パナソニック株式会社は、より高品位な臨場感を実現するため、3D技術を応用した、「インタラクティブ多視点3Dシステム」と、「世界最大※103型裸眼3D表示プラズマディスプレイ」を開発しました。当社は、3Dビジネスに新たなソリューションを実現するものとして、両システムをBtoB分野に提案してまいります。またIFA2012(2012年8月31日〜9月5日、ベルリン)の当社ブースで展示をします。
映像技術は、視覚機能を拡大したいという人間の欲求に応えるべく、白黒からカラーへ、標準画質からハイビジョンへ、アナログからデジタル技術へと、放送技術の開発を核に進化しました。そして現在当社は、リアリティと感動を伝える次なる高臨場感映像として「3D映像」「高精細映像」の技術開発に取組んでいます。
このたび、IFA2012で展示する3D関連技術は以下の2点です。
1.インタラクティブ多視点3Dシステム
対象物を立体視できるだけでなく、専用タッチパネルの操作で対象物を動かすことができます。これにより視聴者の見たいアングル、大きさを選んで、歪のない正確な立体視聴ができる、3D映像が持つ高品位な表現能力を生かしたシステムです。
2.世界最大※103型裸眼3D表示プラズマディスプレイ
専用メガネ不要の3Dシステムでありながら、従来の裸眼3Dシステムで課題とされていた干渉縞(モアレ)や2重像(クロストーク)が少ない高画質3D映像を実現しています。
どちらも様々な業種業態における3D表示システムとして、応用展開が期待できます。
当社は、2008年9月に世界初のプラズマテレビとブルーレイディスクを用いた家庭用3Dシアターシステムを提案しました。2009年2月には、ハリウッドの3D映画をブルーレイディスクにオーサリング収録する「パナソニック ハリウッド研究所アドバンスドオーサリングセンター」を設立。さらに2010年には、3D対応のテレビ、ブルーレイディスクプレーヤーそして、3Dカメラレコーダーを次々と商品化し、新規市場の創造に貢献してきました。本年のロンドンオリンピックでは当社の技術サポートにより、オリンピック初の3D放送を実現し、多数の人々がオリンピック会場の感動を共有しました。当社は常に3D技術を進化させ、新たな価値を創造し業界を牽引しています。
一方、高臨場感映像を実現する高精細ディスプレイについては、当社は本年、超高精細ディスプレイデバイスとして、フルハイビジョンの16倍の解像度を持つ次世代のテレビジョン放送サービス・スーパーハイビジョン(SHV)用の145型プラズマディスプレイパネル(画素数:横7,680×縦4,320) を日本放送協会と共同開発しました。また世界最小※で、従来のフルハイビジョンの4倍の解像度をもつ20型4K2K(画素数:横3,840×縦2,160) IPSα液晶パネルを開発しました。(※2012年8月29日現在、当社調べ)
当社は、高品位で臨場感のある映像を皆様にお届けするため、今後も、より高性能・高画質な3D映像処理技術と高精細表示ディスプレイの開発に取組んでまいります。
<新開発システムの概要>
1.インタラクティブ多視点3Dシステム
- 3D映像の特徴を最大限活用し、物体の質感を豊かに表現
- 多視点で撮影した対象物を専用タッチパネルの操作により、操作者の見たいアングル・大きさで、フルHD 3D表示。
- 拡大率に関わらず、正確な形状・奥行の立体映像を表示
- 高精細な画像を高速に表示することができる表示システム
- 正確な色再現と、物の質感を表現できるアクティブシャッター方式3Dモニタ
- 美術館・博物館が所有する所蔵品のアーカイブ、バーチャル博物館
- 高級オークションや、高額なネットショッピングでの物販カタログ
- 人間の体内の画像を利用した医療教育システム
2.世界最大103型裸眼3D表示プラズマディスプレイ
- 迫力のある3D映像を表示する世界最大103型裸眼3Dプラズマディスプレイ
- 従来の視差バリア方式裸眼3Dと比較して、高精細・高品位な3D映像を表示
- 4k2kプラズマパネルの採用により、HD相当の解像度を持つ高精細3D映像
- 独自開発のバリアにより、干渉縞や2重像を従来の裸眼3Dシステムの約1/2に低減
- メガネ式3Dの運用が困難な場所におけるデジタル・サイネージ
- 自動車、インテリアなどのショウルームにおける高臨場感3D表示システム
【補足説明】
- 干渉縞(モアレ):規則正しい模様を複数回重ね合わせた時、それらがお互いに干渉することにより、周期的に発生する縞模様のこと。
- 視差バリア方式:表示パネルの前にバリア(遮光板)を配置し、これにより、左目にしか見えない映像と右目しか見えない映像に分離することで、映像が立体的に見える方式。
以上