国際基準PCI PTS^※1のセキュリティ要件SRED^※2に対応したPOS接続型マルチ決済端末を発売

【開発の背景】

近年、欧米諸国を中心に、POSシステムの脆弱性をついたマルウェア（悪意のあるソフトウェア）による攻撃による被害が数多く生じています。国内においてもセキュリティ対策が不十分な加盟店を狙った不正アクセスによるカード情報の漏えいや、搾取したカード情報による不正使用による被害が拡大しています（2015年には120億円と、3年間で約1.8倍）^※7。また、訪日外国人からは、日本のクレジット決済の現状に対し、セキュリティの高いICカード対応決済環境の整備に対する要望が挙がっています^※8。

このような中、2016年12月9日に、「割賦販売法の一部を改正する法律」が公布されました。販売業者に対し、クレジットカード番号等の適切な管理及び不正利用の防止（クレジット決済端末のIC化等）を義務付けるなど、安全・安心なクレジット利用環境の整備に向け、所要の措置が2018年にも講じられることになっています。

こうした背景を踏まえ、当社は、PCI SSC^※3が定めるセキュリティ要件SRED^※2対応したPOS接続型マルチ決済端末を発売します。

【主な特長】

1. PCI SSC^※3が定める国際基準PCI PTS^※1のセキュリティ要件SRED^※2に対応

本製品は、PCI SSC^※3が定める国際基準PCI PTS^※1のセキュリティ要件SRED^※2に対応した端末であるため、カード情報を読み取ってから決済情報処理センターに届くまで、カード情報を一気通貫で暗号化された状態で処理できるPCI P2PE^※4ソリューションの導入が可能になります。

これにより、加盟店はカード情報をPOS端末上に残すことなく、決済ネットワークへ送信することで、情報漏えいリスクの極小化が図れます。さらに、データセキュリティの国際基準であるPCI DSS^※5の準拠を目指すPOS加盟店においては、認定済PCI P2PE^※4ソリューションを導入することで、通常約300項目のPCI DSS^※5審査要件を最小で10分の1程度にまで縮小することができます。

本製品は、PCI P2PE^※4で求められる高度なセキュリティ要件に対応した専用の設備、運用を導入した国内（佐賀）工場にて生産、出荷を行います。さらに、佐賀工場では、PCI P2PE^※4の暗号鍵をインジェクションする設備を備え、鍵管理及び鍵インジェクションサービスにも対応^※9します。

2. 国際ブランド決済、国内電子マネー、Apple Pay等様々な支払い手段^※6に対応

本製品は、日本在住の方にも、訪日外国人の方にもストレスなくご利用頂ける決済端末として、国内電子マネー、国内Apple Payに加え、国際ブランド決済（磁気ストライプ、接触IC、非接触IC）、銀聯（磁気ストライプ、接触IC）等、1台で様々な支払い手段に対応します。

3. カード利用者によるセルフ操作に対応

本製品は、クレジットカード決済における磁気ストライプ、接触IC、非接触IC決済に対し、同時待ち受けに対応しているので、カード利用者が自ら決済手段を選択することができます。
また、コンパクトサイズでありながら、磁気カードリーダーをスキャンさせるためのカード滑走距離を長くし、誘導ランプにより接触ICカード挿入口を認識しやすくすることで、利用者ご自身での操作を可能とし、「セルフ操作決済」を検討されているPOS加盟店の運用にも配慮しました。

4. 高い設置性の一体型コンパクトモデル

磁気ストライプ、接触IC、非接触ICカードリーダー/ライター機能を一体化したコンパクトモデルなので、レジ周りの省スペース化に貢献します。また、ACケーブル給電に加え、POS端末とUSBケーブル1本で接続して給電可能なUSB給電にも対応しており（POS側の給電仕様の条件有り）、簡単設置を可能としています。さらに、盗難対策として、端末背面のビス止めや、盗難防止ケーブル取り付けが可能な機構を設けています。

なお、今後、磁気ストライプ、接触IC、非接触ICカードリーダーライターユニットそれぞれを分離し、POS端末などへの柔軟な組み込みに対応したセパレートモデル「JT-R610シリーズ」の発売も予定しています。

• ※1 PCI SSCによって定められたPIN（暗証番号）を入力する装置に関するセキュリティ基準
• ※2 SRED（Secure Reading and Exchange of Data）と呼ばれる、カード会員情報を読み取った直後にそのデータを暗号化してセキュアに転送するなどといったPCI PTSのセキュリティ要件
• ※3 PCI Security Standards Councilの略。2006年に、American Express、Discover Financial Services、JCB International、MasterCard、Visa Inc. によって設立されたアメリカ合衆国デラウェア州で公認された有限責任会社（LLC）
• ※4 PCI SSCによって定められたポイント・ツー・ポイント（2地点間）の暗号化に関するセキュリティ規格
• ※5 PCI SSCによって定められたカード会員データを取り扱う事業者向けのセキュリティ基準
• ※6 Apple Pay等のスマートデバイスによる決済は、FeliCaを採用した国内の各種電子マネーおよびポストペイサービス、国際ブランド非接触IC決済サービスの方式に準拠したスマートデバイスによる決済を対象
• ※7 出典：2016年12月、一般社団法人日本クレジット協会「クレジットカード不正使用被害の発生状況」
• ※8 出典：2014年12月、日本クレジット協会「観光立国実現に向けたクレジットカード業界としての取り組み」
• ※9 鍵インジェクション後に出荷する際、品番の一部を変更します。

• * オープン価格の商品は希望小売価格を定めていません。
• * Apple PayはApple Inc.の商標です。

【仕様】

【オプション】