2024年10月10日
- 製品・サービス
- プレスリリース
Adobe Acrobat Readerの特定のバージョンに、一部のPDFが開けないバグが発生しております。PDFが開けない場合、お使いのAcrobat Readerを最新版へアップデートの上お試しください。
2016年2月15日
製品・サービス / プレスリリース
パナソニック株式会社は、「高周波数に対応した低伝送損失、高耐熱、高多層回路基板材料の開発」の功績に対し、公益財団法人 大河内記念会から「第62回大河内記念生産賞」を受賞しました。贈賞式は、2016年3月25日(金)に日本工業倶楽部会館にて行われます。
業績名: | 「高周波数に対応した低伝送損失、高耐熱、高多層回路基板材料の開発」 |
受賞者: | パナソニック株式会社 |
受賞理由: | 業界最高水準の高速伝送対応、かつ鉛フリーはんだにも対応した高多層基板材料の開発、量産化に業界で初めて成功しました。データを高速に処理する大型高速サーバの実用化や、スーパーコンピュータの性能向上に必須の基板材料としての地位を確立したことが高く評価されました。 |
開発の背景:
近年、スマートフォン、タブレットPCといった情報端末やSNS、動画サイトなどの普及により大容量のデータをより高速に処理するニーズが高まっており、高性能なサーバやルータなどの開発が進んでいます。その機器の中枢を担う電子回路基板材料において、当社は大容量、高速伝送に対応し、高多層化が可能な多層基板材料を開発しました。本材料が、データを高速に処理する大型高速サーバの実用化や、スーパーコンピュータの性能向上に貢献しています。
効果と産業への貢献:
市場の要求に応える、業界最高水準の高速伝送対応高多層基板材料の開発、量産化に業界で初めて成功。本材料は大型超高速サーバやスーパーコンピュータ向けに実用化され、スマートフォンやタブレットPCへの動画配信を始め、大容量データ通信の実現により社会の利便性や快適性の向上に大きく貢献しています。
当社はこの高速伝送対応多層基板材料を「MEGTRON(メグトロン)シリーズ」として、1996年より製造・販売を開始しました。現在は、このMEGTRONシリーズにおいて、比誘電率、誘電正接、耐熱性など特性の異なるMEGTRON4、MEGTRON6、次世代モデルとしてMEGTRON7などをラインアップしています。今後、さらなる誘電特性を備えた次期材料の開発を進め、グローバルに販売を強化していきます。この度の産業分野で優れた技術開発・功績に対して授与される「大河内記念生産賞」受賞を機に、今後より一層の多層基板材料事業の拡大、発展に向け取り組んでまいります。
2000年以降、ブロードバンド回線の普及とインターネットに接続される端末の爆発的増加により、データトラフィック量が激増しました。これに伴いデータセンターでは設置するサーバ数が増加、設置スペースの確保や消費電力増大が新たな課題となり、大容量のデータを高速に処理、伝送が可能な大型サーバの要望が高まり、その実現には高速伝送に対応し高多層化が可能な電子回路基板が不可欠でした。電子回路基板を形成する樹脂材料には次の2点の主要特性を兼ね備えていることが要求されました。
(1)データ伝送速度の高速化に対応できる低誘電正接、低誘電率
(2)配線数の増加や高多層化に対応可能な多層成型性、高ガラス転移温度、低熱膨張率
従来材料では、誘電特性と多層化、基板サイズの大型化を同時に満足することができませんでした。
当社では、高速伝送に対応し高多層化が可能な電子回路基板の材料を次の要素技術により新規に開発しました。
本技術により、従来材料と比較して伝送損失は50%以上低減でき、また、鉛フリーはんだに対応する高耐熱性を有することにより、60層を超える高多層の電子回路基板の作製が可能となりました。本技術を用いた電子回路基板は、爆発的に増大したインターネットのデータを高速に処理する大型超高速サーバの実用化を可能とし、多くのデータセンターで直面していた設置スペースの確保や消費電力増大の課題を解決し、環境負荷低減にも大きく貢献しました。さらにスーパーコンピュータの性能向上にも貢献し、医療やエネルギー等の幅広い分野の発展にも貢献が期待されます。
大河内記念生産賞について
[大河内記念会]
理化学研究所第三代所長 大河内正敏博士の学界、産業界への功績を記念し、1954年(昭和29年)に「生産工学の振興」に寄与することによって、日本の産業と科学技術の発展に貢献することを目的として設立されました。
[大河内記念生産賞]
生産工学、生産技術の研究開発、および高度生産方式の実施等に関する顕著な功績を表彰します。大河内記念生産賞は、生産工学、高度生産方式等の研究により得られた優れた発明または考案に基づく産業上の顕著な業績のあった事業体に対して贈呈されます。
(公益財団法人 大河内記念会 ホームページ掲載の概要を引用)
以上
記事の内容は発表時のものです。
商品の販売終了や、組織の変更等により、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。