【要旨】
松下電器産業(株)は、デジタル家電統合プラットフォームUniPhier®(ユニフィエ)[1]のアーキテクチャに、当社の高画質化技術と低消費電力技術を搭載した、携帯電話用UniPhier®システムLSI(UniPhier®4M:ユニフィエ ヨンエム=愛称、品番:MN2CS0036)を開発し、2007年12月よりサンプル出荷を開始します。
【効果】
本製品を使用することにより、携帯電話機器の「高画質ワンセグ[2]視聴」、「高性能3Dグラフィックス描画」、「長時間音楽再生」、「PC動画再生」、「GPS」などの多機能化を、1チップで実現できます。
【特長】
本製品は以下の特長を有しております。
- 当社のAV技術をモバイル向けに最適化
高品質なAV処理で、各種モバイルアプリケーションを実現可能 - 専用ゲーム機並の高性能グラフィックス描画処理を実現
- WVGA液晶にも対応、かつ長時間AV視聴を可能にする低消費電力技術を搭載
【内容】
本製品は以下の技術によって実現しました。
- モバイル分野に最適化した当社高画質化技術と、3D音響、低音強調などの高音質技術
- 専用グラフィックスエンジン、表示エンジンの搭載と広帯域メモリ制御による高速、高性能なAVメディア処理[3]技術および2D/3D描画技術
- ローパワー65nmプロセスの採用、および複数の電力抑制機構による低消費電力化技術
【従来例】
従来の携帯電話用UniPhier®システムLSIでは、QVGAサイズの映像処理技術に最適化したLSI 構成を採用し、ワンセグ、携帯電話用ゲームなどに使われる高性能描画処理や音楽再生長時間対応を行ってきました。しかし、今後の携帯電話サービスでは、更なる大画面液晶への画像出力対応、各種のフォーマットを持つPC動画への対応など、音楽・画像処理の高性能化、その他各種アプリケーション動作によるLSI 消費電力の増加が予測されます。今後のサービスに対応できる多種アプリケーションを1チップで、かつ低消費電力で実現することが可能なLSI が求められていました。
【実用化】
サンプル出荷開始:2007年12月 サンプル価格:(数量応談)
【備考】
本製品は、本年11月14〜16日、パシフィコ横浜にて開催される「Embedded Technology 2007」に出展予定です。
【照会先】
半導体社 企画グループ 広報チーム 中小路 陽紀 TEL:075-951-8151 E-mail: semiconpress@ml.jp.panasonic.com
【特長の説明】
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当社のAV技術をモバイル向けに最適化、高品質なAV処理で、各種モバイルアプリケーションを実現可能
当社が培った高画質化技術をモバイル向けに最適化し、携帯電話用UniPhier®システムLSI上で実現しました。例えば、周辺が明るい屋外での使用でも高品質なワンセグ視聴を実現できます。 -
専用ゲーム機並の高性能グラフィックス描画処理を実現
当社独自のグラフィックス技術を進化させ、2D/3Dグラフィックス処理性能を大幅に向上させました。専用ゲーム機並のグラフィックス処理を実現し、VGAサイズでのリアルタイム高速描画を必要とするゲームにも対応可能です。 -
WVGA液晶に対応、かつ長時間AV視聴を可能にする低消費電力技術を搭載
多彩な低消費電力化技術を搭載することにより、大画面化、高性能化を実現しつつも、音楽再生50時間以上、ワンセグ視聴5時間以上といった、長時間AV処理を実現。携帯端末での長時間AV視聴が実現可能です。
【内容の説明】
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モバイル分野へ最適化した当社高画質化技術と、3D音響、低音強調などの高音質技術
当社で培った映像技術をモバイル分野に最適化し、本UniPhier®システムLSIに搭載しました。色補正・エッジ強調・記憶色補正などの高画質化処理を実現可能です。
また当社で培った3D音響・低音強調などの高音質化処理が実現可能です。 -
専用グラフィックスエンジン、表示エンジンの搭載と広帯域メモリ制御による高速、高性能なAVメディア処理技術および2D/3D描画技術
本LSIは、CPUとしてARMコアを搭載する他に、以下の当社独自プロセッサ、エンジン群を搭載しています。 これらの高性能プロセッサ、エンジンと最適バス構成・広帯域メモリ制御により、高速・高性能な2D/3Dグラフィックス処理を可能としています。 -
