2022年4月20日

マイコン制御による全自動運転で簡単調理

レトルト食品製造が可能な
小型高温高圧調理機「達人釜」の新モデルを発売

外食企業のテイクアウトや通販などに貢献

製品画像:小型高温高圧調理機「達人釜」
品名 小型高温高圧調理機「達人釜」
品番 FCS-KM77
発売日 2022年10月
メーカー希望小売価格 オープン価格

パナソニック産機システムズ株式会社は、オリジナルのレトルト食品の製造を可能にする小型高温高圧調理機「達人釜(以下、「達人釜」)」の新モデル「FCS-KM77」を、2022年10月から発売します。

食に関わる事業者にとって食品廃棄は深刻な経営課題のひとつです。さらに新型コロナウイルスの影響で、外食企業では来店数の予測や準備する食材量の見込みが立てづらく、以前にもまして廃棄が問題になっています。そんな中、テイクアウトや通販などを検討する企業から、長期常温保存や常温物流が可能なレトルト食品に注目が集まっています。

当社は、自社でオリジナルのレトルト食品を製造することができる、コンパクト設計の小ロット対応レトルト釜である「達人釜」を2003年から発売しています。マイコン制御による全自動運転により、食材と調味料をパウチした袋を庫内にセットし、加熱条件を設定してスタートするだけの簡単操作を実現しました。芯温計も内蔵されており、レトルト食品づくりに不可欠なF値※1の計測・記録が可能です。専門の取り扱い資格は必要ありません。給排水と電源さえあれば手軽に設置できます。この度、「達人釜」の機能強化した新モデルを発売いたします。

新モデルは、商品開発段階の加熱条件作成に便利な「F値制御モード」を搭載しました。量産前の試作時に使用する簡易モードで、加熱条件に目安をつけることができ、試作回数の抑制に効果を発揮します。また、マイコンを含めた制御部の全面的な見直しを行い、タッチパネル式に変更しました。さらに、運転時のデータの記録・保管のために必要なプリンターを本体に内蔵し、お客様からの要望が高かったデジタルデータの取り出しを可能にするUSBポートも搭載しました。

当社は本製品を通じて、レトルト化による食品保存の長期化やアップサイクル※2な商品づくりを促進することで、SDGsの観点からも大きな社会問題である食品廃棄ロスの削減に貢献します。

<特長>

1.「F値制御モード」の搭載により、加熱条件の作成が簡易になり、メニュー開発プロセスの簡略化を実現

2. マイコンを含めた制御部を見直し、操作部をタッチパネル仕様に変更、操作性が向上

3. デジタルデータ取り出しのためのUSBポートを搭載し、試作記録をPCで管理可能

  • ※1 F値 主にレトルト食品の殺菌強度を規定するもので、121℃1分をF値=1と定義。国内のレトルト食品では、厚生労働省の「容器包装詰加圧加熱殺菌食品の規格基準」で中心部の温度を120℃で4分間加熱する方法又はこれと同等以上の効力を有する方法であること、とされている。当社製品では、F値=10以上を推奨。
  • ※2 アップサイクル 廃棄物や不要になったものに手を加えて新しい価値を与えること。食の分野にも規格外の食材や端材などを活用したアップサイクル食品が広がってきている。

【お問い合わせ先】

パナソニック産機システムズ(株)コールドチェーン事業本部 企画統括部 企画3部(03-6364-3450)

【背景】

食品廃棄は世界的な問題ですが、日本においても年間約570万トンもの食品が廃棄されています。そのうち半分以上の約309万トンが事業系食品ロスとされています。コロナ禍における人々の行動制限やライフスタイルの変化で影響を受け、行き場を失った食材や来店客減少による余った食材の廃棄が発生しており、食に関わる事業者にとって深刻な経営課題のひとつとなっています。

製品画像:小型高温高圧調理機「達人釜」

※農林水産省サイト
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/syoku_loss/161227_4.html
食品ロス量(令和元年度推計値)より

