パナソニック株式会社は、2018年の創業100周年に向けたビジョンとして、環境貢献と事業成長を両立する「環境革新企業」の実現を目指しています。エネルギーマネジメントシステムをはじめ、パナソニックならではのソリューションを提供し、人のくらしを起点とした新しい街づくりとサービスを実現する「Fujisawaサスティナブル・スマートタウン(以下、Fujisawa SST)」について本年8月に土地区画整理事業の認可を取得し、9月よりインフラ造成に着工しました。
Fujisawa SSTでは、街全体に広がるサスティナブルでスマートなサービスを提供し、世界に先駆けた環境目標や安心・安全目標を実現するため、このたび、事業主体である当社ならびにパートナー企業各社の出資により、タウンマネジメント会社「Fujisawa タウンマネジメントカンパニー」(仮称)を2013年3月に設立することを決定しました。
タウンマネジメント会社は、8つのスマートサービス(「エネルギー」、「セキュリティ」、「モビリティ」、「コミュニティ」、「ヘルスケア」、「クラブサービス」、「ファイナンス」、「アセットマネジメント」)をワンストップで提供し、サービス事業者・地域住民・施設事業者・自治体との連携による全体の運営を推進するだけでなく、新たなくらしの価値を生み出すコミュニティの醸成を支援していきます。さらには、産官学連携や住民の声を生かした新たなサービスのインキュベーションにより、進化し続ける街の運営を事業化します。
なお、タウンマネジメント会社への出資企業、およびそれに伴う出資比率等の詳細については、今後決定します。
当社は、藤沢市とスマートシティ・プロジェクトで先進的な取り組みを進めるパートナー企業である、アクセンチュア株式会社、オリックス株式会社、株式会社日本設計、東京ガス株式会社、パナホーム株式会社、三井住友信託銀行株式会社、三井不動産株式会社、三井不動産レジデンシャル株式会社、三井物産株式会社(五十音順)に、新たに株式会社電通、東日本電信電話株式会社を加えた11社と、2014年春の街びらきに向け、住民、企業、自治体が一体となったスマートタウンの実現を目指します。昨年5月の本構想発表以降世界から注目を浴びている、Fujisawa SSTの事業モデルを、国内外で積極的に展開していきます。
- Fujisawa SSTプロジェクトの事業概要 -
■最先端のサスティナブル&スマート・サービス
1.自立共生型のエネルギーマネジメントタウン
Fujisawa SSTでは、全ての戸建住宅で太陽電池と蓄電池を備えます。一軒一軒の家がエネルギーの「自産自消」を促進し、家という“個”から、建物間の“群”、街全体の“面”へと価値を広げます。具体的には、約19ha(約6万坪)ある街全体の住宅と公共用地に太陽電池を設置し、自然再生エネルギーを街全体で最大限に有効活用します。これは個別分散型としては街全体で世界最大規模*1の「約3メガワットの太陽電池と約3メガワットの蓄電池」*2を集中導入することを計画しています。
2.バーチャル・ゲーテッドタウン
街の出入口、公共の建物、公園の影、大通りの交差点などに見守りカメラやセンサー付きLED街路灯のセキュリティ連携システムを国内で初めて*1タウン全域に大規模導入します。24時間365日、見えないゲートで街を見守り、これまで以上に安心、安全のタウンセキュリティを確保します。また、停電などの非常時も必要な本数の街路灯が灯ります。
3.トータル・エコモビリティ・サービス
電気自動車はもちろん、EVバイク、電動アシスト自転車まで含めたシェアリングサービス、宅配レンタカー、充電バッテリーをレンタルする「バッテリーステーション」の設置など、人と車の関係を、もっと自由で、快適なものにしていきます。また、EVバイク等を軸としたバッテリーシェアリングの国内初*1の実用化を行います。
- *12012年10月1日時点(当社調べ)
- *2戸建・集合マンション・施設・公共において、個別分散型の太陽電池と蓄電池を導入予定
■世界に先駆けた 環境X安心・安全目標
Fujisawa SSTでは、街づくりの道しるべとなり、方向性を共有するための数値目標、およびそれを実現するためのガイドラインを設定しました。
■各パートナー企業の主な取組み方針(五十音順)
−Fujisawa SSTのポータル・プラットフォームの設計支援
−スマートコミュニティの政策連携と広域展開の事業化調査支援
株式会社電通
−コミュニティサービス開発への協力・支援
−エネルギーサービス開発への協力・支援
−ヘルスケアサービス開発への協力・支援
−タウンマネジメント・サービス事業への協力・支援
−タウンマネジメント会社への出資、人材協力を含めた参画検討
−現地の拠点を活用した各種イベントの企画や協賛の仕組み
−タウンマネジメント会社への出資参画予定
・戸建住宅、集合住宅への導入を推進、省エネ・省CO2を実現
・HEMS、太陽光発電、蓄電池と連携し、エネルギーの見える化、停電時の自立発電など付加価値向上を推進
・発電と発生する熱の有効利用による省エネ・省CO2、および災害時の自立性向上を実現
・一層の低炭素化と災害に強い街づくりに向け、複数街区のエネルギー融通を検討
−土地区画整理事業などに関する基盤整備
−宅地・住宅分譲への参画
−街づくり計画・設計・開発ルールの策定
−街の維持管理を目的にしたサービス事業であるタウンマネジメント会社への参画検討
−CO2±0住宅の技術基準の策定
東日本電信電話株式会社
−タウン内サービスの基盤となる通信プラットフォームの提供
−スマートコミュニティの基盤となる全戸ネットワーク化の検討
−コミュニティスペースへの屋外型Wifiアンテナ導入
(情報ステーションとして、平時は一定時間無料利用、緊急時は無料開放)
−タウン内のコミュニティプラットフォームの提供
−居住者と、タウン及び周辺の情報配信者を結びつける「コミュニティプラットフォーム」の検討
(知りたい情報の簡単・タイムリーな利用)
三井住友信託銀行株式会社
−Fujisawaスマートポイント・タウンカードの仕組み検討
−Fujisawa SST専用の環境配慮型住宅ローンの商品企画
−スマートタウン評価指標(環境不動産価値)の設計
−リース・ファイナンススキームの提供
−タウンマネジメント会社への参画
三井不動産グループ(三井不動産株式会社、三井不動産レジデンシャル株式会社)
−土地区画整理事業等に関する基盤整備
−住宅分譲事業への参画
−街づくり計画・設計・開発ルールの策定
−街の維持管理を目的にしたサービス事業であるタウンマネジメント会社への参画検討
−CO2±0住宅の技術基準策定への協力
三井物産株式会社
−不動産分譲事業
−先進的な街区形成を中心に集合住宅・戸建て住宅開発の参画検討
−タウンマネジメント会社への参画
−タウンマネジメント会社への出資参画および街、各住戸へ提供されるサービス事業の検討
(ヘルスケア、スマート・コミュニティーソーラーを含む)