プレスリリース

2012年1月26日

帯電微粒子水(※1)がウイルスクリアランス試験(※2)でウイルスに抑制効果があることを検証

〜耐性の高いウイルスや未知のウイルス(※3)に対する効果が期待〜

パナソニック株式会社では、水に高電圧を加えることで生成されるナノサイズの帯電微粒子水「ナノイー」について、ウイルスクリアランス試験を実施し、ウイルスに対して抑制効果があることをドイツのGLP(優良試験所基準)に適合した試験機関であるCharles River Biopharmaceutical Services GmbH社と共同で検証しました。

自然界には、人に対して病原性を示すウイルスが多く存在し、現在も新たなウイルスが発見され続けています。たとえば、ヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus, HIV)、高病原性鳥インフルエンザウイルス、SARSコロナウイルスなど(※4)は記憶に新しく、これらは国内のみならず世界中で大流行し、死者も出るなど大きな脅威となっています。

今後も新たなウイルスが発見され、大流行する可能性が大いに考えられる中、ウイルスの特徴をウイルスクリアランス試験に基づくウイルス区分(エンベロープ(※5)の有無、ゲノム(※6)、サイズ)により分類し、それらを組み合わせた特徴を有する4種の物理化学的耐性別ウイルス(マウス白血病ウイルス、脳心筋炎ウイルス、仮性狂犬病ウイルス、ブタパルボウイルス)に対する帯電微粒子水「ナノイー」による抑制効果を検証しました。 この結果から、耐性の高いウイルスや未知のウイルスに対しても効果が期待できると考えます。

■検証方法

医薬品向けウイルスクリアランス試験(ガイドラインICHQ5A、CPMP/BMP/269/95、医薬審第329号)に基づいて選んだ4種のウイルスに対し、帯電微粒子水「ナノイー」を曝露した場合と曝露しない場合とでGLP準拠にて比較試験をおこないました。

■検証結果

4種のウイルスに対し、ウイルス感染価を6時間で99%抑制する効果があることを確認しました。

■帯電微粒子水「ナノイー」の発生原理

霧化電極をペルチェ素子で冷却し、霧化電極に空気中の水蒸気を結露させて水をつくり、霧化電極と対向電極間に高電圧を印加することで、約5〜20nm(ナノメートル)の大きさの帯電微粒子水「ナノイー」が発生

  1. ※1:水に高電圧を加えることで生成されるナノサイズの帯電した水微粒子
  2. ※2:ガイドラインに基づき選定したウイルスを検証することにより、耐性の高いウイルスや未知のウイルスに対し抑制効果が推定できる試験
  3. ※3:既存の学問、知識の範囲内にあるウイルス
  4. ※4:高田賢藏 編、2009年、『医科ウイルス学(改訂第3版)』、p.69-73、(株)南江堂
  5. ※5:ウイルス粒子の最も外側に位置する膜のこと
    その有無はウイルスの種類によって決められている
  6. ※6:DNAとRNAのことであり、DNAは核内で情報の蓄積や保存の役割を果たしている一方で、RNAは必要に応じて合成され、DNAの情報を一時的に処理をする

【お問い合わせ先】

アプライアンス社 技術本部 HA開発センター
TEL:06-6908-1131(大代表)
受付(平日のみ9:00〜17:30)

■実証データ

【試験概要】

医薬品向けウイルスクリアランス試験(ガイドラインICHQ5A、CPMP/BMP/269/95、医薬審第329号)に基づいて選んだ4種のウイルスに対し、帯電微粒子水「ナノイー」を曝露した場合と曝露しない場合とでGLP準拠にて比較試験をおこないました。

●試験機関: Charles River Biopharmaceutical Services GmbH
●試験時期: 2011年9〜11月
●試験対象: Xenotropic murine leukemia virus(マウス白血病ウイルス)、Encephalomyocarditis virus(脳心筋炎ウイルス)、Pseudororabies virus(仮性狂犬病ウイルス)、Porcine parvovirus(ブタパルボウイス)(表1)
●試験方法:
・試験空間容積:45Lボックス
・曝露時間:3.6時間  ・曝露距離:15cm

表1 「ウイルスクリアランス試験ガイドライン」に基づいて選定したウイルスの特徴

【検証結果】

4種のウイルスに対し、ウイルス感染価を6時間で99%抑制

対象 時間 抑制率(%)
Encephalomyocarditis virus
脳心筋炎ウイルス
3時間 89.7
6時間 99.98
Porcine parvovirus
ブタパルボウイルス
3時間 80.5
6時間 99.7
Xenotropic murine leukemia virus
マウス白血病ウイルス
3時間 77.6
6時間 99.9998
Pseudororabies virus
仮性狂犬病ウイルス
3時間 99.4
6時間 99.98
*当社算出

