パナソニック株式会社 エコソリューションズ社は、有機EL照明器具29台とLED照明器具約1,174台に加え、照明制御・調光システム、電力量検針システムなどを、東京急行電鉄株式会社 東横線・大井町線「自由が丘駅」に納入。工事が完了したことを記念し、2012年3月30日11時より自由が丘駅にて点灯式が実施されました。
これは、環境省が推進するチャレンジ25地域づくり事業(※1)の「大規模駅周辺等の低炭素化〜街の中心からCO2を25%カットして周辺へも波及〜」において、東京急行電鉄株式会社が提案し、採択された「スマートモデル自由が丘駅 あかりプロジェクト」に、当社の照明器具などが採用されたものです。このプロジェクトは、人が多く集まる鉄道の駅を中心とした、適切なエネルギーマネジメントにより、省エネの推進およびCO2排出量削減を目指すもの。この取り組みにより、駅全体で使用している電力量を約25%(照明のみで比較すると約40%(※2))削減でき、年間約131トン(※3)のCO2削減を目指しています。
有機EL照明器具は8種類合計29台、正面口改札窓口(シースルー改札口)に19台(有機EL照明モジュールを合計184個使用)と定期券うりばに10台(有機EL照明モジュールを合計92個使用)設置。駅施設の一般照明としての有機EL照明器具の実用的設置は日本で初めて(※4)となります。LED照明器具はホームに494台、コンコースに238台、駅務室、旅客トイレに290台、旅行センター構内売店に152台設置されています。ホームや階段には明るさ感を向上させたLED照明器具を設置。さらに鉄道の駅では導入実績の少ない照明制御・調光システムを導入、コンコースでは時間帯によって色温度を変化させ、省エネと快適性を両立しています。また照度センサ(47台)、人感センサ(168台)(センサ合計215台)なども組み合わせてLED照明器具を制御することで、さらなる省エネに貢献します。
今後、これらの制御システムをチューニングすることで、よりきめ細やかな省エネ実現を図られる予定です。
定期券うりばの有機EL照明 | 空間の明るさ感を向上させたホーム用LED照明 |
- ※1温室効果ガスを25%削減するのに効果的・先進的な対策の中で、技術的には確立されているものの、十分な効果検証がなされていない先進的対策について、事業性・採算性・波及性等の検証を行い、全国に展開させていくことを目的として環境省が推進している政策
- ※2現時点での実測値
- ※3年間CO2 排出量は電力量にCO2 排出量の換算係数(0.324kg-CO2/kWh)を乗じて算出
<東京電力株式会社CO2排出原単位 (2009)より> - ※4日本国内の駅施設の一般照明としての有機EL照明器具の実用的設置において 2012年3月30日現在 当社調べ
【お問い合わせ先】
- お客様ご相談センター
- フリーダイヤル 0120-878-365(受付9時〜20時)
- LED照明エバーレッズシリーズサイトURL:http://www2.panasonic.biz/es/everleds/
- 東京急行電鉄株式会社サイト http://www.tokyu.co.jp/
【当社納入製品】
1. 有機EL照明器具
初の実用的設置に先立ち、有機ELの特長である薄さを生かし、かつ長期使用に耐えうる器具を設計検討し、8種類合計29台納入しました。
今回使用した有機EL照明モジュールは、演色性(Ra90以上)と高輝度(3000cd/m2)で、紫外線や赤外線を含まない新しい照明用光源デバイスです。厚さ約9mm、最大枠幅約11mmで機器に組み込みやすい薄型・狭枠で、薄型照明器具を実現しています。
シースルー改札口 | 5種類 合計19台設置(有機EL照明モジュール合計 184個) |
定期券うりば | 3種類 合計10台設置(有機EL照明モジュール合計 92個) |
2. LED照明器具
(1)ホーム照明
最新の高効率ライン型LEDモジュールを採用。空間の明るさ感を数値化した「Feu」を活用した照明設計の効果を活かす専用の特注ライン照明を検討し、納入しました。
東横線ホームLED照明 | 大井町線ホームLED照明 | ホームLED照明 |
一体型LEDベースライト |
(2)コンコース照明
色温度2700Kおよび5700Kの二種類の光源を内蔵し、照明制御システムとの連動により、人間の生体リズム(サーカディアンリズム)に合わせ、時間帯により色温度を可変できる埋込型特注調色LED照明器具を納入しました。
コンコース |
(3)駅務関係・バックヤード
現在運用中施設の改修のため、既存照明の取付位置にそのまま設置が可能なリニューアル対応直管形LEDランプ搭載ベースライトを納入しました。
南口改札口 | 直管形LEDランプ搭載ベースライト |
3. 高機能照明制御システム
LEDの省エネ性をさらに引き上げる高機能照明システムFreeFit Lightと専用の明るさ/人感センサを納入。タイムスケジュール制御と、各種センサ制御を組み合わせ、無駄な電力を省いています。
Freefit Light本体とタッチパネル・センサ類 |
4.多回路電力量モニタ
LED・有機EL照明はもちろん、空調やエレベータなど駅のすべての電力使用量を把握するため、配電盤内に設置された多回路電力量モニタを納入しています。
≪ご参考≫
計画概要
(1)事業名称 | : | チャレンジ25地域づくり事業(スマートモデル自由が丘駅 あかりプロジェクト) 〜明かりを変える 駅が変わる 街が変わる 自由が丘が変える〜 |
(2)委託主 | : | 環境省 |
(3)事業主体 | : | 東京急行電鉄株式会社 |
(4)実証場所 | : | 東京都目黒区自由が丘1-9-8 東横線・大井町線自由が丘駅 |
(5)実証期間 | : | 2011年7月〜2015年3月(約4年間) |
(6)乗降人員 | : | 140,606人/日(2010年度 1日平均) (東横線 91,202人/日、大井町線 49,404人/日) |
(7)自由が丘駅を利用されているお客さまの人員 : 301,981人/日(2010年度1日平均) | ||
(8)施工会社 | : | 東急テクノシステム株式会社 |
(9)完成予定 | : | 2012年3月末 |
(10)照明器具等 | : | パナソニック 株式会社 エコソリューションズ社 |
(11)案内サイン | : | 株式会社 スズオカ |
以上