パナソニック エコシステムズ株式会社は、パナソニック電工株式会社、パナソニック株式会社ホームアプライアンス社と共同で、水に高電圧を加えることで生成されるナノサイズの帯電微粒子水「ナノイー※1」が、約30m3(約8畳)の空間で付着した状態にあるウイルスの感染力を抑える効果があることを検証しました。
インフルエンザへの感染の多くは、飛沫感染によるものと、飛沫に汚染されたモノなどに触れることによってウイルスが付着した手を介する接触感染です。ウイルスは日常生活空間のモノなどに付着した環境中では長時間生きつづけることができるため、中国湖北省武漢大学の協力を得て、2種類のA型インフルエンザウイルスを用い、試験空間(約30m3(約8畳))で、付着インフルエンザウイルスが99%抑制されることを検証しました。
当社は今後とも、一歩先の室内空気質(IAQ※2)商品で、健康・快適な空間実現とCO2削減に貢献してまいります。
■検証方法
2種類のA型インフルエンザウイルス(H1N1,H3N2)を対象に、帯電微粒子水(ナノイー発生装置)を用いて、帯電微粒子水を曝露した場合(ナノイーONで送風)と曝露しない場合(ナノイーOFF、送風のみ)とで比較試験を行いました。
■検証結果
インフルエンザウイルス:A/H1N1およびA/H3N2(A香港型)に対し、12時間で99%以上抑制
- ※1:水に包まれた電荷を帯びた微粒子イオン
- ※2:Indoor Air Qualityの略称で、健康に影響を及ぼす可能性のある環境因子を含めた建物内の空気の質
■検証方法の詳細
A型(H1N1)およびA香港型(H3N2)インフルエンザウイルスに対し、帯電微粒子水「ナノイー」を曝露することで、99%以上の付着ウイルス抑制効果を確認
- 検証機関:中国湖北省武漢大学 医学院病毒研究所
- 検証対象:A型インフルエンザウイルス(H1N1,H3N2)
- 検証装置:ナノイー発生装置(ナノイーデバイス2個搭載)
- 検証方法:
- ・曝露時間:12時間 曝露<帯電微粒子水(ナノイー送風)>/非曝露<ブランク(送風のみ)>
- ・試験空間容積:3.5 m×3.5 m×2.5 m(約 30 m3、約8畳)
- ・ウイルス液作製方法:
発育鶏卵の尿膜腔内で増殖させ、得られた尿腔液(ウイルス原液)を希釈して実験用ウイルス液として用いた。 - ・試料作成方法:
滅菌ガーゼ(5 cm×5 cm)に実験用ウイルス液 3 mlを滴下し、約 30 m3の試験室内に紐を利用して吊り下げた。 - ・曝露方法:
約 30 m3の試験室内にウイルスを付着させた試料を設置、ナノイー発生装置を運転し、12時間曝露した。 - ・ウイルス感染価※3の測定:
曝露処理12時間後に各試料から付着ウイルスを回収して10倍段階希釈列を作製し、MDCK細胞に感染させた。その3日後にReed-and-Muench-methodを使用し、ウイルス感染価TCID50※4を算出した。
- ※3:ウイルスの細胞感染能力を表す定量値
- ※4:50% Median Tissue Culture Infectious Dose(50%組織培養感染量)の略で、ウイルスが50%の確立で感染する希釈倍率を表す
■ご参考
○大空間におけるその他の検証内容
付着ウイルス(大腸菌ファージ※5)に対し、24時間で99%以上抑制
- 検証機関:財団法人 北里環境科学センター(報告書番号:北生発 22_0431_3号)
- 検証対象:付着したウイルス
- 検証装置:ナノイー発生装置(ナノイーデバイス1個搭載)
- 検証方法:25m3試験空間内(約6畳)で直接曝露しプラーク法で測定
- 試験結果:24時間で99%以上抑制
- ※5:大腸菌にのみ感染するウイルスであり、ヒトに感染しないことからウイルスの代替指標として使用した
○帯電微粒子水「ナノイー」による実証済み試験項目紹介サイト:http://panasonic.jp/nanoe/can/
以上