Panasonicの底力~成長への布石~

パナソニックの方向性:「環境」と「事業でのお役立ち」でトップランナーに

2021年6月18日

特集

写真:オンラインでの説明会見に登壇した楠見

楠見CEOは2021年5月27日、これからのパナソニックの経営の考え方を示す説明会見を行った。「パナソニックグループの目指す今後の方向性」と題したプレゼンテーションで明らかにしたのは、「地球環境問題解決への貢献」と「事業競争力強化」への本気度、そしてグループとして今一度「本来のパナソニックらしさ」を発揮していくことへの強い決意だ。


今改めて、「地球環境問題」の解決をリードする企業へ

今回の説明会において最大のポイント――それは「地球環境問題の解決に貢献」することに対し、改めてパナソニックが強い意気込みを発信したことだろう。

大前提として、パナソニックはこれまでも長年に亘って地球環境問題解決への貢献に力点を置いてきた。この点は、その歩みを振り返れば明らかだ。1991年、パナソニック(当時、松下電器産業)は業界に先駆けて独自の環境管理基本方針(松下環境憲章)を制定し、世界中のグループ拠点に適用。また同年に環境に配慮した商品づくりの評価制度も定め、企業として地球環境問題へ真摯に向き合う姿勢をいち早く事業活動に反映してきた。

1993年に発信した「環境宣言」

環境管理基本方針(松下環境憲章)を定めた2年後、1993年に発信した「環境宣言」

今回楠見は「今改めて、環境問題解決をリードする会社となる」と発信し、さらに意欲的な目標をコミットした。「2030年までに当社の事業会社全てでCO2排出量を実質ゼロ化する」という非常にチャレンジングな内容だ。パナソニックはすでに2017年に定めた「パナソニック環境ビジョン2050」で、2050年までに「創るエネルギー」が「使うエネルギー」 を上回る姿を目指すと宣言している。今回の目標は、そこに至るまでのマイルストーンを具体化した位置づけだ。

2030年までに全事業会社でのCO2排出量ゼロ化を実現

現在パナソニックでは工場の操業においてCO2を排出しない「CO2ゼロの工場づくり」を推進中だ。すでに、家電リサイクルを担うパナソニック エコテクノロジーセンター、中国においてパナソニック初のCO2ゼロ工場となったパナソニックエナジー 無錫などグローバル5拠点で、CO2ゼロ工場を実現している。この春には、滋賀の草津工場において世界初となる純水素燃料電池と太陽光、蓄電池を組み合わせた自家発電による「RE100(※)化ソリューション」の実証を進めていくことを発表しており、2022年4月に本格稼働予定だ。こうした先行事例に続いて、2030年という具体的な目標に向け、グループ各拠点での省エネや再生エネルギー利活用といった取り組みはさらに加速していくことになるだろう。
※事業活動で消費するエネルギーを100%再生可能エネルギーでまかなうこと

事業を通じた環境負荷軽減もこれまで以上に追求する。自動車のCO2排出削減を支えるエナジー事業、サプライチェーンを効率化し在庫や輸送のロスを削減する現場プロセス事業、快適かつ環境にやさしいくらしを提供する水素燃料電池やヒートポンプ式冷暖房システム「Air to Water」などがその代表的な例だ。サービスや商品を通じて環境負荷軽減に貢献するとともに、リサイクル・リユースの促進や廃棄ロスの最小化、さらにはお客様の手元に渡った商品もアップデートし続けるなど、資源を有効活用する視点での貢献も果たしていく。狙うのは、当然のことながら環境性能の追求だけではない。重要なのは、商品やサービス本来のお役立ちにおいても、よりお客様の期待を超える価値を提供すること。そしてお求めやすい、適正な価格でより多くの方に選ばれ使っていただくことだ。こうした「事業での本来のお役立ち」と「環境」、その両面においてトップランナーを目指すことが、結果的にパナソニックにとって大きな競争力を生み出すことに繋がっていくはずだ。

「戦略」「オペレーション」の両輪で事業を徹底的に強く

さらにもう一つ、パナソニックの目指すべき姿として楠見は「『理想の社会』の実現をリードする会社になる」ことを掲げた。くらしや社会により大きな貢献を果たすためには、厳しい競争環境でも負けない圧倒的な競争力を身に着けることが不可欠だ。

2022年度の持株会社制への移行を発表以降、パナソニックはグループの最優先事項として、各事業において絞り込んだ領域で競争力を徹底的に磨き上げる、と明示してきた。今回楠見は、さらに具体的な指標を掲げ「2年間は全事業で競争力強化に集中する」と踏み込んで言及している。この実現のために、あくなき「改善に次ぐ改善」の実践を全事業の現場で徹底する方針だ。

また、楠見は今回の新体制について「『持株会社制』というより『事業会社制』と呼びたい」と強調した。事業会社が主役となり、自主責任経営を徹底、自ら競争力を高めていける体制の構築を目指していく。

2022年4月 持株会社制移行後のパナソニックグループ組織体制

2022年4月 持株会社制移行後のパナソニックグループ組織体制

競争力強化にあたって、事業としての勝ち筋を構築する「戦略」と、変化に迅速に対応できる「オペレーション力」、これら2つは両輪だ。ビジネスモデルの変革、事業立地を変え収益力向上を図る「転地」など、パナソニックは近年戦略面での強化に重点を置いてきた。今後は、実際に事業を実践するオペレーション力を「改善に次ぐ改善」で磨き上げることに注力し、「戦略」と「オペレーション力」の双方で競争力強化に結び付けていく。

「本来のパナソニックらしさ」で新たな道を切り拓く

写真:オンラインでの説明会見に登壇した楠見

オンラインでの説明会見に登壇した楠見

今回改めて「地球環境問題の解決に貢献」することを掲げ、「環境」を軸に事業競争力を高めお役立ちを拡げる方針を打ち出したが、その根底にあるのは「社会生活の改善と向上」、「世界文化の進展」に寄与するというパナソニックの経営理念だ。

楠見は今回、パナソニックグループ創業者 松下幸之助が1932年に示した「生産に次ぐ生産をもって貧乏を克服し、富を増大する」という考え方「水道哲学」に言及し「決して前時代的なものではない」と述べた。この理念は「精神的な安定と、物資の無尽蔵な供給が相まってはじめて人生の幸福が安定する」、すなわち「物心一如」の考えに基づいたものだからだ。90年の時が経った今においても、社会は進展し、物は満ち足りたが必ずしも人々の心が安定したとは言えないのではないか。これが楠見の思いだ。

今、経営理念に基づきパナソニックが果たすべき使命――それは心も物も豊かな「理想の社会」実現に向け、社会課題に正面から向き合い、現在と未来に対する不安の払しょくに貢献することだ。そのために何をすべきか明らかにして知恵を絞り、新たな道を切り拓く努力をする――「こうした積み重ねこそが、本来のパナソニックらしさ、松下らしさだ」と楠見は力を込めた。

持株会社制移行後の新体制の中で、パナソニックは今一度、経営理念に立ち返って「理想の社会」実現に向け貢献を生み出し、発展への道のりを歩む姿を示していく。

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