2024年10月10日
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パナソニック株式会社 インダストリー社(以下、当社)は、業界初のロール to ロール独自工法を用い、低抵抗と高い透過率の特長を併せ持つ、一括両面配線透明導電フィルムを商品化しました。
昨今のタッチディスプレイの高画質化・大型化に対する透明導電フィルムのニーズを受け、メタルメッシュ[1]の開発が進められています。メタルメッシュの一般的なエッチング工法では、低抵抗による大型化は実現出来るもののメタルメッシュの配線見えなどが課題となっています。当社は「ロール to ロール独自工法」により従来のエッチング工法では困難だった配線幅2 μmを実現しつつ高いアスペクト比[2]を達成し、低抵抗かつ高い透過率を併せ持つ透明導電フィルムを実現しました。更に、フィルム両面への一括配線により高い座標精度と使用材料の削減を実現し、お客様の高画質化・大型化・環境負荷低減のニーズにお応えします。
車載、民生用途のタッチセンサ、透明アンテナ、透明ディスプレイ用基板、透明ヒーターなど
パナソニック株式会社 インダストリー社 メカトロニクス事業部
https://ac-blog.panasonic.co.jp/ja/control/touch-panels/metal_mesh/inquiry?ad=press20220216
タッチディスプレイの高画質化・大型化のニーズが高まる中、ディスプレイ上に配置されるタッチセンサにはタッチ機能を維持しながらも画質を阻害しないことが求められます。
このような背景からタッチセンサの構成部材である透明導電フィルムは低抵抗と高い透過率の両立が求められています。しかし、メタルメッシュの一般的なエッチング工法では低抵抗と配線の細線化がトレードオフの関係にあり、低抵抗は実現できるものの配線幅が大きくなることで透過率が不十分でした。一方、当社はロール to ロール独自工法の採用により従来工法では困難だった配線幅2 μmの高いアスペクト比の配線を形成し、低抵抗と高い透過率を両立した透明導電フィルムを実現しました。
この技術により、ディスプレイの高画質化・大型化と共に、透明性を活かしたデザインフリーな透明アンテナの実現に貢献します。
図1.ロール to ロール独自工法
図2.独自工法で作成した配線の表面・断面電子顕微鏡写真
従来の静電容量方式のタッチセンサは、送信電極と受信電極2枚のフィルムを貼り合わせ作製していましたが、両電極の位置精度は貼付装置の機械精度や接着剤の粘性に依存する課題がありました。当社はロール to ロール独自工法を用いた一括両面配線により、1枚のフィルムの表裏に送信電極と受信電極を形成することで相対位置精度を大きく向上させることに成功しました。また、デバイスの薄膜化により耐屈曲性が向上し、フレキシブル化にも対応します。
当社透明導電フィルムは細線化が可能なことから高い開口率[3]を実現できます。それにより、ディスプレイから出射された光の透過率が高まり、一般的なエッチング工法で作製した従来の透明導電フィルムと比較して、同面積・同解像度のディスプレイにおいて約4%の消費電力を削減することが可能になります。更に、送信電極と受信電極を1枚のフィルムに一括両面配線形成することにより、従来は2枚使用していたフィルムを1枚に削減することで環境負荷低減に貢献します。
表1.仕様
品名 | 透明導電フィルム | ||
---|---|---|---|
配線 | 線幅 | 2.0 μm | |
厚さ | 1.5 μm | ||
透過率 | 94% | ||
シート抵抗 | 2 Ω/sq. | ||
額縁配線 L/S[4] | 8/8 μm | ||
基材 | PET・PC・COP | ||
屈曲性 | ≧R2 mm |
https://ac-blog.panasonic.co.jp/ja/control/touch-panels/metal_mesh/special?ad=press20220216
以上
記事の内容は発表時のものです。
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