2024年10月10日
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2024年2月28日
製品・サービス / プレスリリース
~実装面積削減によるECU小型化実現と電動車の高性能化・信頼性向上に貢献~
パナソニック インダストリー株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員・CEO:坂本 真治)は、ハイブリッド車や電気自動車などのxEV(電動車)用ECU(電子制御ユニット)[1]に搭載される「導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサ」において、業界で初めて、135℃保証を大容量タイプで実現した「ZLシリーズ」を製品化しました。2024年2月より量産を開始します。
大容量・大電流という特長を有した「導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサ」は、ECU電源回路の電流ノイズ低減と回路電圧の安定化を行う役割を持ち、自動車1台あたり100個以上使用される、車の電動化・高度電子化に欠かせないキーデバイスです。近年、車の電動化や自動運転の進展によりECUの搭載数と消費電力の増加が加速しています。特に、ADAS[2]やEPS(電動パワーステアリング)[3]・自動ブレーキなどの用途では、安全性向上のために同一回路を2回路搭載する冗長設計が求められ、コンデンサの使用数は一層増加する傾向です。一方、車体の設置スペースは限られており、ECUには大電流処理を小形で実現することが求められ、ECU内の発熱量が増加します。そのため、コンデンサに対しても、これまで以上の高耐熱対応と大容量化による小形化の両立が求められています。
当社は、2012年に「導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサ」の量産を開始し、リーディングカンパニーとして業界初の製品を創出してきました。このほど、独自の電解液技術と高精度電極箔巻取り技術をさらに進化させ、業界で初めて135℃保証を大容量タイプで実現した「ZLシリーズ」を製品化しました。主要5サイズをラインアップし、熱対策による回路設計の制限抑制と当社既存標準品(ZCシリーズ)から容量を変えずに1ランク小型化を実現します。
当社は、独自のデバイステクノロジーで電動車の高性能化・信頼性向上に寄与するとともに、燃費向上にもつながる機器の軽量化や使用部材の削減による環境負荷低減に貢献していきます。
※1 2024年2月28日現在、導電性高分子ハイブリッドアルミコンデンサの車載用主要5サイズ(ø5x5.8~ø10x10.2)における業界最高レベルの大容量品で135℃ 4,000時間保証(ø5、ø6は135℃ 2,000時間保証)を実現(当社調べ)
※2 2024年2月28日現在、導電性高分子ハイブリッドアルミコンデンサの車載用主要5サイズ(ø5x5.8~ø10x10.2)における業界最高レベルの大容量モデル(当社調べ)
大容量電極箔は高温環境での特性安定化が難しく、大容量化と高耐熱化の両立には課題がありました。今回当社では、材料組成の見直しなどにより高温環境でも電極箔特性を安定化できる新電解液を独自開発しました。135℃保証実現により、大容量タイプにおいても熱対策に伴う回路設計の制限が抑制でき、ECUの小型化設計に貢献します。
容量を維持したまま小型化するためには内部の電極箔の容量を大きくする必要がありますが、大容量電極箔は一般的な電極箔に比べて強度が下がるためモノづくりや信頼性確保に難しさがありました。当社では、巻取寸法を最大化した独自の高精度巻取り技術やポリマーの均一形成技術の進化などにより大容量電極箔を安定的に量産することに成功し、当社既存標準品(ZCシリーズ)から1.7倍以上となる業界最高レベルの大容量化を主要5サイズで実現。当社既存標準品(ZCシリーズ)から1ランク小型サイズで同等性能を確保できます。
当社既存標準品ZCシリーズからの1ランク小型化や、員数削減により実装面積の省スペース化が図れ、機器の小型化や使用部材の削減による環境負荷の低減に貢献します。
※ø6.3サイズ以上は耐振動仕様も対応可能(対応サイズ ø6.3x6.1、ø6.3x8.0、ø8x10.5、ø10x10.5)
Electronic Control Unit(電子制御ユニット)の略。システムを電子回路を用いて制御する装置(ユニット)の総称で、主に自動車に搭載されるものを示します。
ADASとは、Advanced Driver Assistance Systems(先進運転支援システム)の略。
ドライバーの安全・快適を実現するために自動車自体が周囲の情報を把握し、ドライバーに的確に表示・警告を行ったり、ドライバーに代わって自動車を制御するなどの運転を支援する機能の総称です。
EPSとは、 Electric Power Steeringの略称で、自動車の操舵を電動でアシストする装置。アシストが必要な場合のみモータを駆動します。従来の油圧パワステ(エンジンの動力を利用して駆動する方式)と比較すると低燃費に貢献しています。
電動車内に搭載される種々のアプリケーションの実装場所(フロント部、リア部など自動車を2~6の領域に分割)に基づいてアプリケーションを分類し、集中型ゲートウェイを活用して通信の管理やアプリの制御を行うアーキテクチャを示します。
コンデンサに電圧の変動が加えられると、電圧の変動分に応じた充放電電流がコンデンサに印加されます。このコンデンサに印加される電流のことをリプル電流と言います。
パナソニック インダストリー株式会社 デバイスソリューション事業部
https://industrial.panasonic.com/cuif/jp/contact-us?field_contact_group=2152&field_contact_lineup=733
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