【要旨】
パナソニック株式会社セミコンダクター社は、新たに業界最高速※11.4GHz動作の高速デュアルコアCPUを搭載したスマートテレビ用UniPhier®※2(ユニフィエ)システムLSI(品番:MN2WS0220シリーズ)を開発し、2011年6月よりサンプル出荷を開始します。
【効果】
本製品を使用することにより、テレビ放送2番組とインターネット上のさまざまなアプリケーションを、同時に高画質で楽しむことができる高性能なスマートテレビをいち早く実現できます。さらに、低消費電力かつ省部品点数で実現できるため、スマートテレビのグローバルな普及拡大に貢献します。
【特長】
本製品は以下の特長を有しております。
- 高品質なAVコンテンツ処理で実績の豊富なUniPhier®※2プロセッサとネットワーク対応アプリケーション処理に優れた高速デュアルコアCPU搭載の新しいアーキテクチャを採用することにより、スマートテレビの高性能化や高画質化を容易に実現可能
- 業界最高速※11.4GHz動作の高速デュアルコアCPU(ARM®※3 CortexTM※3-A9 Dual)搭載により、スマートテレビ上でさまざまなネットワーク対応アプリケーションをストレスなくサクサク動作させることが可能
- 映像・音声コーデックに加え、スマートテレビに必須のフルHD対応の高性能3Dグラフィックス回路などを1チップに集積することにより、システム合理化に加え、グラフィックスと映像とが融合した多彩な表現を可能とし、かつ、システムの消費電力を約40%※4削減可能
【内容】
本製品は以下の技術によって実現しました。
- AVコンテンツをリアルタイムに処理できるUniPhier®※2プロセッサと、幅広く容易にオープンソースソフトウェア[1]を活用できる高速デュアルコアCPUを、並行かつ同時に動作させることを可能とするUniPhier®※2新アーキテクチャ
- 高速デュアルコアCPUと大容量のキャッシュメモリを搭載し、1.4GHzのクロック周波数での動作を可能とした、高速プロセッサ回路設計技術
- UniPhier®※2プロセッサと高速デュアルコアCPU、高性能3Dグラフィックス回路間で外部メモリを共有し、それぞれのアクセスを最適にスケジューリングする、ユニファイド メモリアーキテクチャ搭載の1チップシステムLSIインテグレーション技術
【従来例】
テレビの高性能化、利便性向上においては、インターネット上のさまざまなコンテンツやアプリケーションへ対応するために、高性能なソフトウェア処理機能が要望されています。したがって、スマートテレビ用システムLSIには、高品質なAV処理用プロセッサと高速CPUとを搭載することが求められていました。
【実用化】
サンプル出荷開始:2011年 6月 サンプル価格:(数量応談)
- ※1デジタル復調等内蔵のテレビ用システムLSIとして。2011年6月7日現在、当社調べ。
- ※2「UniPhier」は、パナソニック株式会社の登録商標です。
- ※3「ARM」「Cortex」は、英ARM社の登録商標または商標です。
- ※4当社従来比。
【照会先】
- セミコンダクター社 企画グループ 広報チーム
- TEL:075-951-8151
- E-mail:semiconpress@ml.jp.panasonic.com
【特長の説明】
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高品質なAVコンテンツ処理で実績の豊富なUniPhier®※2プロセッサとネットワーク対応アプリケーション処理に優れた高速デュアルコアCPU搭載の新しいアーキテクチャを採用することにより、スマートテレビの高性能化や高画質化を容易に実現可能
従来よりUniPhier®※2プロセッサは、映像・音声の符号化および復号化処理やネットワーク通信のための情報処理を高品質に実行する豊富な実績があります。今回、中核となる命令並列プロセッサを高性能化しました。さらに、ネットワーク対応アプリケーション処理向けに高速デュアルコアCPUを搭載したので、オープンソースソフトウェアの活用が容易となり、高性能で使いやすいスマートテレビをいち早く実現できます。 -
業界最高速※11.4GHz動作の高速デュアルコアCPU(ARM®※3 CortexTM※3-A9 Dual)搭載により、スマートテレビ上でさまざまなネットワーク対応アプリケーションをストレスなくサクサク動作させることが可能
クロック周波数1.4GHzまで動作可能なデュアルコア構成のCPUを搭載していますので、特に、インターネット活用におけるネットワーク上のさまざまAVコンテンツの視聴やアプリケーションプログラムの実行を高速かつ効率的に行うことが可能です。 -
映像・音声コーデックに加え、スマートテレビに必須のフルHD対応の高性能3Dグラフィックス回路などを1チップに集積することにより、システム合理化に加え、グラフィックスと映像とが融合した多彩な表現を可能とし、かつ、システムの消費電力を約40%※4削減可能
スマートテレビでは、使いやすいユーザインターフェースやゲームコンテンツなどの実行のために高性能なグラフィックス機能が必要になります。本製品には、フルHDに対応した高性能3Dグラフィックス回路を始め、映像・音声コーデック、デジタル復調など、スマートテレビを実現するために必要となる機能を1チップのシステムLSIに集積しており、機器への実装が容易になるとともに信号処理システムの省電力化も実現可能です。
