パナソニック株式会社は、次世代ブルーレイディスク規格(ULTRA HD BLU-RAY™)で採用が予定されている※2、4KやHigh Dynamic Rangeなどの最新技術に対応したブルーレイディスク再生技術を世界で初めて※1開発し、試作プレーヤーを1月6日から9日まで、米ネバダ州ラスベガス市で開催される世界最大の家電見本市「2015 International CES」に参考出展します。
本開発品は、当社が長年の技術開発で培った、映像処理技術や光ディスクドライブ技術を結集することにより、4K(3,840×2,160画素)/60p[1]/10ビット[2]の高精細映像表示に対応するとともに、輝度ピークを従来の100ニト※3から1,000~10,000ニトまで大幅に拡大することで表現力を高めるHigh Dynamic Range[3]、色の再現性を大幅に高める広色域規格BT.2020[4]、高効率動画圧縮技術HEVC(H.265)/100Mbps[5]の高ビットレートによるブルーレイディスク再生などの最新技術に対応します。
これにより、従来のブルーレイディスクプレーヤーから、解像度のみならず、色、明るさ、階調など総合的に表示能力を高め、民生用機器ではこれまで実現できなかった精細感と立体感に溢れた高品位な映像表示が可能になります。
2002年にブルーレイディスク規格が公表されて以来、当社は一貫して規格化を主導するとともに、2004年には世界初の片面2層記録50GBブルーレイディスクレコーダー、2006年には世界初のBD-Video再生対応レコーダーを発売、2008年にはフルHD 3D映像を収録したブルーレイディスクの再生技術を世界で初めて開発するなど、ブルーレイ関連の機器開発においても常に業界をけん引してまいりました。
当社は、今後もお客様に感動や驚きを提供する製品づくりを目指し、研究開発を一層強化するとともに、このたび設立された「UHD Alliance※4」にも参画し、4K産業全体の進展に寄与してまいります。
- ※1:4K(Ultra HD)/High Dynamic Rangeなど次世代ブルーレイディスク規格「ULTRA HD BLU-RAY™」で採用予定の最新技術に対応したブルーレイディスクプレーヤーとして、2015年1月6日現在、当社調べ。
- ※2:次世代ブルーレイディスク規格は現在、Blu-ray Disc Associationで策定中であり、決定されたものではありません。採用される技術は、今後変更される可能性があります。
- ※3:1平方メートルあたりの明るさ(cd/m²)
- ※4:テレビメーカー、ハリウッドスタジオ、コンテンツ配信会社、技術会社などで構成され、デバイスからコンテンツまで、プレミアムなUHDプラットフォームの構築に向けた統一基準の策定を目指す
【技術説明】
- [1] 4K/60p
- フルハイビジョンの4倍の解像度を有する4K(3,840x2,160画素:ウルトラHD)映像を、1秒間に60コマで高速表示し、緻密で動きが滑らかな映像を実現します。
- [2] 10ビット階調
- 従来のブルーレイディスクは、色差信号(Y、Cb、Cr)を各8ビット階調(256段階)で表現していましたが、これを各10ビット階調(1,024段階)まで拡張することで、より微小な信号まで忠実に再現し、質感豊かな映像を実現します。
- [3] High Dynamic Range
- 輝度ピークを従来の100ニトから1,000~10,000ニトまで大幅に拡大することで、映像のダイナミックレンジ※を飛躍的に向上させる技術。これまで表現が難しかった明るい光源(ライトや太陽光など)や反射光(金属表面や水面の輝きなど)まで、質感豊かに表現できます。
※映像信号(RGB)の最大値と最小値の比率。 - [4] BT.2020広色域
- 4K/8K放送に向けて策定されたITU-R BT.2020の広色域信号に対応。従来のブルーレイディスク(BT.709準拠)では表現できなかった、豊かで鮮やかな色彩表現が可能になります。
- [5] HEVC(H.265)/100Mbps
- 最新の高効率動画圧縮技術HEVC(H.265)による最大100Mbpsの映像信号に対応。従来のブルーレイディスク(MPEG-4・AVC(H.264)、最大40Mbps)を大幅に超える圧縮効率と高ビットレートにより、4k/60p/10bit、High Dynamic Range、BT.2020などによる高品位な映像を余すところなく再現します。
▲解像度/明るさ(ダイナミックレンジ)/色再現性の向上で、 高次元の映像表示を実現 | ▲High Dynamic Range効果例 |