プレスリリース

2010年9月22日

パナソニック株式会社
パナソニック エコテクノロジーセンター株式会社

近赤外線識別技術と乾式洗浄で実現

シュレッダーダストから3種類の樹脂を高精度で選別するリサイクル技術を開発

リサイクル樹脂の活用を加速

【要旨】

パナソニック株式会社とパナソニック エコテクノロジーセンター株式会社は、近赤外線識別技術、高精度エア制御技術および乾式洗浄技術を用いて、家電のリサイクル工程で発生するシュレッダーダストからPP・PS・ABSの3種類の樹脂を高精度で選別・回収するリサイクル技術を開発しました。また本技術はすべての工程を通じ、水を使わない乾式で行うため、従来の選別方式と比べ環境負荷を低減します。これにより、リサイクル樹脂の再利用を加速します。

【背景】

家電の解体工程では、手解体により回収された樹脂部品は、成形材料として再利用されています。しかし、手解体後に粉砕された樹脂片はシュレッダーダストとして主に廃棄や燃料としての使用など家電以外で再利用されることが一般的でした。製品を生産する上で環境負荷を減らしていくためには、シュレッダーダストから樹脂を回収して再利用する必要があります。
また一方、家電製品に使用される樹脂には、欧州においてはRoHS規制物質の含有量が一定値以下であることが規定されており、難燃剤として樹脂に添加されることがある特定臭素については、含有率1000ppm未満であることが求められています。このため、樹脂をリサイクルするためには、臭素を含む樹脂の混入を防ぐ必要があります。

【特長】

シュレッダーダストの樹脂片からPP・PS・ABSを樹脂種別ごとにそれぞれ99%を超える精度で選別・回収し、かつ臭素を含む樹脂を除去できる技術を開発しました。また、乾式洗浄技術と組み合わせることで、すべての工程を環境負荷が少ない乾式処理で行う技術を開発しました。本リサイクル技術の特長は以下の通りです。

  1. 従来からある近赤外線識別技術による樹脂種別の識別に加えて、臭素含有の有無についても、近赤外線の反射スペクトルを分析し高精度に識別
  2. エアの吐出タイミングなどを工夫した独自の高精度エア制御技術により、細かく裁断された樹脂片を正確に分別
  3. PP・PS・ABSの樹脂選別を可能とし、コンパクトで、他リサイクル工場への展開が容易
  4. 全工程を水・廃液処理が不要な乾式で行なうため、リサイクル工程での環境負荷を低減

【今後の計画】

パナソニック エコテクノロジーセンター(株)では、本リサイクル技術による高精度樹脂選別設備を導入し、今後はシュレッダーダストからのリサイクル樹脂の回収を年間1000トンの規模で実施する予定です。また本技術で回収したリサイクル樹脂については、冷蔵庫部品で採用を検討中です。現在、当社は年間約5000トン(家電リサイクル以外を含む)の樹脂を再利用していますが、さらに適用商品を拡大し、製品の再資源活用率を高めることで環境負荷低減に貢献してまいります。
この技術は「パナソニック エコアイディアフォーラム2010」(10月6日〜9日、パナソニックセンター東京)に展示します。