【要旨】
パナソニック株式会社 オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は、薄型モバイル端末や車載機器、産業機器などの熱およびノイズ(EMC)対策に適した、電磁ノイズ抑制特性と業界最高レベル※1の高い熱拡散特性を有する「電磁ノイズ抑制・熱拡散一体シート」を開発しました。
【効果】
薄く柔軟性を有するシート材料で、電子機器の筐体内部の狭小空間での熱やノイズ対策に適しています。業界最高レベル※1の熱拡散特性と、低周波から高周波までの電磁ノイズ抑制効果を有し、各種機器の誤動作防止、電波干渉防止などに貢献します。現在、熱とノイズ対策は別々に行われていますが、業界で初めて※2熱とノイズの対策を1枚のシートで同時に行うことができ、機器設計の簡素化と効率化を実現します。モバイル端末や車載機器、産業機器など幅広い分野での展開が見込まれます。
【特長】
- 電磁ノイズを効果的に抑制でき、各種機器の電波干渉・誤動作防止に貢献
- 業界最高レベル※1の高い熱拡散特性で、各種機器の熱対策に貢献
- 薄く柔軟なシートで熱とノイズ対策を1枚で実現
【内容】
- 均質な金属磁性粒子を樹脂中へ高密度に配向できる分散・圧縮プロセス技術
- 熱拡散特性とノイズ抑制特性を向上する一体貼り合わせ技術
【従来例】
各種機器の高性能・小型薄型化が進む中、機器内には半導体、電池などから生じる熱や電磁ノイズ源が存在しています。熱や電磁ノイズは、電子機器の受信感度の低下や機器の誤動作を引き起こす場合があり、熱やノイズ対策の重要性は高まっています。
【実用化】
サンプル出荷予定: 2017年9月、受注開始予定:2018年9月
- ※1 2015年8月18日現在 熱拡散シートとして(当社調べ)
- ※2 2015年8月18日現在 熱拡散シートとの一体シートとして(当社調べ)
【商品のお問い合わせ先】
- パナソニック株式会社 オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社
- デバイスソリューション事業部 https://industrial.panasonic.com/jp/contact-us
【特長の説明】
1. 電磁ノイズを効果的に抑制でき、各種機器の誤動作防止や電波干渉防止に貢献
各種機器の高性能・小型薄型化が進む中、機器内には、半導体などから生じる電磁ノイズ源が存在し、電子機器の受信感度の低下、誤動作を引き起こす場合があり、ノイズ対策の重要性が高まっています。本開発品は500MHzの低周波から6GHzの高周波までの電磁ノイズ抑制効果を有し各種機器の電波干渉・誤動作防止に貢献します。
2. 業界最高レベルの高熱拡散特性で、各種機器の熱対策に貢献
機器内には、半導体、電池などの熱源が存在し、電子機器の熱暴走を引き起こす場合があり、熱対策の重要性が高まっています。本開発品は、業界最高レベルの高い熱拡散特性により各種機器の熱対策に貢献します。
3. 薄く柔軟なシートで熱とノイズ対策を1枚で実現、機器の熱・ノイズ設計に貢献
機器内には、熱源と電磁ノイズ源が同一箇所に存在する場合が多くなり、熱対策と電磁ノイズ対策を同時に行う必要が高まっています。本開発品は、狭小空間への実装を可能とする薄型柔軟性を有した電磁ノイズ抑制・熱拡散一体シートで熱とノイズの同時対策を実現します。
【内容の説明】
1. 均質な金属磁性粒子を樹脂中へ高密度に配向分散できる分散・圧縮プロセス技術
シートを薄型化し、高い電磁ノイズ抑制能力を実現するためには、樹脂中にノイズを抑制する役割を有する金属磁性粒子を高密度に配向分散することが要求されます。当社では、低歪、高アスペクト比の扁平構造の均質な金属磁性粉末を採用。この金属磁性粉体を樹脂中に高密度に配向する分散・圧縮プロセス技術の採用により、これまで困難であったシートの薄型化と電磁ノイズ抑制能力の向上を実現しました。
2. 熱拡散特性とノイズ抑制特性を向上する一体貼り合わせ技術
熱対策シートと電磁ノイズ対策シートを個別に準備し、同一箇所に実装する場合には、両者を接着する必要がありますが、接着層が厚く、熱拡散特性および電磁ノイズ抑制の効果が損なわれる場合があります。当社では電磁ノイズ抑制効果を有する機能性接合層を開発。この機能性接合層を電磁ノイズ抑制シートに付与する一体貼りあわせ技術の採用により、熱拡散特性とノイズ抑制特性を向上します。
【基本仕様】
項目 | 参考特性 |
---|---|
有効周波数 | 500MHz~6GHz |
使用温度範囲 | -40℃~+125℃ |
標準製品厚み | 75μm,100μm |
熱伝導率(W/(m・k)) ;a-b面) | 1600 |
【製品模式図】
※サンプル出荷時の提供形態の一事例です
以上