株式会社朝日新聞社(本社:東京都中央区、社長:秋山 耿太郎)とパナソニック株式会社(大阪府門真市、社長:大坪 文雄)は、朝日新聞社の新聞配送車両をパナソニックが製品やサービス部品の輸送に活用する新たな取り組みを開始します。共同輸送による空回送距離の短縮と、低公害車の活用による環境負荷低減を目指します。本年1月19日より中型トラック1台を試験運行させており、4月19日より正式運行を開始します。
今回の取り組みは、朝日新聞社が座間工場(神奈川県座間市)で印刷する朝刊を、静岡県内の新聞販売店に輸送した後の帰りのトラックで、パナソニックが携帯電話を製造しているパナソニックモバイルコミュニケーションズ株式会社静岡工場(静岡県掛川市)から、神奈川県や東京都の得意先向けの携帯電話修理用サービス部材、修理完成品や、同社事業所への宅配荷物を輸送するというものです。その結果、片道便であった新聞配送車両が往復便(ラウンド便)になります。
朝日新聞社は該当エリアでの新聞輸送に、2001年から中型CNG(圧縮天然ガス:Compressed Natural Gas)トラックを、さらに2007年からはバイオディーゼルトラックを使用しています。これらの低公害車両の帰り便を、パナソニックの物流に活用することで、空車での回送距離を短縮し、輸送効率の向上と環境負荷低減の両立を目指します。バイオディーゼル燃料は、「使用済み食用油」を原料とするリサイクル燃料で、軽油とは混合せずB100燃料(ニート)を使用しています。今回の共同輸送による輸送効率向上と、従来発生していた空回送距離を年17,490km短縮することでCO2を年間で51トン削減し、またCNGトラックとバイオディーゼルトラックを活用することにより、通常のディーゼルトラックと比較し、CO2を年間で20トン削減します。2つの取組みを合わせたCO2の削減効果は年間71トンとなります。
朝日新聞社は、全国の読者へ新聞をいち早く届けるため、これまで長い時間をかけ、定時配送体制を確立してきました。また、低公害車両の導入や、社員食堂から排出される使用済み食用油の燃料化など、環境を重視した物流政策にも積極的に取り組んでいます。その延長として、今回パナソニックと共同で行う荷主主導型のラウンド便は、朝日新聞社として初の試みとなります。
パナソニックは、国際間および日本国内の物流を対象に、2006年度を基準に2010年まで、毎年対前年比でCO2排出量原単位1%以上の削減をグリーンロジスティクス目標と定め、モーダルシフト、低公害車化、共同輸送や往復輸送による輸送効率向上、を推進しています。低公害車を活用した異業種との共同輸送にも積極的に取り組み、環境負荷低減に貢献しています。
今後、双方の各地域特性に合うラウンド化や共同輸送などについてプランを絞り、輸送効率のさらなる向上と環境負荷低減効果の創出に向け検討し、地域社会に貢献してまいります。