2018年6月4日

車載機器や産業機器の長期安定動作に貢献

部品実装信頼性を向上させるガラスコンポジット基板材料を開発

部品実装信頼性を向上させるガラスコンポジット基板材料(品番:R-1785)

パナソニック株式会社 オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は、車載機器や産業機器に適したガラスコンポジット基板材料(品番:R-1785)を開発、2018年6月より量産を開始します。

自動車の電装化や各種産業機器の高機能化を背景に、電子回路基板には優れた部品実装性と大電流対応が要求されています。当社は独自の製造工法と樹脂設計技術により、業界最小※1熱膨張係数[1]を実現したガラスコンポジット基板材料(CEM-3グレード)を開発、電子回路基板の部品実装信頼性の向上と大電流対応に貢献します。

【特長】

  1. 電子回路基板の部品実装信頼性を向上させる業界最小※1の熱膨張係数
    ・熱膨張係数 15~17ppm/℃(α1)(板厚0.8mm)
    当社従来品※2 20~23ppm/℃(α1)(板厚0.8mm)
  2. 大電流基板の小型化に対応する優れた耐トラッキング性[2]
    ・比較トラッキング指数(CTI):600V以上 当社従来品※3 175V以上250V未満
  3. 電子回路基板の安定作動に貢献する高い板厚精度
    ・板厚精度 ±0.05 mm(板厚1.6mm) 当社従来品※3±0.10 mm(板厚1.6mm)(精度2倍)
  • ※1:2018年6月4日現在、ガラスコンポジット基板材料(CEM-3グレード)として(当社調べ)
  • ※2:当社従来品(一般ガラスコンポジット基板材料 当社品番R-1786)
  • ※3:当社従来品(一般ガラスエポキシ基板材料 当社品番R-1705)

【用途】

車載機器(インストルメントパネル)、電源・パワーデバイスモジュール基板、インフラ機器(スマートメーター、アンテナ通信機器)、アプライアンス(エアコン、パワーコンディショナー)など

【備考】

2018年6月6~8日まで東京ビッグサイトで開催されるJPCA Show 2018に本製品を出品します。

【お問合せ先】

オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社 電子材料事業部
https://industrial.panasonic.com/cuif/jp/contact-us?field_contact_group=2201&field_contact_lineup=3248&ad=press20180604

【商品の詳細ページ】

https://industrial.panasonic.com/jp/products/electronic-materials/circuit-board-materials/new-cem-3/cem3hr?ad=press20180604

【特長の詳細説明】

  • 1. 電子回路基板の部品実装頼性を向上させる業界最小の熱膨張係数
    近年、部品実装で採用が進む鉛フリーはんだは、従来の鉛含有はんだと比べて接合強度が低いため、基板材料にも高い実装信頼性が要求されます。ガラスコンポジット基板材料は、現在主流のガラスエポキシ基板材料と比べて加工性やコストパフォーマンスに優れる反面、熱膨張が大きく、実装信頼性に課題がありました。本製品は当社独自の樹脂設計技術により、ガラスコンポジット基板材料として業界最小の熱膨張係数を実現しました。部品の実装信頼性が高く、電子回路基板の長期使用時の信頼性向上に貢献します。
  • 2. 大電流基板の小型化に対応する優れた耐トラッキング性
    各種機器の高機能化に伴う電源基板の小型軽量化を背景に、電子回路基板の配線はますます狭ピッチ化の傾向にあり、回路間の絶縁性向上が求められています。現在主流のガラスエポキシ基板材料は回路間絶縁性の指標の1つである耐トラッキング性を向上させることが課題でした。本製品は当社独自の樹脂設計技術により、耐トラッキング性の等級で業界最高クラスとなるPLC=0(600V以上)を達成し、高い回路間絶縁性を実現しました。電子回路基板の設計において微細配線化が図れ、大電流対応と基板の小型化に貢献します。
  • 3. 電子回路基板の安定作動に貢献する高い板厚精度
    電子回路基板設計において重要な特性の1つであるインピーダンス[3]は絶縁層の厚みによって値が変動し、絶縁層の厚みを示す板厚精度が高くなるとインピーダンスの精度も向上します。本製品は当社独自の成型工程を用いることで、一般的なガラスエポキシ基板材料よりも優れた板厚精度±0.05 mmを実現しました。電子回路基板の安定作動が可能になり、基板製造における歩留まりの向上にも貢献します。

【一般特性】

項目 試験方法 条件 単位 R-1785 当社一般
CEM-3
当社一般
FR-4
ガラス転移温度 (Tg) TMA 昇温:10℃/分 150 140 140
はんだ耐熱性 JIS C 6481 A
260℃はんだ2分フロート
異常なし 異常なし 異常なし
熱膨張係数 (タテ方向) α1 IPC-TM-650 2.4.41 TMA ppm/℃ 19 (15) 25 (20) 13
熱膨張係数 (ヨコ方向) 21 (17) 28 (23) 15
熱膨張係数 (厚さ方向) α1 IPC-TM-650 2.4.24 TMA ppm/℃ 50 65 65
比誘電率 (Dk) 1MHz IPC-TM-650 2.2.2.9 C-96/20/65 4.5 4.5 4.8
誘電正接 (Df) 0.019 0.015 0.015
絶縁抵抗 JIS C 6481 C-96/20/65 5×108 5×108 1×108
耐トラッキング性 IEC 60112 A V CTI≧600 CTI≧600 250>CTI≧175
板厚精度 (σ値) A mm 0.013 0.013 0.027
試験片の厚さは1.6mmです。
( )の値は試験片の厚さ0.8mmです。
上記データは当社の実測値であり、保証値ではありません。

【用語説明】

[1] 熱膨張係数(CTE:Coefficient of thermal expansion)
一定の圧力下で温度を変えた時、単位温度あたりの材料の長さが増加する割合のこと。
[2] 耐トラッキング性
電子回路基板の表面に湿気や汚れがある状態で大電流や高電圧を印加した際に、放電によって配線間がショート(導通)する現象をトラッキングと言い、このトラッキングに基板材料が耐える力を指す。
[3] インピーダンス
電子回路に交流電圧が印加されたとき、流れる電流に対する導体の抵抗値のこと。直流抵抗・静電容量およびインダクタンスが組み合わされた、電気的ネットワークによって表現される。単位はオーム(Ω)。

以上