2008年3月5日
松下電器産業株式会社
松下電工株式会社
電気暖房器具「デスクヒータ」事故防止のための『社告』実施について
松下電器産業株式会社と松下電工株式会社は、2003年から2006年までに製造した電気暖房器具「デスクヒータ」3機種(一部機種は「デスクヒーター」と表記)について、事故防止のため市場対応を行います。
当該機種において、機器内部に配線されたヒーター線が異常過熱を起こし、発煙・発火に至る可能性があることがわかりました。
弊社は事故防止のために社告を行い、対象機種をお持ちのお客様には、ご使用をお控えいただくようお願いいたしますとともに、無料で代替品と交換させていただきます。
お客様には大変ご迷惑をおかけしますが、ご理解とご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
1.対象機種および台数
品番 |
表記製品名 |
販売元 |
対象製造期間 |
対象台数 |
DR2456 |
デスクヒータ |
松下電工株式会社 |
2003年5月〜2004年11月 |
24,710 |
DC-2456P |
デスクヒーター |
松下電器産業株式会社 |
2005年8月〜2005年11月 |
8,603 |
DC-PD1 |
2006年8月〜2006年11月 |
11,505 |
合計3機種 |
44,818 |
※ |
デスクヒータは、2005年4月に松下電工株式会社から松下電器産業株式会社に営業譲渡された製品です。 |
品番 |
DR2456 |
DC-2456P |
DC-PD1 |
製品写真 |
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販売元
製造年度 |
松下電工株式会社
2003〜2004年製造 |
松下電器産業株式会社
2005年製造 |
松下電器産業株式会社
2006年製造 |
2.社告に至る経緯
(1) |
2008年1月30日、大阪府でデスクヒータ使用中に焦げ臭いにおいがして、製品の一部を焼損したとの事故情報が入りました。弊社にて事故品の確認をおこなったところ、内部のヒーター線が1本よじれて断線し、製品の左側発熱面の裏側が一部焼損していました。 |
(2) |
同一機種での過去の事故を調査したところ、製品の一部焼損1件、発煙1件の2件の事故が発生していました。うち1件は、2005年12月23日、東京都で製品の一部が焼損しており、内部のヒーター線がよじれて欠損していたという事故でした。ヒーター線のよじれが主要因と考え、故意にヒーター線を発熱面より浮かせ、よじれたヒーター線を複数本交差させて再現実験をしましたが、この状態でのヒーター線の過熱では製品本体の発煙・発火に至る温度にはなりませんでした。しかし、この条件に加えて、ヒーター線の過熱部分がさらに高温となるよう、また安全装置が作動しにくいよう過熱部分のみに毛布をかぶせた時に、初めて焼損に至る場合があることが確認できました。このことにより、製造工程で発生したヒーター線の接着不具合品の流出と部分的に毛布をかぶせるという使用状態での要因と、さらによじれたヒーター線複数本の交差という、それぞれ稀な事象が重なった、きわめて偶発的な事故と判断していました。
もう1件の発煙は、2006年11月29日に同じく東京都で製品のプラグをコンセントに差込み、スイッチを入れると煙が発生したとの情報でした。事故品を確認すると、製品の折り曲げ部分に、熱で溶けた小さな穴があり、原因解析の結果、なんらかの要因でヒーター線が断線し、その部分から発生したスパークによる熱で、表面材が溶けたものでした。しかし、断線箇所は不燃材のガラス編組チューブで覆われているため、発火には至らないと判断しておりました。 |
(3) |
2008年1月30日の事故の原因を解析したところ、ヒーター線が1本よじれただけで一部焼損していることが確認できました。このことにより、発熱面から遊離したヒーター線の一部が断線し、スパークが継続的に発生することで 発煙・発火に至る可能性があると判断いたしました。さらに市場でのサンプル調査をしたところ、該当機種70台の中にヒーター線の一部が発熱面から遊離し、よじれて変色しているものが1件発見され、事故につながる可能性があると判断いたしました。
その結果を受け、事故防止のために社告を実施する決断をいたしました。 |
<製品外観>

<事故の概要>
|
事故機種 |
発生日 |
発生場所 |
被害状況 |
改正消安法以降 |
DR2456 |
2008年1月30日
|
大阪府 |
製品一部焼損 |
改正消安法以前 |
DR2456 |
2006年11月29日 |
東京都 |
発煙 |
DR2456 |
2005年12月23日 |
東京都 |
製品一部焼損。机一部煤け |
※いずれの事故も、拡大被害や人的被害には至っておりません。
3.原因
機器内部に配線されたヒーター線の一部が発熱面から遊離し、よじれて重なることによる過熱や折り曲げなどの外力により断線し、さらに断線部分の不安定な接触状態から、スパークが継続して発生した場合、ヒーター線の被覆のポリエステル糸とPVC(塩化ビニル)の成分が燃え、炭化物が形成されることがあります。この状態が継続されると、炭化物が導電体となり赤熱し、発煙・発火に至る可能性があると判断いたしました。
<ヒーター線構造図>

4.対象の特定
事故が発生した機種と同等のヒーター線を有する製品2機種を加え、3機種を対象としました。
なお、2002年以前に製造した機種は、ヒーター線の被覆がEP(エチレンプロピレン)ゴムであり、同様の事象は発生しないため、社告の対象外とします。
また、2007年以降に製造している現行販売機種につきましても、ヒーター線が異常過熱した際の検知機能がついており、安全装置が働くため対象外とします。
5.お客様への対応
(1) |
対象製品は修理ができない構造のため、該当製品をお持ちのお客様には、無料で代替品(現行販売機種)と交換させていただきます。 |
(2) |
明日3月6日、新聞紙上で、『謹告』を行います。 |
(3) |
本日3月5日午後3時から、ホームページでもお知らせいたします。
松下電器ホームページ(http://panasonic.co.jp/appliance/dh/) |
(4) |
本日3月5日午後3時から、フリーダイヤルにてお問い合わせをお受けいたします。
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以上
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