2024年12月10日
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パナソニック株式会社 空質空調社は、2024年9月、集合住宅や店舗、オフィスなどのライトコマーシャルを対象に、環境に配慮した自然冷媒搭載の業務用ヒートポンプ式温水給湯暖房機(Air to Water、以下、A2W)3機種を発売します。業界トップクラス(※1)のコンパクト設計も実現し、従来から展開している戸建て住宅向けに加えて、お客さまの幅広いニーズに対応します。
A2Wは、大気中の熱を集めて温水をつくり出し、建物に循環させることで暖房するシステムです。化石燃料を用いた暖房機器に比べてCO2排出量を抑えることができ、環境への負荷が少ないため、欧州にて需要が伸長。これまでは住宅向けが普及していましたが、今後、集合住宅やライトコマーシャル向けも需要拡大が見込まれています。
また、エアコン、A2Wなど空調機器の冷媒として使用されているハイドロフルオロカーボン(HFC)(※2)は、地球温暖化への影響が問題となり、2016年10月、「モントリオール議定書(※3)」の中で、生産・消費量を段階的に削減することが採択され(キガリ改正)、2019年1月に発効しています。
このような状況下、当社は2008年に、欧州にて、エコキュートやエアコンで培った省エネ技術をベースに開発した住宅向けA2W「Aquarea(アクエリア)」の販売を開始しました。主な特長は、寒冷地でも暖房機能が低下せず(※4)、温暖な地域では冷房として使用可能などで、クラウドにより遠隔監視するサービスも提供しています。2023年5月には、日系メーカーとして初めて、自然冷媒を採用した製品を発売しました。
2023年2月末には、スウェーデンの大手空質空調機器メーカーSystemair AB(以下、システムエア社)の業務用水循環型空調事業を買収。同社は、空調の冷媒に、HFCなどのフロンガスではなく、自然冷媒を採用するなど、環境技術が進んでいます。
今回、当社が培ってきた空調技術に、システムエア社の環境テクノロジーを掛け合わせて、暖房能力の高いA2W新製品を開発しました。発売は2024年9月を予定、生産は同年9月よりチェコ、来年4月よりフランス拠点にて開始します。新製品の特長は以下の通りです。
これまで住宅向けとして、3 kWから16 kWまで、6種の暖房能力で製品を展開してきましたが、今回、大幅に能力を高めた20、25、30 kWを新たにラインアップ。集合住宅や店舗、オフィスなどライトコマーシャルへの導入設置を可能にし、お客さまの幅広いニーズに対応します。
集合住宅やライトコマーシャル向けA2Wでは現在、主にHFC冷媒R32が使用されていますが、この度、日系メーカーとして初めて、温室効果が極めて低い自然冷媒R290を採用、今後、品揃えを拡充させる計画です。
現行の住宅用A2Wに対して、約30%の小型化(※5)を図り、業界トップクラスのコンパクトサイズを実現。限られたスペースでも設置が可能になりました。
当社は今後も、これまで培ってきた技術力、モノづくり力、くらしのノウハウを生かして、快適で、地球環境に配慮した空間創出に取り組んでいきます。
※1:他社同容量帯機種比較、2024年3月14日現在。当社調べ。
※2:代替フロンの1種でR410Aなどがあり、温室効果が高い。
※3:オゾン層保護を目的とした環境条約。オゾン層を破壊するおそれのある物質の生産・消費を削減する目標と、削減スケジュールなどが定められている。
※4:当社独自の「T-CAP技術」搭載機種にについて。
※5:当社A2W Jシリーズ(16 kW)2台に対し、30 kW 1台を設置する場合の設置面積。
記事の内容は発表時のものです。
商品の販売終了や、組織の変更等により、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。