パナソニック エコシステムズ株式会社は、食塩水を電気分解して得られる「次亜塩素酸水溶液」から揮発した有効塩素成分が、約 25m³(約6畳)の空間で、付着のA型インフルエンザウイルスと ネコカリシウイルスを抑制する効果があることを検証しました。
食品業界や医療・介護施設、その他の室内環境において、次亜塩素酸を用いた洗浄、除菌、脱臭などの作業が日常的に行われています。今回、有効塩素成分が試験空間(約 25m³ (約6畳))で、付着のA型インフルエンザウイルスに対して60分で99%以上抑制、ネコカリシウイルスに対して240分で99%以上抑制する効果があり、テーブルや手すりなどに付着したA型インフルエンザウイルスとネコカリシウイルスを短時間で抑制する効果があることを検証しました。
■検証方法
回転式除菌フィルターに約10mg/Lの次亜塩素酸水溶液を含浸し、一定の風(3m³/min)を回転式除菌フィルターにあてて有効塩素成分を揮発させて、付着のA型インフルエンザウイルスとネコカリシウイルスに暴露した場合と、付着のウイルスに有効塩素成分を暴露させない場合(自然減衰)とで検証試験を行いました。
■検証結果
A型インフルエンザウイルスに対し、60分で99%以上の抑制効果を確認(図1)。また、ネコカリシウイルスに対し、240分で99%以上の抑制効果を確認(図2)。
- ※1:塩水を電気分解して得られる水溶液
- ※2:ノロウイルスの代替指標として使用されるウイルス
■検証方法の詳細
付着のA型インフルエンザウイルス(H3N2)およびネコカリシウイルスに対し、次亜塩素酸の揮発した有効塩素成分を暴露することで、99%以上の抑制効果を確認。
●検証機関:北里環境科学センター、パナソニック エコシステムズ株式会社
●検証装置:回転式除菌フィルターに約10mg/Lの次亜塩素酸水溶液を含浸し、一定の風(3m³/min)を回転式除菌フィルターにあてて有効塩素成分を揮発
●検証方法:
・暴露時間:240~300分間・・・暴露<検証装置の吹出空気>/非暴露<検証装置設置無し>
・試験空間容積:暴露:約25m³(約6畳) 換気なし
非暴露(自然減衰):400L試験チャンバー 換気なし
・付着ウイルスの設置:ウイルス液10μl(2μL×5箇所)をシャーレに滴下し、安全キャビネット内で約30分間風乾させ、試験ウイルス付着シャーレとし、検証装置から1.5m 離れたところに設置(床上1.2m)
・暴露方法:約25m³の試験室内にウイルスを付着させた試料を設置、検証装置の吹出口から揮発する 有効塩素成分が試験ウイルス付着シャーレ表面上の付着ウイルスを抑制
・ウイルスの測定:
・所定時間作用毎にシャーレを回収し、それぞれのシャーレに0.03%チオ硫酸ナトリウム添加SCDLP培地1mlを滴下してウイルスを洗い出し、TCID50法によりウイルス感染価を測定した
以上