【内容の説明】
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AVコンテンツをリアルタイムに処理できるUniPhier®※2プロセッサと、幅広く容易にオープンソースソフトウェアを活用できる高速デュアルコアCPUを、並行かつ同時に動作させることを可能とするUniPhier®※2新アーキテクチャ
UniPhier®※2プロセッサと高速デュアルコアCPUを並行かつ同時に動作させることができる、新アーキテクチャを開発しました。UniPhier®※2プロセッサは、テレビ放送やネットワークなどから符号化されたAVコンテンツを高品質に復号化して映像や音声を再生できます。また、高速デュアルコアCPU搭載によりオープンソースソフトウェアのポーティング[2]が容易になるので、機器の開発効率を向上することが可能です。 -
高速デュアルコアCPUと大容量のキャッシュメモリを搭載し、1.4GHzのクロック周波数での動作を可能とした、高速プロセッサ回路設計技術
32Kバイトの1次キャッシュメモリを搭載した英ARM社のARM®※3 CortexTM※3-A9デュアルコアと、最大768Kバイトの2次キャッシュメモリを搭載しています。また、LSIインプリメンテーションにおいては、高速プロセッサ設計技術を適用することによって、テレビ用として業界最高速※1の1.4GHz動作を実現しています。 -
UniPhier®※2プロセッサと高速デュアルコアCPU、高性能3Dグラフィックス回路間で外部メモリを共有し、それぞれのアクセスを最適にスケジューリングする、ユニファイド メモリアーキテクチャ搭載の1チップシステムLSIインテグレーション技術
スマートテレビでは、テレビ放送やネットワークからのAVコンテンツの視聴に加え、ユーザインターフェースやゲームコンテンツなどの実行を同時に行うことが必要です。新開発のシステムLSIでは、これらの各種データを処理するための外部メモリの共有化をユニファイド・メモリ制御技術を搭載することにより実現しています。
【暫定仕様】
品番 | MN2WS0220シリーズ | |
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デジタル復調機能 | 対応方式 | ISDB-T、DVB−T/C、ATSC/QAM |
メイン機能 | CPU | ARM®※3 CortexTM※3-A9デュアルコア 動作周波数: 最大1.4GHz 1次キャッシュメモリ: 命令キャッシュ:32Kバイト (1CPU当たり)データキャッシュ:32Kバイト 2次キャッシュメモリ: 最大768Kバイト |
グラフィックス | 2D/3Dグラフィックス OpenGL ES 2.0、OpenGL ES 1.1対応 |
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AVデコード | 映像:MPEG-1/2、MPEG-4 AVC/H.264、VC-1など 音声:MPEG-2/4 AAC、HE-AAC、Dolby®※5 Digital、 Dolby®※5 Digital Plusなど |
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AVエンコード | 映像:MPEG-4 AVC/H.264、音声:Dolby®※5 Digitalなど | |
メモリ制御 | 48bitまたは64bit DDR3-1600に対応 | |
システム インターフェース |
NANDフラッシュ、SDカード、USB、I2C、イーサネット | |
AV入出力機能 | 表示制御 | デ・インターレーサー、スケーラー、画質補正機能 3Dフォーマッタ、2D 3D変換 |
フレームレート 変換 |
ME/MC方式 2倍速変換 | |
入力 インターフェース |
デジタル:HDMI 4ポート 映像信号:アナログコンポジット、コンポーネント 音声信号:アナログライン、デジタルI2S |
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出力 インターフェース |
映像信号:LVDS 音声信号:アナログライン、デジタルI2S、SPDIF |
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その他 | 電源電圧 | 3.3V / 1.8V / 1.5V / 1.1V |
パッケージ | 708ピン 31mm角BGA |
※5 「Dolby」は、ドルビーラボラトリーズの登録商標です。
【用語の説明】
- [1]オープンソースソフトウェア
- ソフトウェアの設計図にあたるソースコードを、インターネットなどを通じて無償で公開し、誰でもそのソフトウェアの改良、再配布が行えるようにすることやそのようなソフトウェアのこと。
- [2]ポーティング
- あるシステム向けに開発されたソフトウェアを別のシステムで動作するように修整すること。
以上