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2020年1月30日
製品・サービス / プレスリリース
パナソニック株式会社 インダストリアルソリューションズ社(以下、パナソニック)は、日々、高度化するセキュリティー対策を担う多機能セキュアICを開発し、2020年2月よりサンプル出荷を開始します。本製品は独自のセキュリティー機能を有し、IoT機器や工場などで使用される産業機器に追加実装するだけで機器の安全性を向上します。
昨今、さまざまな分野において機器のIoT化が加速し、高度多様化するセキュリティー攻撃への対策が求められています。従来は認証鍵をICの外から書き込み、IC内に保有し続けていました。本製品はIC内部で固有の認証鍵を生成・保有、使用後に消去することで鍵の抜き取りをブロックし、重要データを強固に保護します。また、無線インターフェース機能のNFC[1]や放射線耐性が高いメモリー(ReRAM[2])を搭載しているため、インターネット未接続機器や医療機器などへの適用が可能です。さらに機器の使用中だけでなく、製造から廃棄または再利用までのライフサイクル全体にわたって安全性の確保が可能となり、安心安全なIoT社会の実現に貢献します。
機器の認証鍵をIC外部から内部のメモリーに書き込み、メモリー内に保存していたため、認証鍵を抜き取られるリスクがあり、お客様側での安全な環境構築が必要でした。また、データが抜き取られたり改ざんされるリスクもありました。
パナソニック セミコンダクターソリューションズ株式会社
https://www.panasonic.com/jp/company/pscs/contact.html?ad=press20200130
本製品は、独自のセキュリティー機能としてICごとに異なるアナログ情報を保有しています。このアナログ情報は人間の生体情報(指紋)のように一つ一つ異なります(ICの指紋)。このICの指紋はアナログ情報のため、コピーすることはできません。
本製品では、ICの指紋から固有の認証鍵を生成し、この認証鍵でメモリー内の大切なデータを暗号化しておくため、メモリー内のデータの抜き取りや改ざんへの耐性が向上します。
また、機器を認証する時にもICの指紋から認証鍵を生成し、認証作業が終了した段階で認証鍵を消去するため、セキュリティー耐性が大幅に向上します。
本製品には、無線通信するためのNFCを搭載しており、インターネットに接続されていない機器であってもスマートフォンやタブレット端末経由でインターネットに接続できます。それによってサーバーを利用した機器の相互認証が可能となり、なりすましなどを防止できます。また、エナジーハーベスティング機能[4]を使うことで、機器の電源がオフの状態であっても、NFCを介して機器内のコントローラICの情報やセキュリティーインシデントの記録などをスマートフォンやタブレットで読み取ったり、機器の動作設定を行うことができるため、システムの保守管理の容易化やユーザビリティー向上に貢献します。
また、放射線耐性が高い不揮発性メモリーのReRAMを搭載しているため、放射線滅菌処理が必要な医療機器や医薬品の管理などへの適用が可能です。
本製品は、トラストサービス事業者*などのセキュアIoTプラットフォームと連携する機能を搭載しています。そのため、トラストアンカー[5]を保有した本製品をIoT機器に組み込み、証明書による認証を実行することで機器の製造から廃棄または再利用までのライフサイクル全体にわたって安全性の確保が可能となり、安心安全なIoT社会の実現に貢献します。また、これにより、IEC62443[6]で定める制御システムに関するセキュリティー基準への適応が容易になります。
以上
記事の内容は発表時のものです。
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