業界初^（※1）2000時間保証の「巻回形 電気二重層コンデンサ」を製品化

【特長の詳細説明】

1.業界初 2000時間保証で長期間交換せずに使用できる長寿命化を実現

産業機器のバックアップ電源用の電気二重層コンデンサには、長期間使用が求められています。また、自動車の緊急ブレーキ、ドアロック解除システムなどのバックアップ電源用では、長期間使用に加えて電源回路の小型軽量化の要求があります。当社では、独自の電解液を開発することで静電容量の減少や内部抵抗の増大などの特性の劣化が少なく、巻回形で業界初の2000時間保証を達成、長寿命化を実現しています。電源回路の初期設計時に必要となるコンデンサの員数を少なく設計することが可能です。

2.内部抵抗の低減により瞬間的に大容量の電流を放出することが可能

産業機器のバックアップ用途では、瞬間的に大容量の電流を放出する必要があります。従来のコンデンサは、電解液の電導度が高いため、内部抵抗が高く流せる電流が小さく、大電流での急速放電が難しいという課題がありました。本製品は、独自の電解液の開発により、電導度の向上を図り、非アセトニトリル（AN）系[4]でありながらアセトニトリル（AN）系同等以上に内部抵抗を低減、流せる電流が大きくなり産業・車載用途に求められる急速充放電に対応します。

3.-40℃の低温保証を実現、環境の厳しい屋外設置や自動車用途に対応

産業機器は厳しい温度環境下での使用が増えつつあり、特にスマートメーターは寒冷地での屋外設置が想定され、バックアップ電源用コンデンサにも低温対応が要求されています。一般に低温下では電解液の電導度が低下し、内部抵抗が増大するなど特性の劣化が生じるため、当社の巻回形の電気二重層コンデンサは、低温保証は-25℃が限界でした。本製品は、独自の電解液の開発により、-40℃保証を実現、米国のANSI規格[5]に対応できます。スマートメーターなどの屋外設置機器や寒冷地での自動車用途に適しています。

【基本仕様】

【用語説明】

[1]電気二重層コンデンサ（Electric double layer capacitor）

電気二重層コンデンサ（EDLC）は、固体（電極）と液体（電解液）の界面に形成される電気二重層を利用したキャパシタである。電極材料として活性炭を使用しているため、表面積が非常に大きくなり、アルミ電解コンデンサやタンタル電解コンデンサと比較すると容量がとても大きいコンデンサ（キャパシタ）である。

[2]巻回形

活性炭の塗布された2枚のアルミニウム箔の間にセパレータを挟み込み巻いた構造。

[3]内部抵抗（Equivalent Series Resistance）

内部抵抗（ESR）とは等価直列抵抗のことで、コンデンサが持つ等価回路上の抵抗成分。この値が低いコンデンサほど、バックアップ時の高出力（急速充放電）性能が高くなる。

[4]アセトニトリル系（AN系）

アセトニトリル系電解液は電解液の揮発温度が低いために使用環境温度が限られることと、引火点が10℃程度と非常に低く、発火の際にも有毒なシアンガスを発生する恐れがあることから、使用する際は製品設計において安全性への配慮が必要となる。反面、内部抵抗が低いという優れた性質を持っている。

[5]ANSI規格

米国国家規格協会（American National Standards Institute）。アメリカ国内における標準化組織が定める工業分野の規格。