■ Charles River Biopharmaceutical Services GmbH社の見解

「ナノイー」技術は、広範囲の生物理学的に異なったヒト及び動物由来ウイルスを全体的に、且つかなりの程度において不活化する可能性を有することを示している。
耐性の高いウイルスや未知のウイルスについても同様であると考えられる。

■ Charles River Biopharmaceutical Services GmbH社の紹介

高品質の実験動物の繁殖供給や各種安全性試験を受託し、医薬品の開発を前臨床段階から市販後までサポートするグローバル企業のCharles River Laboratoriesグループの施設。

  • 所在地:Gottfried-Hargen Str.20, 51105 Cologne, Germany
  • サービス:ウイルス及びTSEクリアランス試験(GLP、Non-GLP)

<ご参考>

■「ナノイー」技術による検証効果一覧

帯電微粒子水「ナノイー」による主な実証済み試験項目
試験項目 結果 試験条件 試験依頼先/
試験機関
報告書 No.
容積(L) 時間(Hr)
付着臭
脱臭
タバコ臭 30 分で
消臭性能有り
250 0.5 パナソニック電工
解析センター(株)
E02 - 090313
MH- 01
メチルメルカプタン
(生ごみ臭)
15 分で
消臭性能有り
250 0.25 パナソニック電工
解析センター(株)
E02 - 080219
MH- 01
菌抑制 腸管出血性
大腸菌(O157)
99.99% 抑制
(※6)
45 1 日本食品分析
センター
208120880 - 001
209010548 - 001
メチシリン耐性
黄色ブドウ球菌
(MRSA)
99.99% 抑制
(※6)
45 1 日本食品分析
センター
208120880 - 002
209010548 - 002
多剤耐性緑膿菌
(MDRP)
99% 抑制
(※6)
45 2 東邦大学 医学部 看護学科 感染制御学
多剤耐性アシネト
バクター・バウマニ
(MDRAB)
99% 抑制
(※6)
45 2 東邦大学 医学部 看護学科 感染制御学
カビ抑制 白癬菌 99.7% 抑制 40 24 パナソニック電工
解析センター(株)
E02 - 061002
IN- 01
アレル物質
抑制
花粉 99% 抑制 45 2 パナソニック電工
解析センター(株)
E02 - 080303
IN- 03
ダニ 98% 抑制 45 2 パナソニック電工
解析センター(株)
E02 - 080204
IN- 02
ウイルス
抑制
鳥インフルエンザ
ウイルス
(H5N1亜型、H9N2亜型)
99.9% 抑制
(※6)
45 4 試験機関:国立大学法人 帯広畜産大学
大動物特殊疾病研究センター
犬ジステンバー
ウイルス
98.2% 抑制
(※6)
45 4 試験機関: 学校法人酪農学園 酪農学園大学
インフルエンザ
ウイルス
(H1N1型)
99.9% 抑制
(※6)
45 4 日本食品分析
センター
208040534 - 001
ネコカリシウイルス
(ノロウイルスの近縁種)
99.9% 抑制
(※6)
25 2 日本食品分析
センター
207031493 - 001
農薬減少 メタミドホス 92.3% 減少
(※6)
45 4 タカラバイオ株式会社 080920
080921
ジクロルボス 77.1% 減少
(※6)
45 4 タカラバイオ株式会社 080925
080926
クロルピリホス 98.0% 減少
(※6)
45 4 パナソニック電工
解析センター(株)
08BY397
ダイアジノン 89.1% 減少
(※6)
45 4 パナソニック電工
解析センター(株)
08BY397

※6 自社換算値

【評価方法】
  • 付着臭脱臭試験:6段階臭気強度表示法による官能試験(タバコ:パネル12名で△1.0、メチルメルカプタン:パネル8名で△1.2)
  • 菌・カビ・アレル物質抑制試験:対象物質を染み込ませたガーゼに所定時間帯電微粒子水「ナノイー」を作用させ評価
  • ウイルス抑制試験(ネコカリシウイルス):ウイルスを染み込ませた布に所定時間帯電微粒子水「ナノイー」を作用させ評価
  • ウイルス抑制試験(鳥インフルエンザ、犬ジステンバーウイルス、インフルエンザウイルス):帯電微粒子水を直接作用させ評価

以上