2022年1月12日

定格電流30~70 Aの面実装対応品で、車載ECUの高性能化・小型化に貢献

大電流に対応した面実装「車載用パワーインダクタ」を製品化

画像:車載用パワーチョークコイル(2022年1月パナソニック)

パナソニック株式会社 インダストリー社は、車載機能の高性能化に伴う、使用電流の大電流化やECU(Electronic Control Unit)基板サイズの小型化という市場ニーズに適した、低損失・高耐振の面実装タイプ車載用パワーインダクタ[1]15.6 mm角サイズを製品化(PCC-M15A0MFシリーズ)、2022年1月より量産を開始します。

車載機能の高性能化に伴い、電気回路を流れる電流値やECUの搭載数が増加していきます。車内空間を確保するためには、ECU基板サイズを小型化する必要があります。そのためには基板に実装されている電子部品が大電流に対応でき、かつ部品サイズが小型であることが必要不可欠です。しかし、大電流タイプのインダクタは製品サイズの大きなスルーホール実装品が主流で、基板の小型化には不向きです。また、抵抗・コンデンサなどの受動部品は面実装品が多く、スルーホール実装と面実装は同時に行うことができないため、基板実装工程を2回行う必要があります。そこで、当社では70 Aの大電流に対応し面実装が可能な車載用パワーインダクタ15.6 mm角サイズ(PCC-M15A0MFシリーズ)を製品化しました(PCC-M1280MFシリーズのサイズアップ品)。

当社は、高い信頼性を持つ「パワーインダクタ PCC-M15A0MFシリーズ」で電源回路の信頼性の向上に努めるとともに、実装面積の省スペース化により環境負荷の低減に貢献します。また、今後はインダクタンスレンジの拡大により、ラインアップの拡充を図り、市場ニーズに対応していきます。

【特長】

1. 大電流対応の面実装タイプとして業界最小クラス※1(15.6 mm角)

  • ・定格電流※2:30-70 A
  • ・サイズ:横15.6 mm×縦17.2 mm×高さ10.5 mm

2. 優れた耐熱性と耐振動性を実現し、ECUのエンジンへの直接搭載が可能

  • ・耐熱性:160℃/2000時間
  • ・耐振動性:5 Hz~2 kHz/30 G

3. 省スペース化による使用部材の削減で環境負荷を低減

  • ※1:2022年1月12日現在 面実装タイプのパワーインダクタとして(当社調べ)
  • ※2:定格電流:製品が自己発熱+40℃の値になる電流値

【用途】

ガソリン車、ディーゼル車、ハイブリッド車の昇圧・降圧DC/DCコンバータ回路[2]、高機能車載ECU電源回路、機電一体型[3]車載ECU回路

【特長の詳細説明】

1. 大電流対応の面実装タイプとして業界最小クラス(15.6 mm角)

自動車の電子化が急速に進むなかで、エンジンルーム内や直接エンジンに搭載されるECUが増加しており、ECUの小型化が求められています。当社では独自の金属磁性材料を用いたメタルコンポジット材料[4]と太銅線を用いた巻線コイルを採用し、さらに同材料と巻線コイルを隙間なく一体成形したギャップレス一体構造を開発しました。12.6 mm角(PCC-M1280MFシリーズ)と比べて、銅線の太さを従来品より1.4倍太くしたことで、コイルの発熱や損失(ロス)が低くなり、面実装タイプで15.6 mm角と業界最小クラスの小形ながら30 A~70 Aの大電流対応を実現しました。これによりECUエンジンへの直接搭載や電源回路の省スペース化を可能にしました。

2. 優れた耐熱性と耐振動性を実現し、ECUのエンジンへの直接搭載が可能

ECUは、エンジンへの直接搭載する際、過酷な熱環境、振動条件下でも設置できることが求められており、搭載されるコイルにも、優れた耐熱性と耐振動性が要求されています。そこで、メタルコンポジット材料の組成を工夫することで、160℃の高耐熱を実現しました。また、コイルを構成する太銅線を引き出して、端子として活用すると同時に、底面にカシメ構造を設け、端子とメタルコンポジット材料のボディを固定する独自構造を採用し、基板実装後の耐振動性を向上させています。これによりエンジン周りやエンジンへの直接搭載、またモータの近傍での搭載も可能です。


当社従来構造とカシメ構造の比較

3. 省スペース化による使用部材の削減で環境負荷を低減

現在、車載用パワーインダクタは、磁性材料にフェライト[5]を使用したものが約60%、メタルコンポジットを使用したものが約40%とフェライトタイプが過半数を占めています(2021年当社調べ)。当社は小型化に適したメタルコンポジットを採用することで、同等の性能を有するフェライトタイプの標準的サイズ20 mm角に比べ、15.6 mm角と小型化を実現しました。これにより同等性能のフェライトタイプから当社製品への置き換えで、30~50%設置面積の省スペース化が可能となり、機器の小型化が図れ、使用部材の削減による環境負荷の低減につながります。

【仕様】

シリーズ 形状
W×D×H(mm)
インダクタンス
[6](*1)
直流抵抗[7]
20℃
定格電流
(*2)
定格電圧
PCC-M15A0MF 17.2×15.6×10.5 0.33 uH 0.42 mΩ 73 A 80 V
  • (*1):100 kHzにて測定
  • (*2):製品が自己発熱+40℃の値になる電流値

【用語説明】

  • [1]パワーインダクタ
    インダクタの中でも電源系統の電気回路に使用され、DC/DCコンバータ回路などでエネルギーの蓄積やノイズを除去するフィルタの役割を持つ。
  • [2]DC/DCコンバータ回路
    ある電圧の直流電流を異なる電圧の直流電流へ変換する回路
  • [3]機電一体型
    機械駆動部分と車載ECUが一体となった設計のこと。従来、駆動部と車載ECUは離れて設置されていたため配線で結ばれていたが、制御の高精度化・設置場所の自由度向上・省線化などの目的で導入が進んでいる。
  • [4]メタルコンポジット材料
    金属磁性材(鉄族)をベースとした粉末を、樹脂により絶縁し圧縮成型した磁性材料
  • [5]フェライト
    酸化鉄を主成分にコバルトやニッケル、マンガンなどを混合焼結した磁性体
  • [6]インダクタンス
    コイルの性能を表す指標のひとつ。コイルに変化する電流を流すと、その電流変化を妨げる方向に電流を流す電圧が発生する。この発生する電圧の度合いをインダクタンスという。
  • [7]直流抵抗
    巻線(銅線)の抵抗成分。これが低いほど電力の損失が小さくなる。直流抵抗が低いほどロスが減り、電源効率を改善できる。

【商品のお問合せ】

パナソニック株式会社 インダストリー社 デバイスソリューション事業部
https://industrial.panasonic.com/cuif/jp/contact-us?field_contact_group=2162&field_contact_lineup=766&ad=press20220112

【商品の詳細情報】

https://industrial.panasonic.com/jp/ds/pr/12mmsize-pcc?ad=press20220112

【パナソニック株式会社 インダストリー社 企業情報サイト】

https://www.panasonic.com/jp/corporate/industry.html

以上