2024年10月10日
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2012年7月31日
製品・サービス / トピックス
パナソニック株式会社 デバイス社は、スマートフォン、DSCなどの小型電子機器のDC/DCコンバータ回路[1] の小型化に貢献する小形、薄形形状で業界トップレベル(※1)の大電流を実現した「2016サイズ 積層パワーインダクタ[2] 」を製品化しました。
(※1)2012年7月30日現在 2016サイズ積層パワーインダクタとして
スマートフォン、DSCなどの小型電子機器の電源部には、電圧変換効率に優れるDC/DCコンバータ回路が用いられていますが、このDC/DCコンバータ回路では小型、低電圧、大電流化が進んでおり、搭載されるパワーインダクタにも、小形・薄形、大電流が求められています。このような中、当社では、小形、薄形形状で業界トップレベル(※1) の大電流を実現した「2016サイズ 積層パワーインダクタ」を製品化しました。
■積層パワーインダクタ ELGシリーズの特長
1. 2016サイズの小形、薄形で業界トップレベルの大電流を実現
定格電流[3] :1.6 A、インダクタンス値:1.0μH
積層パワーインダクタで小形、大電流化を実現するには、直流抵抗[4] が低く、かつ必要なインダクタンス値を確保することが必要になります。一般に必要なインダクタンス値を確保するためには、製品に内蔵するコイルパターンのターン数を増やす必要がありますが、コイルパターンのターン数を増やすと、直流抵抗が高くなるという課題がありました。今回当社では、従来に比べ、さらなる高厚膜化を実現できるコイルパターン(導体)形成技術と、その高厚膜導体[5] を内蔵する独自の積層プロセス技術を開発、コイルパターンの中芯面積の最大化を図ることで、コイルパターンのターン数を増やすことなく、低直流抵抗で必要なインダクタンス値の確保を可能としました。これにより、2016サイズの小形、薄形で業界トップレベルの大電流を実現、スマートフォン、DSCなどの小型電子機器のDC/DCコンバータ回路に最適です。
2.小形・薄形で電子機器の小型化に貢献
形状:L 2.0mm×W 1.6mm、T 1.0 mm(max)
DC/DCコンバータ回路内のインダクタには電流を印加してもインダクタンス値の変化が少ない優れた直流重畳特性[6] が要求されます。一般的に製品を小形化すると、直流重畳特性が悪くなるという課題がありました。高い直流重畳特性を維持したまま小形・薄形を実現するためには、特長1で述べたさらなる高厚膜化を実現できるコイルパターン(導体)形成技術と、その高厚膜導体を内蔵する積層プロセス技術に加え、磁性体層の薄層化が必要です。一方で、磁性体層の薄層化を進めると、コイル導体間の絶縁性が保てなくなり、必要とするコイルパターン数が確保できなくなり、十分なインダクタンス値が得られないという課題がありました。この課題に対し、今回当社では、磁性体層を薄層化した場合においても十分な絶縁性を保つ新材料の採用により、小形・薄形で優れた直流重畳特性を実現、スマートフォン、DSCなどの各種機器の小型化の要求にお応えしていきます。
■生産・販売計画
・量産開始:2012年8月
・サンプル価格:8 円/個
・月産数量:500 万個/月
■用途
スマートフォン、DSCなどの小型電子機器のDC/DCコンバータ回路
【用語説明】
[1] DC/DCコンバータ回路
任意の直流電圧を所定の直流電圧に変換する回路。スマートフォンなどの小型携帯機器では、小型で変換効率に優れたスイッチング方式のDC/DCコンバータが主流である。
[2] 積層パワーインダクタ
エネルギー蓄積の役割を持つ表面実装タイプの電子部品で、積層工法によって磁性体中にコイルパターンを形成したインダクタ。
[3] 定格電流
インダクタンスに流すことが出来る電流値。定格電流を超えて使用された場合、性能劣化や素子破壊の原因となる。
[4] 直流抵抗
コイルパターン導体の抵抗成分。これが低いほど電力の損失が小さくなり、電源効率を改善できる。
[5] 高厚膜導体
コイルパターン導体を形成する金属材料。この断面積 (線幅×厚み)が大きいほど、導体の直流抵抗が小さくなり、電力の損失を小さくできる。
[6] 直流重畳特性
インダクタに直流電流を流すとインダクタンス値が低下する現象。これは、インダクタの磁気飽和により起こり、インダクタンス値が低下すると電圧変換効率に影響を及ぼす。
▼本件に関するお問合せ先
パナソニック株式会社 デバイス社 経営企画グループ 広報・調査チーム
TEL:06-6904-4732
ホームページURL:http://panasonic.net/id/jp/
記事の内容は発表時のものです。
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