パナソニック株式会社は、欧州の大手ボイラーメーカー、フィスマングループ(本社:ドイツ・アレンドルフ、CEO:DR. Martin Viessmann、以下、フィスマン)と、欧州市場向けの家庭用燃料電池コージェネレーションシステム(以下、燃料電池システム)を共同開発し※2、フィスマンの販路を活用して2014年4月よりドイツでの販売を開始します。本製品は、家庭用の固体高分子形燃料電池(PEFC)システムとして初めて※1、欧州で一般向けに販売されます。
欧州市場は、暖房への温水利用や、高い環境意識からコージェネレーションへの需要拡大が見込まれます。当社は、2009年より日本国内で燃料電池システム事業を展開してきましたが、欧州での早期導入に向け、2011年からフィスマンと共同で、現地の使用環境に適した製品の研究開発を進めてきました。
本製品は、3万台以上の生産実績を持つ当社と、フィスマンの蓄熱機器技術を融合し、総合効率90%(LHV※3)の高いエネルギー効率と優れた耐久性を実現しました。
当社は燃料電池ユニットの開発と製造を担当します。フィスマンは貯湯タンク・バックアップボイラーユニットの開発と製造を行うとともに、本製品の最終組み立てを担当します。
当社は、2013年度より出荷を開始、2014年4月にドイツHガス地域※4から販売を始めます。2015年度以降、ドイツLガス地域※5、イギリス、フランスをはじめとするドイツ周辺国への販売拡大を図り、将来的には欧州全域での展開を目指します。
■本製品の主な特長
1、発電時に出る熱を効率的に回収して暖房に利用し、総合効率90%(LHV※3)を実現
発電効率37%(LHV※3)、熱回収効率53%(同)で、総合効率90%(同)を実現しています。
2、地下室、ユーティリティールーム等の屋内設置に適したシンプル構成
「燃料電池ユニット」と「貯湯タンク・バックアップボイラーユニット」とのシンプルな構成のため、ドイツで一般的な地下室、ユーティリティールーム等の屋内での設置に適しています。
3、モバイル端末から、機器の操作や、発電情報・メンテナンス情報などの確認が可能
専用のアプリケーションにより、スマートフォンやタブレット等のモバイル端末で、機器の操作や、発電状況・メンテナンス情報などの確認も可能です。
- ※1:2013年9月9日現在。固体高分子形の家庭用燃料電池システムとして。(パナソニック調べ)
- ※2:開発にあたっては、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託業務の結果得られた成果を一部活用しています。
- ※3:低位発熱量基準(Lower Heating Value)。燃料ガスを完全に燃焼したときの発熱量から水蒸気の凝縮潜熱を差し引いた値。
- ※4:ハイカロリーガスを利用する地域。
- ※5:ローカロリーガスを利用する地域。
本製品の概要
<写真>
左:貯湯タンク・バックアップボイラーユニット、右:燃料電池ユニット
<燃料電池ユニットの主な仕様>
【発電出力】 | 750W(定格一定制御) |
【熱出力】 | 1000W |
【電気接続】 | AC230V−50Hz |
【発電効率】 | 37%(LHV) |
【熱回収効率】 | 53%(LHV) |
【総合効率】 | 90%(LHV) |
【耐久性】 | 発電60,000時間(10年)、起動停止4,000回 |
【寸法】 | H1670mmxW480mmxD475mm |
【重量】 | 125 kg |
<貯湯タンク・バックアップボイラーユニットの主な仕様>
【ボイラー出力】 | 19 kW |
【寸法】 | H1950mmxW600mmxD600mm |
【重量】 | 170 kg |