2024年9月27日
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パナソニック株式会社 オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は、業界最高※1の耐静電気放電(以下ESD)[1] 性能を実現した「小形・高精度薄膜チップ抵抗器」を製品化、2018年6月から量産を開始します。車載ECU、産業ロボットなどの電源ユニットや制御回路のESD対策と高精度化に貢献します。
近年、加速する車の電装化に伴い、ECUのESD対策のニーズが高まっています。また環境対応車の燃費改善や自動運転化を背景に、ECUの小型化・高精度化が進んでいます。そのため、ECU搭載向けとして、小形・高精度で耐ESD性能に優れた抵抗器が要求されています。当社は独自の薄膜形成技術により、小形・高精度でありながら業界最高※1の耐ESD性を実現した薄膜チップ抵抗器を製品化しました。
車載:エンジンECU、HEV/EVインバーター、アンチロック・ブレーキシステム(Anti-lock Brake System)、TCU(Telematics. Communication Unit)の制御回路や電源回路
産業:産業ロボット、精密工作機械、FA制御機器、計測機器、サーバーの制御回路
ECUの小型化や、自動運転技術によるセンサの高精度化により、小形・高精度なチップ抵抗器が求められています。また、車の電装化に伴い、瞬間的に印加されるESDが機器の誤作動や故障の原因となるため、ESD対策を施した設計が必要になっています。従来の小形・薄膜チップ抵抗器は、抵抗膜の構造上、ESDなどの瞬間的な過電圧によって局所的に高負荷が発生し、壊れやすいという課題がありました。今回当社独自の薄膜形成技術により、過電圧による局所的な電圧負荷を低減し、小形・高精度で業界最高の耐ESD性能を実現した薄膜チップ抵抗器を開発しました。増幅回路や制御回路の入出力信号の高精度制御に対応するとともに、薄膜抵抗器の実装工程で必要だったESD対策に考慮した設備や、取り扱い上の制約を緩和することが可能です。
温度差の大きな環境下では、チップ抵抗器と実装基板の線膨張係数の違いによる熱応力が繰返し加わることではんだフィレット[3] に亀裂が発生し、抵抗値変動を引き起こします。そのため、長期間での使用は難しいという課題がありました。本製品は、電極の内部に緩衝層を設けた当社独自の電極構造の採用により、はんだフィレットに生じる亀裂の進行を抑え、車載用途に対応した熱衝撃耐性を実現しました。温度変動が激しい環境での動作が要求される機電一体モジュールなどに適しており、長期間での使用に対応します。
空気中には自動車の排気ガスや温泉の硫黄ガスなど、さまざまな形で硫黄成分が存在しています。チップ抵抗器が硫黄成分にさらされると電極の硫化を引き起こし、抵抗値が変動する可能性があります。近年、車載や産業機器の各種制御回路の長期信頼性や安全性を高めるために、耐硫化への要求が高まっています。今回、硫化耐性に優れる電極材料の選定と当社独自工法の採用により、高い耐硫化性能を有する抵抗器を実現、制御回路の高信頼性化に貢献します。また、硫化耐性が要求される産業ロボットにも適しています。
シリーズ名 | ERA2Vシリーズ | ERA3Vシリーズ | ERA6Vシリーズ |
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チップサイズ[ミリ] チップサイズ[インチ] | 1005 0402 | 1608 0603 | 2012 0805 |
定格電力[W] | 0.063 | 0.1 | 0.125 |
素子最高電圧[V] | 25 | 75 | 100 |
抵抗値範囲[Ω] | 47~100k | 47~330k | 47~1M |
抵抗値許容差[%] | ±0.05、±0.1 | ||
抵抗温度係数(T.C.R.) [×10-6/℃] | ±5、±10、±15、±25 | ||
カテゴリ温度範囲[℃] | -55~155 |
以上
記事の内容は発表時のものです。
商品の販売終了や、組織の変更等により、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。