プレスリリース

2012年3月6日

「波長制御技術」と「サーカディアンリズム」を応用

LED照明 EVERLEDSによる次世代オフィス照明の事業展開

「快適」と「エコ」の両立、そして「知的生産性」の維持を目指して


サーカディアン照明制御
朝〜昼のオフィスイメージ


サーカディアン照明制御
夕方のオフィスイメージ


サーカディアン照明制御
オフィス用照明器具
イメージ

パナソニック株式会社 エコソリューションズ社は、当社独自の「波長制御技術」と「サーカディアンリズム」を応用し、「快適」と「エコ」の両立、そして「知的生産性」の維持を目指した、LED照明によるオフィス市場への次世代省エネソリューションを提案します。
「サーカディアンリズム」と呼ばれる約24時間周期の生体リズムと光の関係を照明制御に応用し、LED照明の色温度や明るさなどを制御することで、さらなる省エネをはかるとともに、快適性や知的生産性などの維持が可能なオフィスの環境づくりを目指します。

東日本大震災以降、節電対策として照明を減灯するオフィスが増加しています。通常、オフィスにおけるJISの推奨照度は750 lx(ルクス)とされており、減灯によって照度が不足し、暗く陰鬱な空間になっているオフィスが見受けられます。一般的に、照度が下がると覚醒感が低下し、知的生産性への影響が危惧されると言われています。そのため、知的生産性を考慮すると照度が不足する状態が継続することは好ましくはありません。

当社は1980年代から、「光」と「サーカディアンリズム」の研究を開始。国内外の大学との共同研究などにより、光の質(色温度・波長)と量(光の強さ)、タイミング(昼夜のメリハリ)を考慮することが、健全なサーカディアンリズムを支える重要な要素であることを明らかにしてきました。

その研究成果をもとに、当社はサーカディアンリズムに配慮して、午前中から午後早い時間帯の照明は、快適性を維持可能な範囲で色温度を上げて覚醒感を持続、午後からは快適な照度と色温度の組み合わせを維持しながら変化させる「エコサーカディアン照明制御」により、「快適」と「エコ」に加え、「知的生産性」の維持を実現できると考えました。

さらにドイツ規格協会(DIN Deutsches Institut fur Normung)発行の、サーカディアンリズムへの作用量の定量化に関する仕様書(DIN V 5031-100 SPEC)にもとづき、同じ色温度でもよりサーカディアンリズムへの作用量が大きくなるように独自の波長制御LEDモジュールを開発。日中の高色温度の光では、同じ色温度の市販LEDモジュールと比較して、同じ照度あたりのサーカディアンリズムへの作用量(理論値)を約12%(※1)高めることに成功しました。

この独自の波長制御LEDモジュールによる「エコサーカディアン照明制御」の効果や影響を検証するため、九州大学と共同研究を実施。日中の照明を「従来照明」「節電照明」「エコサーカディアン照明制御」として比較しました。検証の結果、「エコサーカディアン照明制御」は「従来照明」と比較して省エネを実現しながら日中の主観評価やパフォーマンステスト、脳波から測定した覚醒感への悪影響は見られませんでした。一方、「節電照明」では、「従来照明」と比較してタスクのエラー回数の増加、および覚醒感の低下が確認されました。このことから、過度の節電照明では日中の知的生産性の低下が懸念されることが分かりました。この結果、当社独自のLED照明による「エコサーカディアン照明制御」は、省エネしながらも知的生産性を維持できることを裏付けるもの、つまり「快適」と「エコ」の両立に加え、「知的生産性」の維持も同時に実現できることが分かりました。

実際のオフィスの稼動時間で比較した場合、エコサーカディアン照明制御では、従来照明比約10〜15%の省エネを見込んでいます。今後、当社は研究の継続と製品開発を進め、2012年度中の製品化を目指します。さらに人の存在だけでなく、動きを検知できる画像センサなどと組み合わせるなどして、次世代のオフィス照明空間づくりを目指します。

※1 当社調べ

【お問い合わせ先】

お客様ご相談センター
フリーダイヤル 0120-878-365(受付9時〜20時)
EVERLEDSサイト:http://www2.panasonic.biz/es/everleds/

■エコサーカディアン照明制御の考え方

(1)お昼過ぎまでは、高色温度でサーカディアンリズムへの作用量の高い光で、日中の覚醒感を持続
(2)以降、夕方にかけては、照度と色温度をシンクロさせ、快適性と省エネを両立
(3)夜間は、低照度・低色温度の光で、省エネと同時にサーカディアンリズムに配慮

関連特許14件出願済み

■エコサーカディアン照明制御の効果を検証するための九州大学 安河内 朗教授との共同研究結果

日中の照明を「従来照明」「節電照明」「エコサーカディアン照明制御」とし、比較を実施。日中は、主観評価やパフォーマンステスト、脳波による覚醒感を測定し、省エネしながら知的生産性を維持可能か検証しました。

検証の結果、「従来照明」と比較して「エコサーカディアン照明制御」は省エネを実現しながら日中の脳波から測定した覚醒感への悪影響が見られませんでした。一方、「節電照明」では、「従来照明」と比較して覚醒感の低下を確認。また、「エコサーカディアン照明制御」では作業効率、エラー回数においても悪影響は確認できず、一方「節電照明」ではエラー回数が増加することが確認されました。

このように、サーカディアンリズムに沿って昼夜で明るさと色温度を変化させる「エコサーカディアン照明制御」なら「快適」と「エコ」の満足に加え、「知的生産性」を維持できることができることがわかってきています。

【実験概要】
●試験期間:九州大学
●試験方法
・九州大学実験室にて実験実施。1日目朝9時より、3日目朝7時まで実験室内にて過ごす。
・1日目、2日目の朝9時より夕方6時まで下記に示す照明条件のいずれかのもとで過ごす。
それ以外の時間帯の照明は全て同一条件にて実施
・評価項目:日中に主観評価、伝票分類課題、脳波による覚醒感評価(CNV)を実施。
●被験者:男子学生10名

【作業中(日中)の脳波評価(CNV)による覚醒感】
作業中(日中)の覚醒感を維持

  • 従来照明と比較してエコサーカディアン照明は
    省エネを実現しながら作業中(日中)の脳波から
    測定した覚醒感(CNV)への悪影響が見られない。
  • 節電照明では、従来照明と比較して覚醒感の低下を確認。

【選択反応課題に対するエラー回数】
作業効率、エラー回数にも影響なし

  • エコサーカディアン照明では作業効率、エラー回数においても悪影響が確認できず。
  • 節電照明ではエラー回数が増加することを確認
各条件間の差については統計的な有意差検定を実施
CNV:選択反応課題時に生じる特殊な脳波。覚醒感や集中感の指標として用いられている。
作業効率:伝票分類課題での伝票処理枚数・選択反応課題での反応時間
エラー回数:選択反応課題での誤反応回数

■オフィスを中心とした施設照明分野の製品展開構想

■LED照明事業全体の戦略

国内市場におけるLED照明器具は、2012年度約2,000品番を追加、2011年度比約2倍の合計
約4,000品番の品揃えになります。今後、2015年度には国内のLED照明の品揃えを約6,000品番(器具5,600品番、ランプ400品番)に拡充します。
さらに、器具、ランプ、デバイスを含むグローバルでのLED照明事業の売上を、2012年度1,000億円、2015年度には2010年度実績比6倍以上の2,000億円以上に引き上げることに挑戦します。