パナソニック株式会社
代表取締役社長 大坪 文雄
(コード番号:6752)
(上場取引所:東・大・名)
三洋電機株式会社
代表取締役社長 佐野 精一郎
(コード番号:6764)
(上場取引所:東・大)
パナソニック株式会社(以下、パナソニック)、及び三洋電機株式会社(以下、三洋電機)は、本日開催の両社の取締役会における承認に基づき、資本・業務提携契約を締結いたしました。今後、公開買付けにより、パナソニックによる三洋電機の総株式の完全希薄化後(A種優先株式及びB種優先株式の普通株式への転換後)における議決権の過半数の取得を目指してまいります。将来的には両社の組織再編も視野に入れ、両社は緊密な協業関係を構築していきます。
公開買付けにつきましては、国内外の競争法に基づき必要な手続及び対応を終えた後、可能な限り速やかに実施いたします。なお、国内外の競争法当局における手続には一定の時間がかかることが予想されますので、進捗状況につきましては遅くとも来年2月下旬を目処にお知らせする予定です。
記
1.資本・業務提携の目的
パナソニックは、Panasonicブランドのもと、くらしを輝かせる「アイディア」を創ること、世界中の人々に明日のライフスタイルを提案し、地球の未来と社会の発展に貢献しつづけることへの挑戦を続けています。また、三洋電機は、「私たちは世界のひとびとになくてはならない存在でありたい」という経営理念の下、地球環境と人々の生活に大きく貢献する「環境・エナジー先進メーカー」への変革を目指しています。
一方、世界経済に目を向けると、グローバルな競争の激化に加え、金融危機に端を発する世界的な景気後退局面に入っており、パナソニックと三洋電機は、既存戦略の加速に留まらず、成長性の更なる強化に向けた抜本的なアクションが今こそ必要との課題認識を共有しております。
今回の提携により、両社がこれまで培ってきた技術やモノづくりの力を結集し、グローバル競争力強化に向けたシナジーを追求することで企業価値の最大化を目指し、世界中の人々の生活の質の向上と地球環境の共存に貢献することによって、必ずグローバルで高く評価される企業グループに進化できると確信しております。
2.両社協業による効果
パナソニック及び三洋電機は、本件取引を実施することにより、幅広い事業領域において強固な協業関係を構築できると考えています。現時点で想定している主要なシナジー効果は以下の通りです。
(1)ソーラー事業
ソーラー事業においては、パナソニックの経営プラットフォームを活用することにより、高効率のHIT(結晶系)太陽電池の更なる事業拡大を図ると共に、次世代太陽電池の開発・実用化を加速することで、今後著しい成長が予想されている太陽電池需要に対応してまいります。また、パナソニックグループの国内外販売プラットフォームを活用することで、大幅な増販効果が期待できます。
(2)二次電池事業(モバイルエナジー)
三洋電機は、リチウムイオン二次電池を中心とする二次電池事業において、リーディングカンパニーの地位を確立しています。また、パナソニックも独自のブラックボックス技術を活かし、グローバルで事業を展開しています。本件取引後は、三洋電機の高い生産技術等をパナソニックに導入し、パナソニックからは高容量技術等を提供することで、両社の商品力をより一層強化して参ります。今後の市場急成長が予想されているHEV(ハイブリッド自動車)・EV(電気自動車)用電池でも積極投資を行い、パナソニックグループとして、あらゆる完成車メーカー様との連携強化・拡販が期待できると考えています。
(3)経営体質の強化
三洋電機がパナソニックグループの一員となることで、三洋電機においては資材購買等の全社調達コストの削減やロジスティクス関連コストの削減を見込んでいます。また、「イタコナ」や「コストバスターズ」等のパナソニック独自のコスト削減ノウハウを三洋電機に導入することで、更なる経営体質強化を実現します。
なお、本日の合意を受けて、パナソニック及び三洋電機は『コラボレーション委員会』を発足し、子会社化後の協業成果の早期実現に向けて、経営諸制度・技術開発・調達・ロジスティクス・品質管理・ITインフラなど様々な項目について適用法令の範囲内で検討していきます。また、パナソニックは両社のシナジー発揮に向け、1000億円規模の投資も視野に入れ、検討を加速して参ります。
3.公開買付けの実施
パナソニックは、国内外の競争法に基づき必要な手続及び対応を終えること等を条件に、三洋電機の全株式(普通株式、A種優先株式及びB種優先株式の全て)を対象とする公開買付け(以下、本件公開買付け)を実施する予定です。本件公開買付けが開始される場合には、買付価格は、三洋電機の普通株式1株あたり131円、A種優先株式1株あたり1,310円及びB種優先株式1株あたり1,310円を予定しています。なお、パナソニックは、メリルリンチ日本証券株式会社より、一定の前提条件の下、本件公開買付けの買付価格が財務的見地からパナソニックにとって公正である旨の意見書を受領しています。本件公開買付けにおいては、三洋電機の発行済株式(自己株式を除く)の過半数(A種優先株式及びB種優先株式については、普通株式に換算した数)を買付予定数の下限として設定し、応募株券等の総数が当該数に達しない場合には、応募株券等の全部について買付けは行わない予定です。また、応募株券等の総数が当該数以上の場合には、応募株券等の全部の買付けを行う予定です。
本件公開買付けが開始される場合、三洋電機の大株主であるオーシャンズ・ホールディングス有限会社(ゴールドマン・サックス・グループの関連会社)、エボリューション・インベストメンツ有限会社(大和証券エスエムビーシープリンシパル・インベストメンツ株式会社の完全子会社)及び株式会社三井住友銀行には、本件公開買付けへの応募を前提に検討頂いております。三社の保有する三洋電機の合算株式数(A種優先株式及びB種優先株式については、普通株式に換算した数)は4,328,993,781株(完全希薄化後における議決権の約70.5%相当)であり、三社が保有する三洋電機の全株式を本件公開買付けに応募した場合、本件公開買付けは成立する見込みです。
なお、三洋電機は本件公開買付けを支持しており、本件公開買付けが開始された場合にはこれに賛同する予定です。
