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2020年8月24日
技術・研究開発 / トピックス
ミストで創った雲による空間演出の様子パナソニック株式会社(以下、パナソニック)は、東京大学大学院 工学系研究科 建築学専攻Advanced Design Studies・小渕研究室(以下、T_ADS・小渕研究室)と共同で2020年7月13日から2020年8月4日までの期間、在日スイス大使館(以下、スイス大使館)において、極微細ドライ型ミストを噴霧する「グリーンAC Flex」を活用し、ミストで雲を創るインスタレーション(※1)と暑さ対策の実証実験を実施しました。2流体ノズルで生成されたミストを使って空間演出と暑さ対策とを同時に行う試みは世界初(※2)です。
T_ADS・小渕研究室は、建築やデザインの分野で企業などと共に人を中心とした設計施工に取り組んでいます。パナソニックは、これまで屋外スポーツの競技会場周辺、観光スポット、駅や商店街など、さまざまな場所でミストを活用した暑さ対策に取り組んできました。2019年からはT_ADS・小渕研究室と建築分野における暑さ対策の取り組みやミストの新たな活用方法の検証について共同研究を進めています。
本実証実験では、スイス大使館施設内にある中庭に立体のアルミトラスのフレーム(※3)を設置し、地上約4メートルの高さにグリーンAC Flexのミストノズル45個を装着しました。従来機の単相100Vから単相200Vに電源を強化した大容量タイプ(※4)を用いることで、1機あたり接続可能なノズルユニットが増え、より大量のミスト噴霧により開放的な屋外の大空間でも効率的に対応できるようになりました。
フレーム内の空間に微細なミストを噴霧することで人工的に雲を創り出す試みと併せてミストの蒸発による冷却効果とミストの雲による日除け効果を検証しました。暑さ対策の効果として、サーモビュアーによる体表温度測定で3~4度(※5)の低減効果を確認しました。
グリーンAC Flexは、空気と水を混合して噴霧する2流体ノズルが特長で、水のみで噴霧する1流体ノズルに比べてミストを微粒化できるため、近い位置で人が浴びても濡れ感が少ない極微細ドライ型ミストを噴霧できます。ミストが蒸発する際に皮膚表面の熱を奪って涼しくする効果と、空気の熱を奪い気温を下げる効果があり、また、電源と水道水の確保で簡単に設置できるため、夏場に設営される屋外の会場や、一時的なイベント用途に仮設的に対応できるメリットがあります。炎天下の夏の屋外でも涼を得ながらインスタレーションを楽しむ新たな空間価値を提供できます。
パナソニックは、グリーンAC Flexによる極微細ドライ型ミストを、夏の暑さ対策ソリューションとしての用途に限らず、空間演出といった建築デザイン・芸術分野などに応用することで、新たな空間価値の創出を目指します。
※1 現代美術におけるジャンルの一つで、ある特定の室内や屋外にオブジェや装置を置いて、その場所や展示空間を含めて全体を作品とし、見ている観客がその「場」にいて体験できる芸術作品。
※2 2流体ノズルとして世界初。2020年7月 パナソニック調べ。
※3 幅5.7 m×奥行5.7 m×高さ3.9 m
※4 2020年8月発売開始 https://news.panasonic.com/jp/press/data/2020/07/jn200729-3/jn200729-3.html
※5 晴天の日の昼・気温33度の環境下において、アルミトラスのフレーム外で体表温度を測定した被験者がフレーム内に入って2分間経過し、再び体表温度を測定した結果の差(N=2の平均値)。
<動画>
・チャンネルパナソニック https://channel.panasonic.com/jp/contents/29496/
・YouTube https://youtu.be/Fdmltv4wqX0
<関連情報>
・[動画] 日本の夏、その暑さに、パナソニックの「グリーンエアコン」
https://www.youtube.com/watch?v=rYOULa5amc8
・[パナソニック トピックス] 暑さ対策として東京都内で今夏開催される4つの競技会場周辺に「グリーンエアコン Flex」を設置(2019年8月5日)
https://news.panasonic.com/jp/topics/166627.html
記事の内容は発表時のものです。
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