パナソニック株式会社は、6月から住之江工場で当社のリチウムイオン蓄電システムと三洋電機株式会社の太陽電池を組み合わせたシステムの実証試験を開始しました。
住之江工場内に設置した太陽電池パネルと蓄電システム(現在開発中のリチウムイオン電池モジュール4個と充電器で構成)を組み合わせて試験を実施。発電能力2.8kWの太陽電池パネルと、蓄電能力6kWhの蓄電システムとで、事務棟で必要な電力の一部をまかないながらデータを収集します。
実証試験は、(1)太陽光発電との組み合わせによるリチウムイオン蓄電システムの充放電検証、(2)長期連続稼働によるリチウムイオン蓄電システムの信頼性評価、を目的としています。
これらを評価するために試験を行い、太陽電池からの出力電圧、電流と、蓄電池の充放電特性のデータを計測します。
家庭用太陽光発電などの再生可能エネルギーの利用やその実用化への期待が高まる中、これらの普及には蓄電システムが不可欠となっています。当社は、リチウムイオン電池を用いた蓄電システムおよびバックアップ電源で、2018年には現在の100倍を超える2,500億円の需要を予測しており家庭用蓄電池の需要も拡大が予想されます。
当社のリチウムイオン蓄電システムは以下の特長を持っています。
(1)コンパクト設計
(2)大容量(必要に応じてリチウムイオン電池モジュールの搭載数を増やすことが可能)
(3)高いコストパフォーマンスを持つリチウムイオン電池モジュールを搭載
なお、このリチウムイオン蓄電システムを構成するモジュールは、ニッケル系正極を用いた高容量・高耐久性のリチウムイオン電池140個(サイズ:18650)で構成されています。この高信頼性・高耐久性を持つモジュールを組み合わせることで、家庭用蓄電やEV用動力源など環境エネルギー分野向けの様々な用途に対応できます。今回はモジュールの展開例の一つである家庭用蓄電システムとして実証試験を行っており、その結果をふまえて2011年度の事業化を目指します。
「創」「蓄」「省」「エネルギーマネジメント」のすべてを持つパナソニックは、家・ビルまるごとのエネルギーソリューションを進めています。その中で、当社のリチウムイオン蓄電システムは、蓄エネルギーのキーデバイスとして「CO2±0のくらし」の実現に貢献します。