パナソニック株式会社(以下、パナソニック) と、環境配慮型街づくりやスマートシティ・プロジェクトで先進的な取組みを進める8社(アクセンチュア株式会社、オリックス株式会社、株式会社日本設計、住友信託銀行株式会社、東京ガス株式会社、パナホーム株式会社、三井不動産株式会社、三井物産株式会社/五十音順)は、パナソニックが世界に発信する本格的な街まるごと「Fujisawaサスティナブル・スマートタウン(以下、略称Fujisawa SST)」構想実現に向け、共同で事業検討していきます。また、藤沢市は、環境行動都市のモデルプロジェクトとしてグローバルに発信すべく、地域連携を含むプロジェクトの推進に協力致します。
*「Fujisawa SST」:パナソニックが自社藤沢工場跡地に計画中のスマートタウン・プロジェクト。2010年11月17日、パナソニックと藤沢市は本構想及び基本合意の締結に関して共同発表。
この9社・1市のパートナーシップの下、Fujisawa SSTは、2013年度街びらきを目指し、くらしのエコアイディアを活かしたサービスやエネルギー機器の導入によるスマートタウンならではの新しい街区開発に取組み、開発事業者・メーカ・サービス事業者が一体となって、マスタープラン段階から開発後の運用まで見据えた1,000世帯規模の新しい街づくりを推進します。
パナソニックは、「エネルギー」に「安心・安全」を加えた、パナソニックならではの「家まるごと、施設まるごと、街まるごとのソリューション」を導入し、省エネ機器の普及、創エネ、蓄エネ、エネマネの新提案で、エネルギー利用の先進モデルを創り上げます。具体的には、世界に先駆けて、太陽光発電システムと家庭用蓄電池を大規模に、全ての住宅・施設・公共ゾーン等街区全体に初めから標準装備していく予定です。さらに、このFujisawa SSTの事業モデルを、今後、国内外で積極的に展開していく考えです。
■ パートナー各社の参加表明
パートナー各社は、別添の事業構想具体化に向けた検討を行います。
アクセンチュア株式会社
−スマートタウンの構想策定、及び、サービスモデルの企画・推進
−世界のトレンドを踏まえたスマートタウンのプラットフォーム構築支援
−各国でのスマートシティ/グリッド支援実績を活かした海外展開・マーケティング支援
株式会社日本設計
−新エネルギー機器等の最適導入計画とその空間デザイン
−スマートタウンにふさわしいランドスケープデザインの提案
−スマートタウンを維持し続けるためのガイドライン等の策定
住友信託銀行株式会社
−スマートタウン評価指標(環境不動産価値)の設計
−藤沢SST専用の環境配慮型住宅ローンの商品企画
−住民のエコで快適なくらしを支えるタウンカード・決済、ポイント管理
−リース・ファイナンススキーム(2次電池等)の提供
東京ガス株式会社
−家庭用燃料電池「エネファーム」の最新機器導入
−エネファームを活用したエコで快適なくらしを提案
−スマートエネルギーネットワークの推進
パナホーム株式会社
−土地区画整理事業等開発に関する基盤整備
−宅地・住宅分譲事業への参画
−街づくりの計画・設計・開発ルール策定
−街の維持管理を目的としたサービス事業のスキームづくり
三井不動産株式会社・三井不動産レジデンシャル株式会社
−土地区画整理事業等開発に関する基盤整備
−宅地・住宅分譲事業への参画
−街づくりの計画・設計・開発ルール策定
−街の維持管理を目的としたサービス事業のスキームづくり
三井物産株式会社
−グローバル展開にも応用可能なインフラ整備及び街区・不動産開発
−海外スマートシティのトレンドなども踏まえたエネルギーマネジメントサービス
‐プロジェクトの事業構想‐
■ Fujisawa SSTプロジェクトの背景と目指す姿
世界では、2030年までに3,100兆円とも言われるアジアを中心とした新都市開発需要を見据え、各都市で低炭素社会に向けたスマートシティやエコシティが多数プロジェクト化されています。
現在、多くのプロジェクトが、技術実証やパイロットから着手されておりますが、これから世界で本格展開・普及させていくためには、「消費者に対する新しいくらし・ライフスタイルの提案」や「環境配慮型の街づくりによる住宅価値や経済メリットの促進」が重要となってきます。
さらに、国内では、東日本大震災を受け、改めて、太陽光発電システムと蓄電池をコミュニティ単位で導入した、安心・安全のエネルギー・インフラが着目されつつあります。
