パナソニック株式会社 アプライアンス社は、家電領域を中心とした新規事業の創出と、それらをリードする人材育成の加速を目的に「Game Changer Catapult(ゲームチェンジャーカタパルト)」活動を2016年度より開始しており、その取り組みの一貫として、2017年3月にアメリカ合衆国テキサス州オースティンで開催されるSXSW(サウス・バイ・サウス・ウエスト)」2017年インタラクティブ部門(以下、SXSW2017インタラクティブ)に出展します。
イベント期間中、最も多くの参加者が集まる市街中心地に 「Panasonic House @ SXSW 2017」をオープンし、社内公募で選ばれた8つの事業アイデアを、プロトタイプやコンセプトの形で展示します。
8つの事業アイデアは、シェアリングエコノミーやニューエコノミーといった経済環境の変化や、AI、IoT、ロボティクスといったテクノロジーの進化の2つの側面をとらえた上で、「2025年の家電の未来」を見据えたコンセプトやビジネスモデルで構成されている点を特徴としています。事業のカテゴリーは、Food(食)、Wellness(ウェルネス)、Lifestyle(ライフスタイル)の3つの領域にまたがり、いずれも製品の販売時点でお客様との関係を途切れさせるのではなく、お客様ひとりひとりのニーズに合致したサービスを提供し、共感を生み出すことで、持続的な関係を築くことを重視しています。
<「Panasonic House @ SXSW 2017」 出展概要>
出展日時:3月11日(土)~3月14日(火)9:30~20:00
(最終日のみ17:00に終了)
出展場所:301 East 6th st., Austin, TX 78701
<出展予定の事業アイデア>
- 1) The Ferment
生産者から新鮮な麹や食材が届けられ、食材ごとに最適な温度設定と管理を可能にする専用機器と、誰でも簡単に美味しく発酵食を楽しむことができるスマートな発酵調理キットのサービスの事業アイデアです。健康増進や美容意識の高まりを背景に、発酵食が注目を集めているなか、食材や好みに応じた細かな温度調節や専門家による正確な温度設定の管理を自動化・最適化します。アプリケーションを通じて、食材の入手から、発酵管理、調理提案までサポートし、「発酵のある暮らし」を提供します。ユーザーと食の専門家との間にパナソニックが立ち、発酵ライフをサポートするプラットフォームとして、コミュニティづくりも進めていきます。
- 2) DeliSofter(デリソフター)
各家庭で調理された食事を、見た目と味はそのままに、柔らかく軟化加工を実現する専用調理機器を開発。高齢化や事故により、咀嚼する力や飲み込む力が弱くなり、嚥下障害や摂食障害に陥った方々でも、流動食や専用の介護食を別途準備することなく、喫食することが可能となります。従来では難しかった肉や魚などタンパク質を多く含む料理も、独自の技術で軟化させることに成功し、嚥下障害、摂食障害の課題を調理器具によって解決するハードウェア開発を推進中。
持ち運びも可能なコンパクトな設計により、諦めていた旅先で家族と一緒の食事が楽しめるなど利用の幅も広げる提案や、将来的にはハードウェアの販売のみならず、ユーザーと共同で専用レシピを開発するなど、継続的にユーザーとの絆を深めてゆくコミュニティづくりも想定しています。
- 3) Bento@YourOffice
世界各国の都心のオフィス街では、混雑や行列で昼休みに昼食が取れずコンビニ弁当やスナックで我慢しているという「ランチ難民」の増加を解消するサービスを開発。一人ひとりに最適化され、ヘルシーで美味しく、栄養バランスの取れた安心・安全なランチを提供します。このサービスは(1)スマートロック、(2)スマートペイメント、(3)稼動(在庫、温度、電源)モニタリングの三種類の技術によって実現。外部パートナーのサービス事業者との協業によって事業化を想定しています。
- 4) Sake cooler
