パナソニック株式会社(以下、パナソニック)は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(以下、東京2020大会)に、人が行う作業を自動化およびアシストをする各種ロボットを提供しています。パナソニックは、人に寄り添うロボットが安心で快適な生活を支える社会の実現を目指すとともに、東京2020大会のビジョンにある「史上最もイノベーティブで世界にポジティブな改革をもたらす大会」の実現をサポートします。
東京2020大会に提供するロボットとして、2019年3月15日に発表した選手団の荷物の積み降ろしなどの作業をアシストし、腰の負担を軽減するパワーアシストスーツ「ATOUN MODEL Y」に加え、新たに3つのロボットを提供しています。大会施設の床掃除を自動化するロボット掃除機の開発モデルと、長時間の歩行を伴う大会ボランティアやスタッフの歩行をサポートするパワーアシストスーツ「ATOUN HIMICO」、そして前述の「ATOUN MODEL Y」に腕のアシスト機能を追加して競技機器などの運搬を支援する「ATOUN MODEL Y + kote」です。
将来への研究開発を目的とした今回のロボット掃除機は、2021年7月19日から9月5日まで、大会施設のひとつであるメインプレスセンター(MPC)の共用部床の掃除を行います。カメラやLiDAR(ライダー)※1を搭載し、人や壁・障害物といった掃除環境を高精度に自動認識します。事前の片づけなしで、安全に床面を隅々まで自動で掃除を行い、大会期間中の清掃員の作業負荷を軽減します。さらに、「ナノイー X※2」搭載により集塵BOXを除菌し※3、清潔で快適な施設空間を提供します。
2つ目の歩行支援用パワーアシストスーツ「ATOUN HIMICO」は、歩行の動きをセンサーで検出し、腰部のモータと両膝のサポーターを繋ぐワイヤーによって、歩行中の脚の持ち上げ下げをサポートします。歩行による移動が長時間にわたる大会スタッフの疲労軽減に役立ちます。
「ATOUN MODEL Y + kote」は、腰用の「ATOUN MODEL Y」に腕を補助するユニット「+ kote」が追加されたパワーアシストスーツです。「ATOUN MODEL Y」は、すでに空港や工場、物流・建設・農業現場など、重い荷物を取り扱う作業現場で実用化されているほか、東京2020パラリンピックのパワーリフティングの競技支援への提供も決まっています。この「ATOUN MODEL Y」に「+ kote」を追加することで、腰のサポートに加えて、肩のモータと手を繋ぐワイヤーの伸縮により、荷物を引き寄せるときや持ち上げ・運搬などの作業時に腕をサポートし、さらなる作業効率の向上と疲労軽減を促進します。なお、アシストスーツはパラリンピック限定のカテゴリー(アメリカ合衆国を除く)で、掃除機は米州とオーストラリアを除く地域が対象です。
パナソニックは、東京2020組織委員会がロボット有識者、国(内閣官房、文部科学省、経済産業省)、東京都、大会パートナーとともに推進する「東京2020ロボットプロジェクト」に参画しています。人に寄り添う先進的なロボットの提供により、東京2020大会の運営に貢献していきます。
- ※1 LiDAR(Light Detection and Ranging)パルス状に発光するレーザ光を対象物に照射し、反射した散乱光が戻ってくるまでの時間から距離を計測するセンサー。
- ※2 「ナノイー」および「nanoe」マークは、パナソニック株式会社の商標です。
- ※3 除菌効果は集塵BOX内のダストの状態によって異なる場合があります。
- 【試験機関】テクノサイエンス
- 【試験方法】試験室(約6畳)において集塵ボックス内の布に付着させた菌数を測定
- 【抑制の方法】「ナノイー」を放出
- 【対象】付着した菌
- 【試験結果】2.5時間で99%以上抑制(第20070646-001)試験報告書発行日:2021年3月5日(試験は2種類の菌で実施)すべての菌に効果があるわけではありません