ロスとなる食材を、長期常温保存・常温配送ができるレトルト食品に加工することで、通販など新たな販売スタイルにチャレンジすることが可能です。通常レトルト食品を製造するためには、ボイラーや圧力容器などの特別な取り扱い資格を持っている専門の会社に製造委託することが一般的ですが、味を突き詰める試作にも費用が掛かり、委託ロット数も多くなるため、事業者によってはハードルが高いものでした。一方、「達人釜」は専門資格が必要のない小型製造機で、事業者自らがこだわりのレトルト食品を製造することが可能です。

なお「達人釜」は2003年から発売しており、これまでに食品加工業のほか、医療・福祉介護施設(治療食・介護食)、一次産業(六次産業化)、ジビエ加工場などでも採用されており、コロナ禍で外食企業からも問い合わせが増加しています。

「達人釜」での調理例

地元特産品
(牡蠣等魚介類)の加工
魚介類の加工
(アンテナショップ・ネット通販)
ベビーフード

【特長】

1.「F値制御モード」の搭載により、加熱条件の作成が簡易になり、メニュー開発プロセスの簡略化を実現

レトルトを思い通りの味に仕上げるためには、加熱条件(温度と時間)を細かく変えて試作を重ねる必要があり、完成までに多くの時間がかかります。「F値制御モード」は量産前の試作時に使用する簡易モードで、到達させたいF値・加熱温度を設定して運転することで、加熱条件に目安をつけることができ、メニュー開発時の試作回数を抑えることにつながります。(量産は、芯温計をセットし、必ず温度と時間の加熱条件を設定して加熱殺菌します。)

2. マイコンを含めた制御部を見直し、操作部をタッチパネル仕様に変更、操作性が向上

マイコンも含めた制御の見直しを実施し、操作部をこれまでのボタン式からタッチパネル式に変更しました。一度に複数の情報を確認できるようになり操作性が向上しました。

マイコンを含めた制御部

3. デジタルデータ取り出しのためのUSBポートを搭載し、試作記録をPCで管理可能

データをパソコンで確認したい、データをメニュー開発に役立てたい、というお客様からの要望にお応えし、データ取り出しのためのUSBポートを搭載。温度・時間・圧力などのデータをCSV形式で抽出できるようになりました。メニューの試作記録を一覧で比較検討することで、メニュー開発を効率的に進めることができます。

USBポート

【その他の特長】

■運転データを記録印刷するためのプリンターを内蔵し、接続の手間を省略

従来、別途準備が必要となっていたプリンターを標準で本体に内蔵しました。これによりプリンターの設置場所も必要がなくなり、接続の手間も省くことができます。

  • ※用紙は市販品(幅58 mm×直径40 mmまで)をご用意ください
  • ※現行モデル(FCS-KM76)のオプションプリンターを接続することはできません
プリンター

【仕様】

品名 小型高温高圧調理機「達人釜」
品番 FCS-KM77
外形寸法 幅 600 × 奥行き 560 × H 1,009(mm)
電源(定格電圧) 単相200 V 50/60 Hz 30 A推奨
消費電力 4 kW
チャンバー 容積 83 L(有効内容積:75 L)
寸法 Φ 370 × 635(mm)(蓋含む有効深さ695 mm)
種類 小型圧力容器
材質 ステンレス鋼板(SUS304)
カゴ収容数 ステンレス製バスケット3個(ステンレス製網棚15段)
設定コース 高温1:101℃~125℃/可変式
高温2:101℃~125℃/可変式
低温:70℃~95℃/可変式
F値制御:F値設定範囲(F0.01~F99.00)
殺菌温度:101℃~125℃/可変式
温度調節範囲 70℃~125℃(96℃~100℃不可)
注水方式 自動給水(水道圧0.25 MPa~0.75 MPa)
排水方式 自動排水(排水口:R1/2)
プリンター 内蔵(サーマル方式、用紙サイズ:幅58 mm、直径40 mm以下)
データ出力 USBポート
製品質量 104 kg(付属品含む)

注:製品の仕様は予告なく変更することがあります。

以上