日本酒を最適な温度で冷たく維持する基本機能に加え、ボトルを挿入するだけで蔵元の情報を表示し、相性のよい料理を提案する専用機器を開発。愛飲者の好みがログデータとして記憶され、過去の飲酒記録データからユーザーの好みを判別し、嗜好に沿うようなその他の日本酒も逆提案します。日本全国の蔵元と日本酒愛飲者の絆を深めるプラットフォームとして、将来は世界規模のコミュニティを構築することを目指しています。
- 5) AMP (Ambient Media Player)
テレビ事業の経験をいったん忘却し、デバイス開発からの発想を逆転させ、「都会に住む人の心を満たす映像と音のコンテンツは何か?」という視点からスタートし、リビングなどの住空間、オフィスやホテル、レストランなどの公共空間において、家具や什器などと調和し、好みのライフスタイルやインテリアデザインの一部としてのディスプレイと、世界中から厳選された上質なコンテンツをお届けするサービスを提供する事業アイデアです。
家電製品としてではなく、インテリアの一部として住空間の価値を高める映像コンテンツ配信サービスとディスプレイの組み合わせを提供することで、映像クリエイターとそれを楽しむユーザーとを結びつけることにより新たなコミュニティ作りを目指しています。
- 6) MonStyle (モンスティール)
お気に入りの衣服を、クリーニング店に頼るのではなく自宅で洗濯すると同時に、その日の気分によって好きな香りなどの効果を付けて自分流の服に仕上げることができる、「洗濯」を固定化された家事のイメージから開放する新しい衣類ケアシステム。大切な服を一着ずつハンガーにかけて専用デバイスに入れて洗浄することにより、従来の洗濯機による洗浄法では素材の違いや他の衣服との擦れによって生じていたシワや傷みの心配を大幅に軽減。また、衣服の素材や汚れ具合など、個別の状態に合わせ最適化された洗剤を選んだり、衣類に香りやUVカット等さまざまな効果を付加することが可能になります。外部のパートナー企業と連携しながら専用の洗剤のバリエーションを継続的に拡大していきます。
- 7) CaloRieco(カロリエコ)
調理したおかずなどの料理の具材や調理法などを短時間で識別し、カロリーや三大栄養素の含有量を計測可能にするソリューションアイデア。糖尿病の患者およびその家族など、毎日の食事の管理を必要とするユーザーを、煩雑な手間から開放する目的に開発。近赤外線を使用した独自の分析手法により、一般の家庭において従来では数十分を要していたカロリー計算を約十秒(実験値)で測定することが可能になります。
また、測定したカロリーや栄養素をログデータとして自動記録し管理することで、健康づくりや体重維持が気になるユーザーのニーズに合わせカスタマイズされたレシピを推奨するなど、今後はサービス事業への発展も検討しています。
- 8) Social Appearance Coaching Device
ウェルネス分野のウェアラブル機器サービスを、海外の大学・研究機関などとのハッカソンから抽出したアイデアをベースに具体化。ストレスや行動データを心と体の健康のためにいかに活用できるかに着目し、コミュニケーション力向上を目指す社会人を対象に姿勢・声・動作・ストレスデータを使ったコーチングサービスを検討中です。企業向けサービス事業化を目指しており、パートナー企業の探索を推進しています。
- ※1:SXSW(サウス・バイ・サウス・ウェスト)とは
アメリカ合衆国テキサス州オースティンで毎年3月に開催されるデジタル・インタラクティブや映画・音楽の分野での世界的規模の大型展示会。1987年に音楽イベントとして始まり、1994年にフィルム部門とインタラクティブ部門が追加され、現在の形式となっています。特にインタラクティブ部門は世界的に影響力があり、スタートアップ企業の登竜門として、昨今、企業や投資家などから大変注目を集めています。当部門における大賞の受賞を機にICTサービスが世界中の人々に利用されるようになった事例などがあります。
SXSW2017出展の詳細は「Game Changer Catapult(ゲームチェンジャーカタパルト)」の公式サイトからも確認いただけます。
http://gccatapult.panasonic.com/
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