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2014年4月15日
製品・サービス / トピックス
パナソニック溶接システム株式会社(本社:大阪府豊中市、社長:高橋 学)は、高出力ダイレクトダイオードレーザー[1]の開発で世界的に注目を集めているTERADIODE Inc.(※1)(本社:米国マサチューセッツ州ウイルミントン、社長:Parviz Tayebati、以下TERADIODE社)と共同で、レーザー溶接ロボットシステム「LAPRISS(※2)(LAser Processing Robot Integrated System Solution)(呼称:ラプリス)」を開発しました。
レーザー溶接ロボットシステム「LAPRISS」は、パナソニック溶接システムの保有するロボット技術・溶接技術とTERADIODE社のWBC(Wavelength Beam Combining、波長合成)技術[2]を用いた高出力ダイレクトダイオードレーザーを搭載した世界初(※3)のリモートレーザー溶接ロボットシステムです。2014年4月23日より受注活動を開始します。今後、両社は開発、製造、販売、サービスなど広範な領域で協力し、ダイレクトダイオードレーザーの普及を促進します。
▼溶接機・溶接ロボット・レーザ分野
http://panasonic.co.jp/pws/products/
本製品は、2014国際ウエルディングショー(2014年4月23日~26日、東京ビッグサイト)に出展します。
▼2014国際ウエルディングショー
http://www.weldingshow.jp/
■レーザー溶接ロボットシステム「LAPRISS」の特長
1.レーザー溶接に必要な「発振器」「ロボット」「ヘッド」を統合したトータルシステムソリューション
2.世界初(※3)、4kWダイレクトダイオードレーザー搭載で、高品位な高出力レーザー溶接が可能
3.シンプル・コンパクトなシステムにより、高信頼性のレーザー溶接ロボットシステムの構成が容易
4.小型トレパニングヘッドの開発により、ランニングコストやメンテナンスコストを低減
5.簡単操作で従来のアーク溶接やスポット溶接と同様に操作可能
6.パナソニック独自のレーザー溶接施工技術により、精度管理の困難なワークでも裕度を拡大可能
※1 TERADIODE社は高出力ダイレクトダイオードレーザーで世界に誇る技術を有するメーカーです。(WBC技術)の独占的使用権を認められており、この技術を用いてビーム品質がファイバーレーザーやディスクレーザーに匹敵する高出力ダイレクトダイオードレーザーを提供しています。TERADIODE社ホームページ:http://teradiode.com/
※2 LAPRISSはパナソニック溶接システム株式会社の日本国における登録商標です。
※3 WBC技術による4kWのダイレクトレーザーを用いた溶接ロボットシステムとして。2014年4月15日現在、パナソニック調べ。
■用途
自動車車体溶接、自動車部品溶接など
■特長の説明
1.レーザー溶接に必要な「発振器」「ロボット」「ヘッド」を統合したトータルシステムソリューション
従来お客様が個別に選定し購入していた「発振器」、「ロボット」、「スキャニングヘッド[3]」など、リモートレーザー溶接に必要な全ての要素をひとつのシステムに統合しました。
パナソニックでトータルシステムとしてご提供するため、お客様側での専門知識の必要な機器の接続やインターフェースの合わせ込みと言ったシステムインテグレート作業は不要です。また、レーザー溶接施工に関しても専用機能も豊富に装備しており、「専門技術者によるレーザー溶接施工支援」も含め、お客様のチャレンジを強力にサポートします。
2.世界初(※3)、4kWダイレクトダイオードレーザー搭載で、高品位な高出力レーザー溶接が可能
次世代の高出力レーザーとして注目を集めているWBC技術による4kWのダイレクトダイオードレーザーをリモートレーザー溶接用として世界で初めて製品化しました。WBC技術はファイバーレーザーやディスクレーザーに匹敵するビーム品質を持った高出力ビームを提供します。固体レーザーやファイバーレーザーのようにゲイン媒体[4]を必要とせず、 発振効率や耐もどり光特性[5]にも優れたレーザーです。
