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2018年11月14日
製品・サービス / トピックス
2018年6月に可決・成立し、2019年4月から施行される「働き方改革関連法案」。今後ますます、効率性や生産性の見直しが図られ、限られた時間内で成果を上げることが求められるでしょう。
人が眠気や疲れを感じやすい時間帯にふくらはぎをマッサージすることで脳に好ましい刺激を与え、気分転換や集中力アップに効果があると言われています。そこで、パナソニック株式会社は、仕事中のふくらはぎへのマッサージ効果に着目。脚に巻くタイプのエアー式圧迫装置を使って、ふくらはぎマッサージの効果を測る実験を行いました。
実験は、健康な25歳から45歳未満の働く男女16名を対象に、(1)一般的心理状態の測定(VAS検査)、(2)心理的ストレスの測定(POMS検査)、(3)作業能率の測定(クレペリン検査(変法))による作業能率の測定を行いました。
まず、ふくらはぎをマッサージする前に3種類の検査を実施。その後、エアー式圧迫装置を使ってふくらはぎをマッサージし、再び3種類の検査を実施。マッサージ効果の有無を比較するために、装置を巻いただけでマッサージはしない場合の変化も同様の検査にて測定しました。
実験の結果、(1)一般的心理状態の測定(VAS検査)では、マッサージした時の前後比較で、眠気の度合いが38.8%も低減しました。また、マッサージをした場合と装置を巻いただけでマッサージはしない場合の比較では、眠気の度合いの低減量に顕著な差が確認できました(図1)。この結果から、ふくらはぎマッサージが眠気解消につながると考えられます。
さらに(3)作業能率の測定(クレペリン検査(変法))では、回答できた正当数が9.7%増加しました。(図2)なお、(2)心理的ストレスの測定では顕著な差は見られませんでした。
【杏林大学名誉教授 古賀良彦先生のコメント】
今回の実験で以下の結果が得られました。
すなわち、ふくらはぎマッサージの効果を3種類のテストで測定すると、眠気が取れて気分がよくなり、さらに頭が冴え集中力が高まり、やる気が出てくるということです。
そのことが、ストレスの軽減には直接は反映されないものの、計算課題の結果からわかるように作業能率の向上をもたらしたと考えられます。
顕著な差が出にくいクレペリン検査(変法)において、9.7%の正当数の上昇は高く評価されることと言えるでしょう。
このことを実際にオフィスで働いている場面にあてはめてみると、仕事の負荷によって集中力が低下し眠気に襲われた時や、前向きの気持ちが失われ作業能率が下がった時に、ふくらはぎマッサージを行えば、眠気が取れて積極性が回復し、作業能率がアップするということになります。
つまり、ふくらはぎマッサージは生産性向上に貢献するということが実験から明らかにされたと考えてよいでしょう。
【古賀良彦先生のプロフィール】
杏林大学 名誉教授 精神科医 医学博士 日本ブレインヘルス協会理事長
慶応義塾大学医学部卒業。同大学病院で研修を終了後、杏林大学医学部精神経科学教室に入室。同教室主任教授を長年にわたり務め、現在は同大学の名誉教授。
脳波や光トポグラフィなどの脳機能画像による生理学的研究の先駆者。
日本催眠学会名誉理事長、日本薬物脳波学会副理事長、日本臨床神経生理学会名誉会員、日本ブレインヘルス協会理事長。
食品や香り、ぬり絵などによる健康の維持増進についても造詣が深い。著書は「いきいき脳のつくり方」(技術評論社)など多数。
記事の内容は発表時のものです。
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