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画像:可視光領域ハイパースペクトルカメラAG-HSV10M発売

2025年11月12日

製品・サービス / プレスリリース

世界最高クラス※1の高感度と最大4Kの高解像度を実現

可視光領域ハイパースペクトルカメラAG-HSV10M発売

“人の眼では見えない違いを捉える”産業用カメラ

品名

ハイパースペクトルカメラ

品番

AG-HSV10M

本体希望小売価格

オープン価格

発売日

2026年1月下旬

パナソニック エンターテインメント&コミュニケーション株式会社(以下、パナソニック)は、人の眼では把握が困難な光の波長情報を捉え、被写体の詳細な色情報から素材や情報を判別できるハイパースペクトルカメラ「AG-HSV10M」を2026年1月下旬に発売します。

近年、産業分野では作業の効率化、省人化、省エネルギー化を実現するため、「マシンビジョン」の導入が進んでいます。マシンビジョンとは、カメラなどで取得した画像情報をコンピュータが解析し、自動で検査や計測、判別を行う技術です。ハイパースペクトルカメラは、人間の眼では捉えることができない細かな色の違い(スペクトル情報)を識別できるため、より高度な分析が可能となり、マシンビジョンの活用領域を拡大することが期待されています。一方、従来のハイパースペクトルカメラは、プリズムやフィルタなど特定波長の光を通す光学素子を採用しているタイプが一般的で、波長の数に反比例して感度が低下し、工場やオフィスのような低照度な室内環境でのスペクトル情報の識別に課題がありました。また、感度や解像度の課題に加えて、撮影時間の短縮、ユーザビリティの向上、導入コストの抑制など、さまざまな現場ニーズに応えられる製品が求められています。

本製品は、独自の圧縮センシング技術と画像処理技術により、ハイパースペクトルカメラとしては世界最高クラス(※1)の高感度を実現しました。これにより、室内照明下(※2)でも、最大4Kの解像度撮影が可能です。また、エリア方式(※3)の採用により、短時間での撮影に対応します。さらに、パナソニックのデジタルカメラ「LUMIX」シリーズのテクノロジーを融合し、マイクロフォーサーズマウントを備えたボックスタイプの本体に、オートフォーカスやオート露光といった機能を搭載。レンズはLUMIXのH-H025およびH-HS043に対応し、通常のデジタルカメラのような操作性を実現しています。

<特長>

1. 世界最高クラス(※1)の高感度・高精細な撮影が可能

  • 世界最高クラス(※1)の高感度を実現。高輝度照明がなくても撮影が可能です。
  • 画素の畳み込み処理がないため、画素レベルの空間解像度が高く、最大4Kの高解像度で撮影できます。

2. 短時間での撮影が可能

  • エリア方式(※3)なので、ワンショットで広範囲な撮影が可能です。
  • 撮影と復元処理を分離して行うため、撮影に要する時間を短くできます。

3. 対象物を捉えやすい

  • オートフォーカス・オート露光に対応しているので、対象物が動かせない場合もカメラが自動で被写体にピントと露出を合わせます。

パナソニックは、ハイパースペクトルカメラの市場導入を通じ、従来は人の目視に頼っていた工場などの不良品の選別や異物混入検出、また食品や農作物、医薬品の成分量測定など高度な検査において、画像データ解析による精度向上や効率化を図り、産業分野における自動化や省人化の推進に貢献していきます。

■世界最高クラス(※1)の高感度・高解像度ハイパースペクトル撮像を実現

画像:特殊フィルタイメージ1

▲イメージセンサに搭載した独自の特殊フィルタ概要
(上)特殊フィルタの断面構造図、(左下)特殊フィルタを透過した光のスペクトル情報(透過スペクトル) 、
(中央)特殊フィルタの光学顕微鏡写真

プリズムやフィルタを用いた従来のハイパースペクトル画像撮影技術では、イメージセンサ上の画素ごとに割り当てられた波長の光を検出していました。しかし、これらの方法では、「割り当てられた波長」以外の波長の光が検出されないため、感度の低下につながっていました。そこでパナソニックは、画素ごとに複数の波長をランダムな強弱で通す特殊フィルタを開発し、イメージセンサに搭載。画像データを適切に“間引かれた”状態で検出・撮影し、独自のデジタル画像処理アルゴリズムにより“間引かれる”前のスペクトル情報をソフトウェア上で復元することで、高感度と高精度の両立を実現しました。

画像:特殊フィルタイメージ2

▲対象の光を特殊フィルタで“間引いて”検出するイメージ図

<システム構成>

画像:システム構成図

本製品は、USB Type-CでGPUを搭載したPCに接続し、専用の復元ソフトウェアでスペクトルデータを復元・分析します。また、対象物を動かせない場合や、広範囲の撮影が必要な場合でも、カメラを持ち運んで撮影し、RAWデータを取得することで、後から復元・分析を行うことが可能です。

<主な仕様>

外形寸法
(幅・高さ・奥行)

93.0 × 93.0 × 78.0 mm

本体重量

約540 g(本体のみ、ボディキャップ無)

波長範囲

420 – 700 nm/600 – 900 nm

※バンドパスフィルタで切替

スペクトルバンド数

29band(420 – 700 nm)
31band(600 – 900 nm)

FWHM

10 nm

空間分解能
(解像度)

420 – 700 nm:3840 × 2160/1920 × 1440
600 – 900 nm:1920 × 1440

ピクセルピッチ

2.74 μm pixels、1/1.1” sensor optical format

取得速度

※GPU性能、画素数、波長数、復元設定による

VGA 12 fps/QVGA 27 fps(条件:RTX4090、29band、反復回数200回)

センサータイプ

CMOS/グローバルシャッター

Bit数

12bit

対応レンズ

H-H025(25 mm F1.7)/H-HS043(42.5 mm F1.7)

※F1.7とF4.0をキャリブレーションデータで切替

インターフェース

USB Type-C/HDMI Type-A/SDカード×2

付属品

SDカード(取扱説明書、ソフトウェア(※)、キャリブレーションデータ)
ACアダプター

※ソフトウェア(撮影画像の取得、撮影画像の復元処理、
ハイパースペクトル画像の可視化、SDK含む)

※1 2025年10月時点、当社調べ。撮影シーンの光をイメージセンサに取り込む効率で測定。

※2 約550ルクス

※3 画像を1列(ライン)単位で連続的に撮影し2次元の画像を生成するラインスキャン方式に対して、エリア方式は一度に広い範囲を撮影します。

【お問い合わせ先】

パナソニック エンターテインメント&コミュニケーション株式会社
イメージングソリューション事業部
panasonic_hyper_s_c@ml.jp.panasonic.com

記事の内容は発表時のものです。
商品の販売終了や、組織の変更などにより、最新の情報と異なる場合がありますので、ご了承ください。

配信元:
パナソニック エンターテインメント&コミュニケーション株式会社

画像ダウンロード

ハイパースペクトルカメラAG-HSV10Mイメージ
特殊フィルタイメージ1
特殊フィルタイメージ2
システム構成図
AG-HSV10M

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