2024.03.22
パナソニックグループのひと
社会課題解決への挑戦と未来志向で
新たな「価値」の創出へ:二階堂 勝
シリーズ:
開発プロセスの進化を目指し
「」をUNLOCK!
ソフトウェア開発のキーパーソン
二階堂 勝
パナソニック株式会社 コールドチェーンソリューションズ社
コールドチェーン事業部 システム技術部
にかいどう・まさる 他業界でのソフトウェア開発を経て、2016年に入社。業務用冷凍・冷蔵庫などの厨房機器や物流用冷蔵設備のソフトウェア開発、IoT・セキュリティ設計を担当している。
要件定義を前倒し
自ら考え行動に移す
コールドチェーン*ソリューションを通じ、今までに無い「価値」を社会に送り出して広げることが、私にとっての「やりがい」です。携わった案件の一つが、集合住宅向け「冷凍・冷蔵宅配ボックス(仮称)」の新規開発です。タッチパネル操作による荷物の出し入れ、遠隔による入出庫状況や庫内温度の管理などが行えます。
*低温管理(冷凍・冷蔵)が必要な食品などの、産地から消費者に届くまでの流通プロセスを、所定の温度を保ったまま保管・配送させる仕組み。
宅配ボックスは、居住者や配送事業者など多くの人たちが、24時間365日使用します。それだけに、様々な使用シーンを考慮したソフトウェアの安定性と信頼性の確保が不可欠です。製品化に至るまでは、ソフトウェアの開発のみならず、製品への自動セットアップや、遠隔で保守・メンテナンスを行える仕組みづくりなど、試行錯誤の連続でした。こうした中で特に重要だったのが、製品化の段階で何が必要になるかを考え、それを実現するための技術的要素を、予め自分で試して準備しておくこと。そして、「自らの頭でやるべきことを考え、行動に移す」ことを心掛けてきました。多くの苦労が伴いましたが、同製品の開発を通じ、再配達の削減による利便性向上やCO2排出に伴う地球環境問題・物流の「2024年問題」といった社会課題の解決に貢献する喜びを感じています。
このような付加価値を創出する時間と労力を捻出するには、既存業務の改善や開発プロセスの合理化も重要です。特に私たちの事業部は、過去の事業再編でさまざまな部門が一つになった組織のため、それぞれのやり方で開発したソフトウェアが数多く存在していました。こうしたムダを無くすため、主要機能を制御するソフトウェアにおいてベースの共通化を推進。「あちらを立てれば、こちらが立たぬ」といった問題にも、多くの技術者と根気よく意見交換や仕様のすり合わせを重ね、1年間かけてようやく共通のベースソフトウエアを構築することができました。その成果を初搭載した業務用冷凍・冷蔵庫の新製品は、今年2月に開催された厨房設備機器展でお披露目されました。
一人ひとりの小さな成功を
いつか大きな成果につなげる
昨年度から私たちの事業部は、中長期の商品開発ロードマップの運用改善に取り組んでいます。私はプロジェクトリーダーを担い、技術部門をはじめ商品企画やマーケティングなどのメンバーと、ロードマップの具現化施策について議論を重ねました。その一環として、開発計画のより精緻な「見える化」に加え、各メンバーの業務をより詳細に落とし込むフォーマットも導入しました。一人ひとりがお客様への「お役立ち」に向けて何をやるべきかを考え、行動につなげることが狙いです。開発計画を立案・遂行したり、温めていたアイデアを実行したり…。こうした「社員稼業」を後押しして、小さくても次につながる結果や改善を生み、いつかは大きな成果につなげる。そのためのツールとして機能することを願っています。
今後ますます応用範囲の拡大が見込まれる、コールドチェーン機器。その進化のポイントは、お客様の利便性向上や遠隔メンテナンスの拡大に直結する「IoTの活用」にあります。私自身の目標は、長年培った専門知識や行動力、他者への折衝・提案力を生かしつつ、製品のIoT化を加速、今まで無かった「価値」の創出をけん引し続けていくことです。
記事の内容は公開時のものです。
商品の販売終了や、組織の変更等により、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。
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