3.シンプル・コンパクトなシステムにより、高信頼性のレーザー溶接ロボットシステムの構成が容易
スキャニングヘッドは、特殊光学系をロボットと同じACサーボモータで駆動する「トレパニングヘッド[6]」を開発。
小型・軽量の「トレパニングヘッド」は6kg可搬のロボットに搭載可能で、制御装置もロボットのコントローラに内蔵しているため、システムの大幅な小型・省スペース化に貢献します。また、トラブルの多いヘッド周りの制御ケーブルや冷却水ホースなどを全てロボットのアーム内に内蔵したレーザー溶接専用マニピュレータを準備しており、シンプルで信頼性の高いレーザー溶接ロボットシステムが簡単に構成できます。
4.小型トレパニングヘッドの開発により、ランニングコストやメンテナンスコストを低減
トレパニングヘッド内部のレンズなどの光学系を保護するシールドウインドウは工具無しで交換でき、一般的なガルバノスキャナー[7]用のシールドウインドウに比べて小径で安価なため、メンテナンスコストを大幅に低減できます。また、シールドウインドウ自体をスパッタやヒューム[8]から保護するエアナイフ用圧縮エアの消費量も一般的なガルバノスキャナーに比べてはるかに少ないため、コンプレッサの運転費用も大幅に低減できます。
5.簡単操作で従来のアーク溶接やスポット溶接と同様に操作可能
ヘッドのプログラミングやレーザーのコントロールも全てロボットのティーチングペンダント[9]から行う事ができ、従来のスポット溶接やアーク溶接と同じような感覚で簡単に操作することができます。
6.パナソニック独自のレーザー溶接施工技術により、精度管理の困難なワークでも裕度を拡大可能
「LAPRISS」は先進のシステムに加え、ワーク精度の管理が難しいレーザー溶接用にギャップ裕度や狙いズレ裕度を大幅に拡大する「スパイラルパターン」や「レーザースピン」など独自のレーザー溶接施工法を標準で装備しています。また、板厚や継ぎ手形状などの条件を入力するだけで最適な施工条件を自動設定する「レーザーナビ機能」などの施工支援機能も準備しています。
【関連情報】
▼2014国際ウエルディングショー
http://www.weldingshow.jp/
▼[出展商品]溶接機・溶接ロボット・レーザ分野
http://panasonic.co.jp/pws/products/
【用語の説明】
[1]高出力ダイレクトダイオードレーザー
出力数W以上の、光励起用として用いられてきたダイオード(半導体)レーザー。光励起用でなく、直接(ダイレクト)用いるためダイレクトレーザーと呼ばれる
[2]WBC技術
米国MITリンカーン研究所で開発された波長合成技術で、多くの独立した外部共振レーザーダイオードの出力を空間的に合成する技術。この技術により、出力ビーム品質を維持しながら、空間的に配列された複数のレーザーエミッタ出力を合成することが可能
[3]スキャニングヘッド
ガルバノミラー等を組み合わせることで出力光の位置を移動(走査)させるため、先端に装着する装置
[4]ゲイン媒体
光増幅の際に誘導放出を起こす物質、媒体が気体のものはガスレーザー、媒体が固体であるものは固体レーザーと呼ばれる
[5]耐もどり光特性
出力時に対象物で反射した光(もどり光)で光学系が損傷する場合がある。この損傷に対する耐久度合い
[6]トレパニングヘッド
レーザー光により穴を開けたり任意形状の穴の輪郭を切断するため、先端に装着して出力光の位置を移動(走査)させる出力装置
[7]ガルバノスキャナー
一つ以上のミラーを使用し、出力したレーザー光を走査させるための装置。大型化することが多い
[8]ヒューム
溶接作業で発生した金属蒸気が凝集して微細な粒子となったもの。 出力レンズ等に付着すると光の透過率低下の原因となる
[9]ティーチングペンダント
人間がロボットに動作を教示(ティーチング)するための小型操作盤。実際のロボットを見ながら各関節をどのように動かすかを設定する。
▼本件に関するお問合せ先
パナソニック溶接システム(株)営業企画グループ 営業企画チーム 電話 06-6866-8556(直通)
ホームページURL http://panasonic.co.jp/pws/
記事の内容は発表時のものです。
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