パナソニック株式会社(本社:大阪府門真市、代表取締役社長:大坪文雄 以下、パナソニック)とテスラモーターズ(本社:米国カリフォルニア州パロアルト市、会長兼CEO:イーロン・マスク 以下、テスラ)は、自動車用リチウムイオン電池の供給契約を締結しました。
今回、供給する自動車用リチウムイオン電池は、テスラの高級EVセダン「モデルS」に搭載されます。
本契約に基づき、パナソニックは、今後4年間でテスラが生産する自動車8万台分以上のリチウムイオン電池を供給します。これにより、テスラは、既に6,000台を超える予約分を含め、2012年に量産体制に入る「モデルS」の生産に十分な電池供給量を確保するとともに、「モデルS」の目標とするコストと利益の実現に目処をつけることができました。
パナソニックとテスラは、次世代電池の開発およびEV市場の拡大を加速するため、これまで複数年に亘り協力関係を築いてきました。2009年に両社は最初の供給契約を交わし、2010年には、協力関係の強化とEV産業の成長を実現するべく、パナソニックがテスラに対し3,000万ドルを出資しました。
パナソニックが供給するリチウムイオン電池は、ニッケル系正極を用いた独自技術により、高エネルギー密度と、業界トップクラスの性能を実現しています。このニッケル系正極の技術をベースに、パナソニックとテスラは共同で次世代電池を開発、EVの要求を満たす性能や寿命の最適化に取り組んできました。「モデルS」に搭載される新しい電池は、テスラロードスターでの1,500万マイル以上の走行実績および数千時間におよぶ電池パック試験により、高性能を実証してきました。
テスラの共同創業者で会長兼CEOのイーロン・マスクは、「世界のリーディング電池メーカーであるパナソニックが、EVの性能や価値を高めるためにテスラをパートナーに選んだことは、我々の技術に対する力強い後押しになる」「『モデルS』のバッテリーパックに、パナソニックの次世代電池が組み入れられることにより、比類なき走行距離と高性能を実現できる。パナソニックと素晴らしいパートナー関係を持つことができて、大変光栄です」とコメントしました。
また、パナソニック(株) エナジー社社長の伊藤正人は、「高容量で走行距離を伸ばすなど、EV用に優れたリチウムイオン電池が開発できた。今後、テスラの『モデルS』への供給をスタートして、サスティナブルモビリティ※1の促進に貢献していきたい」とコメントしました。
テスラは、自社のEV生産に加え、EV用の電池パックとパワートレイン※2をトヨタ自動車やダイムラーなど他の自動車メーカー向けに製造しています。
- ※1:サスティナブルモビリティ:持続可能な社会を目指し環境負荷を最小限に抑えたモビリティ
- ※2:パワートレイン:電池パック、充電器、インバーター、モータなどのEV駆動システム