そうした背景を踏まえ、本プロジェクトでは、「パナソニックらしい自然の恵みを最大限取り入れた、地産地消型の安心・安全なサスティナブルな街づくり」、並びに、「電力・情報ネットワークが最初から繋がり住民に負荷なく最適制御するスマートな街づくり」を目指し、街の魅力を高めるサービスを提供しています。こうした取り組みにより、街全体でのCO2削減70%(1990年比)を実現していきます。
パナソニックは、国内外で参画するエコシティやスマートシティでの知見を藤沢の地に結集し、「街まるごと」ソリューションを実稼働させて、低炭素なくらしを世界に普及、貢献していきます。
■ Fujisawa SSTプロジェクトの概要
開発・分譲後も街の価値を経年で向上させるため、「人々のくらしと調和した自然環境のあり方」や「地域でのサービスの効率化」を考えた街区設計
−公園配置や幹線道植栽による「緑の軸」や藤沢の風向を考慮した「風の道」の形成
−緑豊かな街の景観に融合する太陽光パネルのデザイン
−蓄電設備の設置スペース設計等、エネルギー機器の全住宅の基本スペック設計
●EV・シェアリング等自動車・車庫と家との新たな関係・空間づくり
−交通部門の低炭素化に向けたカーシェアリングの普及を促進する駐車スペースの設計
(一部に駐車場の無い広い庭の戸建と、10〜20戸単位でのカーシェア用駐車場の設置等)
●スマートタウンとしての新たな環境不動産価値の評価手法の設計
−環境配慮型の街づくりが不動産価値としてマーケットに受け入れられる評価指標設計
パナソニックのまるごとソリューション(「家まるごと」「店舗まるごと」「福祉施設まるごと」「公共まるごと」)を街区全体で最適設計しインフラとして導入した、「電力・情報ネットワークが最初からつながる街」
創・蓄・省エネ機器を独自の連携技術によりコントロール、顧客の使用状況にマッチした最適なエネルギー管理を実現するパナソニックのコントロール機器
●店舗まるごとソリューションの導入
−風/光/熱/水の4領域で創エネ・省エネ・蓄エネ機器を導入し、店舗全体を省エネ制御
(埼玉県桶川市のパナソニックの店舗にて実証中)
他に、高齢者施設向けの福祉施設まるごとソリューション等検討
社会・住民・事業者のニーズを将来にわたって充足させるための街に関わり続けるサービス事業
緊急用の最小限の家庭用蓄電池を各戸に初期導入し、将来の世帯構成や太陽光発電の売電制度の変化に応じて蓄電池容量を増設できる、診断保守・更新サービス
●モビリティサービス
街の低炭素化に貢献する、経済的な郊外戸建型のエコカー/電動自転車シェア・サービス
●セキュリティサービス
照明とセンサと監視カメラを最適制御し、街全体を見守り
−人や車の動線を踏まえた、適切な照明やカメラの配置設計
−(将来的には)不審者や在・不在情報を街で共有する、街まるごとセキュリティ
●ヘルスケアサービス
住民に無理のない健康で快適な日常をサポート
−ご高齢者が快適に暮らせる設備・機器等の提供サービス
−思わず散歩したくなるような環境の実現(施設・街路空間整備等)
−行政機関・医療機関連携サービス
●上記を支援するコミュニティ・プラットフォーム
各種サービスを利用するためのアプリケーションをワンストップで提供するポータル/端末
−SEGと連携したエネルギーの見える化
−自宅のリビングでのプッシュ型情報配信 (タイムセールや予約管理等)
−(将来的には)SEGを核に家の機器をつなげてデータ活用、各種サービスと連携
上記以外に、ファイナンス、アセットマネジメント、クラブサービスを検討
■ Fujisawa SSTプロジェクトの展開スケジュール
2013年度に街びらき、パナソニック創業100周年となる2018年の全世帯入居を目指して、順次開発を実施。今後、約半年かけて、本構想に基づくインフラやスマートハウスの基本設計、導入システム・商材の基本仕様の確定、サービスモデル設計を実施します。
パナソニックは、国内では、藤沢市との協業による周辺地域へ事業展開や、震災復興への街づくりモデルの展開を推進します。さらに海外では、「中国・シンガポール天津エコシティ」(中国名:中新天津生態城)や「デリー・ムンバイ産業大動脈(DMIC)構想」等、当社やパートナー8社がそれぞれ推進するグローバル・プロジェクトと連携しながら、マスタープランやソリューションの提案を推進します。