パナソニックは取得したA種優先株式及びB種優先株式を普通株式に転換する(または上記三社によりA種優先株式及びB種優先株式から転換された普通株式を本件公開買付けにおいて取得する)ことを基本方針としています。A種優先株式及びB種優先株式はいずれも優先株式1株当たり10株の割合で普通株式に転換可能であり、A種優先株式及びB種優先株式が全て普通株式に転換された場合の、完全希薄化後における普通株式の発行済株式数(自己株式は除く)は6,142,207,315株となる予定です。B種優先株式は議決権を有しませんが、普通株式に転換されることにより、三洋電機の完全希薄化後の議決権の総数は増加することになります。
4.上場維持
パナソニックと三洋電機は、本件公開買付けの成立後においても、三洋電機の普通株式の上場を維持する方針を両社の共通認識としており、本件公開買付けの結果により三洋電機の普通株式が上場維持の要件に抵触するおそれがある場合には、上場廃止を回避するための方策について両社で協議します。
5.両当事会社の概要(2008年9月30日現在)
商号 | パナソニック株式会社 | 三洋電機株式会社 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
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事業内容 | 電気・電子機器等の製造・販売 | 各種電気機械器具の製造・販売 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
設立年月日 | 1935年12月15日 | 1950年4月1日 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
本店所在地 | 大阪府門真市大字門真1006番地 | 大阪府守口市京阪本通二丁目5番5号 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
代表者の役職・氏名 | 代表取締役社長 大坪 文雄 | 代表取締役社長 佐野 精一郎 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
資本金 | 258,740百万円 | 322,242百万円 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
発行済株式総数 | 2,453,053,497株 | 普通株式 1,872,338,099 株
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株主資本 | 3,679,534百万円(連結) | 329,269百万円(連結) |
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総資産 | 7,299,379百万円(連結) | 1,672,013百万円(連結) | ||||||||||||||||||||||||||||||||
決算期 | 3月31日 | 3月31日 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
大株主の状況 |
※出資比率
(自己株式数を控除して算出) |
(普通株式)
(A種優先株式)
(B種優先株式)
※議決権比率
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(注) | 百万円未満の金額は四捨五入しています。 エボリューション・インベストメンツ有限会社は、大和証券エスエムビーシープリンシパル・インベストメンツ株式会社の100%子会社であり、オーシャンズ・ホールディングス有限会社はゴールドマン・サックス・グループの関連会社です。 三洋電機のB種優先株式は議決権を有していません。 |
なお、上記のリスク、不確実性およびその他の要因の例としては、次のものが挙げられますが、これらに限られるものではありません。かかるリスク、不確実性およびその他の要因は、当社の有価証券報告書にも記載されていますのでご参照ください。
● | 米国、欧州、日本、中国およびその他のアジア諸国の経済情勢、特に個人消費および企業による設備投資の動向 |
● | 多岐にわたる製品・地域市場におけるエレクトロニクス機器および部品に対する産業界や消費者の需要の変動 |
● | 為替相場の変動(特に円、米ドル、ユーロ、人民元、アジア諸国の各通貨ならびにパナソニックグループが事業を行っている地域の通貨またはパナソニックグループの資産および負債が表記されている通貨) |
● | 急速な技術革新および変わりやすい消費者嗜好に対応し、新製品を価格・技術競争の激しい市場へ遅滞なくかつ低コストで投入するパナソニックグループの能力 |
● | 他企業との提携またはM&Aで期待どおりの成果を上げられない可能性 |
● | パナソニックグループが他企業と提携・協調する事業の動向 |
● | 多岐にわたる製品分野および地域において競争力を維持するパナソニックグループの能力 |
● | 製品やサービスに関する何らかの欠陥・瑕疵等により費用負担が生じる可能性 |
● | 第三者の特許その他の知的財産権を使用する上での制約 |
● | 諸外国による現在および将来の貿易・通商規制、労働・生産体制への何らかの規制等(直接・間接を問わない) |
● | パナソニックグループが保有する有価証券およびその他資産の時価や有形固定資産、のれんなどの長期性資産および繰延税金資産等の評価の変動、その他会計上の方針や規制の変更・強化 |
● | 地震等自然災害の発生、その他パナソニックグループの事業活動に混乱を与える可能性のある要素 |
業績見通しには、さまざまなリスクや不確実性などの変動要因を含んでおり、影響を与え得る重要な要因には次のようなものがあります。1)当社が取り組んでいる事業における経済情勢や資本市場の大幅な変動や消費動向の変化。2)国際的な事業展開を行ううえで米ドルまたはその他の通貨と円との為替レートの変動。3)各国市場における様々な貿易規制。4)急激な技術革新、市場競争、価格競争のなかで当社が新技術、新商品、サービスを提供できる能力、など。ただし、業績に影響を与える要因はこれらに限定されるものでなく、潜在的なリスクや不確実性を含んでおりますので、ご承知おきください。
以上