優れた耐振動性を達成しています。
【用 途】電動パワーステアリング、電子制御ブレーキシステム、アイドルストップなどの電源回路
【お問合せ先】
デバイス社 経営企画グループ 広報・調査チーム
TEL:06-6904-4732
ホ-ムページURL:http://panasonic.net/id/jp/
【用語説明】
[1]直流抵抗
巻線(銅線)の抵抗成分。これが低いほど電力の損失が小さくなる。直流抵抗が低いほどロスが減り、電源効率を改善できる
[2]パワーチョークコイル
DC/DCコンバータなどに使用される表面実装タイプの電子部品で、エネルギー蓄積の役割を持つインダクタ部品
[3]メタルコンポジットコア
金属磁性材(鉄族)をベースとした粉末を樹脂により絶縁し、圧縮成型した磁性材料
[4]DC/DCコンバータ回路
ある電圧の直流電流を、異なる電圧の直流電流へ変換する回路
[5]線積率
巻線部位に対する銅線の断面積の割合
記事の内容は発表時のものです。
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