製品名 | 低誘電率・低誘電正接・高耐熱多層基板材料 |
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シリーズ名 | MEGTRON 7 |
品番 | コア材:R-5785、プリプレグ[3]:R-5680 |
量産開始 | 2014年夏 |
価格 | 数量応談 |
パナソニック株式会社オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は、ハイエンドサーバやルータなどの大容量、高速伝送に対応し、信号処理性能の向上に貢献する、業界最高の低伝送損失[1]を実現した多層基板材料「MEGTRON(メグトロン)7 [2]」を開発しました。
近年、スマートフォン、タブレットPCといった情報端末やSNS、動画サイトなどの普及により大容量のデータをより高速に処理するニーズが高まっており、高性能なサーバやルータなどの機器の開発が進んでいます。これらの機器の中枢を担う電子回路基板材料にも、大容量、高速伝送、高多層化の要求があります。今回当社では業界最高の低伝送損失で、さらなる大容量、高速伝送に貢献する多層基板材料を開発しました。
【特長】
- 業界最高(※1)の低伝送損失の基板材料で高速伝送に貢献
比誘電率(Dk) [4]=3.3(1GHz)
誘電正接(Df) [5]=0.001 当社従来材(※2)比、1/2(@1GHz)
伝送損失 当社従来材(※2)比、20%低減(@12.5GHz) - 高耐熱性、高信頼性の基板材料で、高多層回路基板の製造性を向上
リフロー耐熱性 10サイクルPass(260℃ 28層)
絶縁信頼性 500時間Pass(121℃ 85% 50V)
ガラス転移温度 210℃、熱分解温度 400℃
- (※1) ハイエンドサーバ向け高多層基板材料として。2014年5月現在、当社調べ。
- (※2) 低誘電率・低誘電正接・高耐熱多層基板材料「MEGTRON6」
【備考】
本材料は、2014年6月4日〜6月6日に東京ビッグサイトで開催される「JPCA Show 2014」に出展します
【用途】
ハイエンドサーバ、ハイエンドルータ、スーパーコンピュータなどICTインフラ機器
【お問い合わせ先】
- オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社 広報グループ
- TEL:06-6904-4732
- ホームページURL:http://panasonic.co.jp/ais/
【特長の詳細説明】
1. 業界最高の低伝送損失の基板材料で高速伝送に貢献
スマートフォンなどの情報端末の普及により、データトラフィック量は急激に増えています。取り扱うデータもVOD(Video On Demand)やVoIP(Voice over Internet Protocol)へ変化し、さらなる大容量データの連続性・高速化が求められています。情報をコントロールするサーバなどICTインフラ機器の高速化に伴い、高速処理が可能なプロセッサや通信モジュールが登場、それらを実装する回路基板に流れる電気信号も高速化しています。一般に信号の高速化が進むと伝送損失が大きくなるため、低伝送損失の基板材料の要求がこれまで以上に高まっています。今回当社ではハイエンドサーバ向けで高い実績を持つ低誘電率・高耐熱の基板材料「MEGTRON6」よりも、さらに伝送損失を改善し、業界最高の低伝送損失の基板材料「MEGTRON7」を開発しました。これによりGHz帯の信号においても伝送損失が低く、優れた伝送特性を実現、ハイエンドサーバなどICTインフラ機器の大容量、高速伝送に対応でき、信号処理性能の向上に貢献します。
2. 高耐熱性、高信頼性の基板材料で、高多層回路基板の製造性を向上
MEGTRON7は当社独自の樹脂設計・配合技術により、ハイエンドサーバ向けで高い実績を持つMEGTRON6と同等のリフロー耐熱性、絶縁信頼性、ガラス転移温度、熱分解温度の特性があり信頼性の高い基板材料です。また、30層を超える高多層回路基板の製造性にも優れ、ハイエンドサーバで要求される基板の高多層化に貢献します。
【基本仕様】
●低伝送損失グラフ
●一般特性
【用語の説明】
- [1] 伝送損失
- 回路を流れる電気信号が、距離や回路から受ける抵抗等により熱などに変換され、減衰していく現象。導体(回路)や回路が接触する絶縁体(基板材料)の特性により損失は異なる。
- [2] MEGTRON7
- 当社の高速伝送対応多層基板材料を「MEGTRON(メグロトン)シリーズ」としてラインアップ。「MEGTRON」はパナソニック株式会社の登録商標。サーバ、ルータ、スーパーコンピュータなどICTインフラ機器の大容量・高速伝送に対応する新規の多層基板材料。
- [3] プリプレグ
- 多層基板の材料で、ガラス布(クロス)にエポキシなどの樹脂を含浸させた半硬化の絶縁接着シート。
- [4] 比誘電率(Dk)
- 誘電率とは絶縁性の物質に外部から電荷を与えたときの分極のしやすさをあらわし、物質固有の値をもつ。分極しやすい物質ほど電気を蓄えやすい傾向があるため、電気信号を効率よく流すためには分極しにくい(誘電率が小さい)物質が有利である。比誘電率とは、真空の誘電率を1とした場合の物質の誘電率の比率。
- [5] 誘電正接(Df)
- 絶縁性の物質が蓄えた電気を放出する際の損失量を示す。誘電正接が小さいほど蓄えられた電気は効率よく放出されるため、電気信号の伝送損失は小さくなる。
以上