富士通株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本 正已、以下、富士通)、パナソニック株式会社(本社:大阪府門真市、代表取締役社長:津賀 一宏、以下、パナソニック)および株式会社日本政策投資銀行(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:橋本 徹、以下、DBJ)は、富士通とパナソニックが共同出資で設立することを協議しているシステムLSIの設計・開発などを手掛けるファブレス形態の統合新会社(以下、新会社)へDBJが出資並びに融資すること等について基本合意しましたのでお知らせいたします。
日本のシステムLSI産業のグローバルな発展を目指し、富士通とパナソニックは新たなビジネスモデルの新会社設立の協議を進めています(*1)。富士通は100%子会社である富士通セミコンダクター株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:岡田 晴基、以下、富士通セミコンダクター)が営むシステムLSI事業および関連知的財産を、またパナソニックは自らが営むシステムLSI事業および関連知的財産を新会社へ拠出して事業統合し、その対価としてそれぞれ新会社の株式を得ることを検討しています。今般、新会社設立に係る諸契約締結を前提として、DBJが新会社に最大200億円を出資し、また併せて最大100億円の融資枠を設定することで合意しました。この結果、事業統合時に、富士通、パナソニック、DBJの新会社に対する議決権比率はそれぞれ40%、20%、40%となることが見込まれており、新会社は独立した企業として事業運営されることになります。今後、詳細条件について合意した上で、2014年度第1四半期末を目処に最終契約を締結する予定です。その後、各国における競争法等の必要な手続きを経て、新会社は2014年度第3四半期での統合完了と事業開始を予定しています。なおこの際に、2013年12月4日に成立した産業競争力強化法に基づく、事業の再編に関する計画を提出する予定です。
新会社の株主となることが見込まれる富士通、パナソニックおよびDBJの3社は、新会社のCEOとして西口泰夫氏を迎えることで合意しました。同氏はMOT(Management of Technology:技術経営)に明るく、京セラ株式会社(以下、京セラ)の代表取締役社長を務めるなど、エレクトロニクス業界の様々な事業分野で豊富なマネジメント経験を持っています。京セラを退任後、現在は複数の会社で社外取締役を務めるほか、コンサルティング・講演等を通じエレクトロニクス業界にとどまらない活躍で様々な産業の発展に貢献しています。3社は、西口氏の知見に裏付けられたリーダーシップの下で、新会社がファブレス半導体企業として商品企画・マーケティングおよび開発に経営資源を集中し、グローバルに成長していくことを期待しています。
これまで富士通セミコンダクターとパナソニックの2社は、映像・イメージング分野およびネットワーク分野でグローバル・トップクラスの技術、人材、知的財産、顧客基盤等の経営資源を活かし、優れたシステムLSI商品および関連ソリューションを提供してきました。新会社では数年後の新規株式公開(IPO)を目指し、両社の優れた経営資源を利益の出る形で集約し、ファブレスへの事業形態転換、事業に最適な経営体制の構築、外部資源を活用したオープンイノベーションの活用、両社資源のシナジーの発揮を図ります。また従来の顧客に加えて、今後成長が期待できる光ネットワークやクラウドコンピューティング、ビッグデータといった先端テクノロジー分野に重点的に取り組み、また医療分野、エネルギー分野などにも力を入れていきます。新会社は重点分野において新たな価値を提供することを通じ、グローバルな企業に成長していくことを企図しています。
一方、DBJは、このような取り組みに対し、「競争力強化ファンド」を活用して新会社に対するリスクマネーの供給を行い、システムLSI分野におけるわが国の競争力強化を後押していきます。
(*1)2013年2月の富士通とパナソニックのプレスリリース「システムLSI事業の統合新会社設立に関する基本合意について」ご参照
富士通:http://pr.fujitsu.com/jp/news/2013/02/7-4.html
パナソニック:http://panasonic.co.jp/ir/relevant/2013/jn130207.pdf
【ご参考】
1) 西口泰夫氏の略歴
1943年 生まれ
1975年 京都セラミック株式会社(現 京セラ株式会社)入社
1999年 京セラ株式会社 代表取締役社長
2005年 京セラ株式会社 代表取締役会長 兼 CEO(2006年4月まで)
2009年 同志社大学ビジネススクール 客員教授
同志社大学技術・企業・国際競争力研究センター(ITEC)シニアフェロー 博士(技術経営)
2) 新会社の概要(*2)
売上高 年間約1,500億円
従業員数 約3,000名
(*2)2013年度見込み、富士通セミコンダクターおよびパナソニックの対象事業の単純合算
3) 今後のスケジュール(予定)
2014年度第1四半期末 新会社設立に係る最終契約締結
2014年度第3四半期 事業統合および新会社設立
新会社に対するDBJの出資払込みおよび融資枠設定