2017年4月11日

平成29年度科学技術分野の文部科学大臣表彰において
科学技術賞(開発部門)を受賞

高速伝送対応多層基板材料「MEGTRON(メグトロン)シリーズ」

パナソニック株式会社 オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社では、「高耐熱かつ高多層化が可能な高速伝送対応回路基板材料の開発」で5名が平成29年度科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術賞(開発部門)を受賞しました。表彰式は4月19日に文部科学省(東京都千代田区)で行われます。

【受賞内容】

  • テーマ:高耐熱かつ高多層化が可能な高速伝送対応回路基板材料の開発
  • 受賞者:
    • パナソニック株式会社 オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社 電子材料事業部
      藤原 弘明(ふじわら ひろあき) 技術開発センター 回路材料開発部 部長
      古森 清孝(こもり きよたか) 商品開発部 課長
      井上 博晴(いのうえ ひろはる) 技術開発センター 回路材料開発部 課長
      北井 佑季(きたい ゆうき) 技術開発センター 回路材料開発部 主任技師
    • 松下電子材料(蘇州)有限公司 
      橋本 昌二(はしもと しょうじ) 多層製造技術部 経理
  • 開発内容:
    業界最高水準の高速伝送対応、かつ鉛フリーはんだにも対応した高多層基板材料の開発及び量産化に業界で初めて成功しました。本材料は、ITインフラ機器の高性能化を支え、動画配信などにおける大容量データの高速通信を実現し、社会の利便性や快適性の向上に貢献すると同時に、消費電力の軽減、鉛フリーはんだ対応による環境負荷低減に寄与しています。データを高速に処理する大型高速サーバの実用化や、スーパーコンピュータの性能向上に必須の基板材料として市場から高い評価を得ています。
  • (参考)
    文部科学大臣表彰は、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた功績を讃える制度。その中で、科学技術賞(開発部門)は、我が国の社会経済、国民生活の発展向上等に寄与し、実際に活用されている画期的な研究開発若しくは発明を行った者を対象としています。

【商品のお問い合わせ先】

オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社 電子材料事業部
https://industrial.panasonic.com/cuif/jp/contact-us?field_contact_group=2201&field_contact_lineup=3248?ad=press20170411

【商品の詳細ページ】

https://industrial.panasonic.com/jp/electronic-materials/products/sp_mext_2017award?ad=press20170411

【開発の背景】

インターネットのデータトラフィック量の爆発的な増大に伴い、ITインフラ機器では信号処理の高速・大容量化が要求され、それらに搭載される電子回路基板には低伝送損失、高多層化が求められていました。そのため回路基板材料には、低誘電性、層間に均一に樹脂を充填するための高樹脂流動性、高耐熱性が要求されていました。また、環境負荷低減のため鉛フリーはんだへの対応も求められていました。

【開発技術の内容】

高速伝送に対応し高多層化が可能な電子回路基板の材料を次の要素技術により開発しました。

  1. 樹脂設計技術
    誘電特性の優れたポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂を変性し、さらにこの変性PPE樹脂と低分子量の多官能架橋剤をアロイ化する技術により低誘電特性と多層成型性、高耐熱性を高次元で兼ね備えることに成功
  2. 銅箔と樹脂の界面制御技術
    抵抗損失を抑える平滑化銅箔は密着性の低下から実用化困難でしたが、界面の表面化学処理の最適化により密着性を改善し、業界で初めてH-VLP(High performance Very Low Profile)箔を実用化

【開発技術の成果】

本技術を用いた電子回路基板は、大容量データを高速に処理する大型超高速サーバの実用化を可能としました。高多層化による機器の小型化と低伝送損失化による発熱の抑制により、設置スペースの確保や消費電力増大の課題を解決し、さらに鉛フリーはんだにも対応することで環境負荷低減にも大きく貢献しました。また、スーパーコンピュータの性能向上にも貢献し、車載や航空宇宙などの幅広い分野の発展にも貢献が期待されます。

【パナソニックグループの取り組み】

当社はこの高速伝送対応多層基板材料を「MEGTRON(メグトロン)シリーズ」として、1996年より製造・販売を開始しました。現在は、このMEGTRONシリーズにおいて、比誘電率、誘電正接、耐熱性など特性の異なるMEGTRON4、MEGTRON6、次世代モデルとしてMEGTRON7などをラインアップしています。今後、さらなる誘電特性を備えた次期材料の開発を進め、グローバルに販売を強化していきます。2014年4月の「第46回市村産業賞 功績賞」、2016年3月の「第62回大河内記念生産賞」の受賞に続き、この度の文部科学大臣表彰科学技術賞(開発部門)受賞を機に、今後より一層の多層基板材料事業の拡大、発展に向け取り組んでいきます。

以上