2024年11月15日
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パナソニック ホールディングス株式会社は、一般社団法人日本電機工業会(以下、JEMA)が主催する「2024年度(第73回)電機工業技術功績者表彰」において、当社傘下のパナソニック プロダクションエンジニアリング株式会社と共同で開発した『溶接深さの全数保証を実現する微細レーザ溶接計測技術の開発』の功績で最高位の「最優秀賞」を受賞しました。2024年10月18日に東京會舘で表彰式が行われました。
電機工業技術功績者表彰は、JEMAが重電部門、家電部門、ものづくり部門、IoT・AI・DX部門の各分野において、新製品・新技術開発などによって優れた成果を挙げ、電機工業の進歩発達に貢献した方々を表彰するものです。
受賞題目:「溶接深さの全数保証を実現する微細レーザ溶接計測技術の開発」
受賞者:パナソニック ホールディングス株式会社
MI本部 マニュファクチャリングソリューションセンター
横山 潤、武智 洋平
パナソニック プロダクションエンジニアリング株式会社
標準機事業センター
川上 みずほ
レーザ溶接による機械的な接続強度を示す「溶接深さ」は、従来、抜き取りの破壊検査でしか判定できておらず、溶接深さを全数保証する技術が要望されていました。そこで、今回の取り組みでは、溶接深さである加工により溶融した金属が蒸発することで形成される微小なキーホールの深さの計測にOCT(Optical Coherence Tomography:光干渉断層法)(※1)を用いた光干渉計測技術を開発しました。溶接深さを高精度に計測するためには、加工位置に応じて光干渉計測に用いる測定光をキーホールに正確に照射する必要があります。測定領域内で測定光を加工位置に追従するよう動的に補正する技術を開発し、光干渉計測技術と組み合わせることで、リアルタイムで高精度な非破壊での溶接深さ計測を実現しました。これにより、シングルモードレーザによる溶接深さの全数保証(世界初(※2))を実現し、今後は車載電池や電子デバイスなど微細溶接分野への適用が加速するものと期待されています。
※1 OCT(Optical Coherence Tomography)とは光干渉断層法のことで、測定対象物(物体)からの物体光と参照ミラーからの参照光を干渉計測することで、距離を求める仕組みです。
※2 2023年10月当時、当社調べ
当社グループからの最優秀賞受賞は2020年度(第69回)の『美味しい「冷凍」や調理時の時短・省手間を実現した家庭用冷蔵庫の開発』以来、4年ぶり。また、『レーザ溶接をin-situで可視化する溶接プロセスモニターの開発』の功績でものづくり部門の奨励賞を受賞するとともに、そのほかに当社グループとして家電部門で7件(内訳:優秀賞1件、優良賞3件、奨励賞3件)、重電部門で優良賞1件、ものづくり部門で奨励賞1件を受賞しました。
電機工業技術功績者表彰について(JEMAホームページ)
https://www.jema-net.or.jp/Japanese/info/commendation/
レーザ溶接システム サイト(パナソニック プロダクションエンジニアリング株式会社)
https://www.panasonic.com/jp/company/ppe/jigyo/laserwelding.html
パナソニック ホールディングス株式会社 コーポレートR&D戦略室 技術広報担当
Email:crdpress@ml.jp.panasonic.com
記事の内容は発表時のものです。
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