
2025年11月27日
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パナソニック株式会社 空質空調社は、食塩水を電気分解して得られる次亜塩素酸水溶液から揮発した有効塩素成分が、約25 m3(約6畳)の空間で、付着するRSウイルスを8時間で99%以上抑制する効果があることを確認しました。(※2)
次亜塩素酸水溶液は、食塩水を電気分解することで生成され、除菌、脱臭に高い効果があります。当社は1987年にカップ式自動販売機の衛生保持システムとして次亜塩素酸水溶液を採用して以来(※3)、約40年にわたって次亜塩素酸技術を研究し、近年ではインフルエンザウイルス(H1N1)や新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)オミクロン株、手足口病やヘルパンギーナの原因となるエンテロウイルスおよびコクサッキーウイルスなどに対し、抑制する効果があることを確認しています。
RSウイルスは、細気管支炎や肺炎の原因となる代表的なウイルスであり、特に乳幼児や高齢者では症状が重篤化しやすいことで知られています。主に感染者の気道分泌物との接触や、咳やくしゃみによって飛散した飛沫を介して感染します。感染すると、発熱、鼻水、咳などの症状を引き起こし、症状が悪化すると、喘鳴や呼吸困難を引き起こすことがあります。
この度の検証結果より、次亜塩素酸水溶液から揮発した有効塩素成分が、テーブルや手すりなどに付着したRSウイルスを抑制する効果が期待されます。
【図1 経過時間ごとの付着ウイルス感染価(RSウイルス)】
■検証方法
回転式除菌フィルタに約150 mg/Lの次亜塩素酸水溶液を含浸し、一定の風(3.8 m3/min)を回転式除菌フィルタにあて、有効塩素成分を揮発させて、RSウイルスを付着させた試料に暴露した場合と、有効塩素成分を暴露させない場合(自然減衰)とで検証試験を行いました。
■検証結果
RSウイルスに対し、8時間で99%以上の抑制効果を確認(図1)。
※1 食塩水を電気分解して得られる水溶液。
※2 今回の検証は、基礎的な研究であり、次亜塩素酸水溶液を搭載した製品での効果検証ではありません。
※3 三洋電機時代の歴史も含む。
●検証機関・・・パナソニック株式会社 試験機関・・・一般財団法人 北里環境科学センター●検証装置・・・回転式除菌フィルタに約150 mg/Lの次亜塩素酸水溶液を含浸し、一定の風(3.8 m3/min)を回転式除菌フィルタにあてて有効塩素成分を揮発
●検証方法
・暴露時間・・・0~12時間(暴露<検証装置設置有>/非暴露<検証装置設置無>)
・試験空間容積
暴露・・・約25 m3(約6畳)換気無
非暴露(自然減衰)・・・約25 m3(約6畳)換気無
<ウイルスの設置(暴露)>
・RSウイルスを付着させた試料の設置
シャーレに試験ウイルス液を所定量(※4)滴下し、乾燥材を入れた密閉容器内で約20分間風乾させ、RSウイルスを付着させた試料とし、検証装置から1.5 m離れたところに設置(床上1.2 m)
※4 2 μL×110か所(計220 μL)
<ウイルスの設置(非暴露)>
・RSウイルスを付着させた試料を約25 m3(約6畳)試験室内に設置
●暴露方法
約25 m3の試験室内にRSウイルスを付着させた試料を設置し、検証装置を運転する。
・RSウイルスの測定
所定時間作用毎にシャーレを回収し、シャーレの洗い出し液を試料原液として、10段階希釈液を作製した。その試料原液または希釈液を細胞に感染させたのち処理を加えCO2インキュベータで5日間培養した。ウイルスの増殖により生じたCPEを顕微鏡で観察し、Reed-Muench法によりウイルス感染価(TCID50/mL)を求めた。本試験においては、試験片の洗い出し液1 mL当たりの感染価(TCID50/mL試験片)とした。
|
対象 |
効果検証内容 |
検証機関 |
検証年 |
|---|---|---|---|
|
A型インフルエンザウイルス(H3N2) |
気体との接触 |
(一財)北里環境科学センター |
2015年 |
|
ネコカリシウイルス(ノロウイルスの代替) |
気体との接触 |
(一財)北里環境科学センター |
2015年 |
|
新型インフルエンザウイルス |
気体との接触 |
(一財)北里環境科学センター |
2016年 |
|
ロタウイルス |
気体との接触 |
(一財)北里環境科学センター |
2016年 |
|
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA) |
気体との接触 |
(一財)北里環境科学センター |
2016年 |
|
肺炎レンサ球菌 |
気体との接触 |
(一財)北里環境科学センター |
2016年 |
|
麻疹ウイルス |
気体との接触 |
(一財)北里環境科学センター |
2019年 |
|
アデノウイルス |
気体との接触 |
(一財)北里環境科学センター |
2019年 |
|
エンテロウイルス |
気体との接触 |
(一財)北里環境科学センター |
2020年 |
|
コクサッキーウイルス |
気体との接触 |
(一財)北里環境科学センター |
2020年 |
|
アオカビ(胞子) |
気体との接触 |
(一財)北里環境科学センター |
2020年 |
|
クロコウジカビ(胞子) |
気体との接触 |
(一財)北里環境科学センター |
2020年 |
|
モラクセラ菌 |
気体との接触 |
(一財)北里環境科学センター |
2021年 |
|
マイクロコッカス菌 |
気体との接触 |
(一財)北里環境科学センター |
2021年 |
|
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2) |
気体との接触 |
株式会社食環境衛生研究所 |
2023年 |
|
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2) |
水溶液との接触 |
株式会社食環境衛生研究所 |
2023年 |
|
インフルエンザウイルス(H1N1) |
水溶液との接触 |
株式会社食環境衛生研究所 |
2023年 |
|
A群溶血性レンサ球菌 |
気体との接触 |
(一財)北里環境科学センター |
2024年 |
記事の内容は発表時のものです。
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