ローパワー65nmプロセスの採用、および複数の電力抑制機構による低消費電力化技術
本LSIは、ローパワー65nmプロセスを採用すると共に、(1)多彩なハードエンジンによるプロセッサ負荷削減により、LSIの低消費電力を実現しています。
(2)電源、動作周波数の制御
(3)全機能ブロックに対する緻密な動作制御
(4)徹底したシステム低消費電力設計
【暫定仕様】
品番 | MN2CS0036 | |
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機能 | 32ビット CPUコア |
ARMコア 動作周波数: 300MHz キャッシュメモリ: 命令キャッシュ:32Kバイト、データキャッシュ:32Kバイト
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メディア プロセッサ |
命令並列プロセッサ(IPP) ×2 動作周波数: 200MHz |
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ビデオ デコード |
MPEG-4 H.264 JPEG VC-1 |
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ビデオ エンコード |
MPEG-4 H.264 JPEG |
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MIDI音源 | 最大同時発音数 128和音以上 3D音響処理エンジン |
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グラフィックス機能 | 2D/3Dグラフィックスエンジン UniPhier® ReCS搭載 | |
画面表示機能 | 表示エンジン UniPhier® Frago搭載 | |
ワンセグ視聴 | ワンセグ用トランスポートストリームデコーダ | |
周辺機能 | SDカードI/F、シリアルI/F、I2C I/F、USB I/F、 汎用ポート、TV出力 I/F(NTSC/PALエンコーダ)、 キースキャン、カメラ入力、LCD出力、IrDAなど |
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外部メモリ | モバイルDDR-SDRAM対応SDRAM I/F搭載 | |
集積素子数 | 約1億9000万 トランジスタ | |
電源電圧 | 1.8V (I/O) / 1.2V (内部) | |
パッケージ | 675ピン PoP[7]対応PCSP[8] ( 14mm角 ) |
【用語の説明】
- [1]デジタル家電統合プラットフォームUniPhier®(ユニフィエ)
- 2004年9月に当社が発表した種々のデジタル家電(ホームAV用/パーソナルAV用/携帯電話用/カーAV用)を横断的に統合する開発プラットフォームのことです。
- [2]ワンセグ
- 日本国内における地上デジタル放送の1チャンネルあたりの帯域を13セグメントに分けた内の1セグメントを利用して提供される携帯・移動体向け放送サービスのことです。送出する映像は QVGA(320×240画素)となります。
- [3]メディア処理
- 家庭用マルチメディア機器の基本機能であるAV、グラフィクス信号処理のことです。
- [4]メディア処理プロセッサ
- 家庭用マルチメディア機器の基本機能であるAV、グラフィクス信号を効率的に処理できるデジタル信号処理プロセッサのことです。
- [5]UniPhier® ReCS (Rendering engine for Curved Surfaceからの造語)
- 当社独自のグラフィックスエンジンの名称です。「ユニフィエ レックス」と読みます。
- [6]UniPhier® Frago (Frame Governor/Fragment Zeroからの造語)
- 当社独自の画面表示エンジンの名称です。「ユニフィエ フラゴ」と読みます。
- [7]PoP(Package on Package)
- 上面にパッケージを搭載したパッケージの名称です。
- [8]PCSP(Plastic Chip Size Package)
- パッケージ名称の一つです。
※ | UniPhier® は、松下電器産業株式会社の登録商標です。 |
※ | その他記載された会社名およびロゴ、製品名などは該当する各社の商標または登録商標です。 |
以上