パナソニック株式会社は、ディスプレイデバイスの革命的技術進化に匹敵する、超・高効率「発光効率4倍(※1)」の画期的な「新・プラズマディスプレイパネル(以下PDP)」の開発に成功しました。
「発光効率4倍(※1)」を達成した新PDPパネルは、当社が2008年に開発した「NeoPDPパネル(※4)」の発光効率2倍、2009年に成長させた「NeoPDPecoパネル(※5)」の発光効率3倍を更に飛躍的に進化させたものです。(全て07年パネル比)
新技術は、蛍光体や発光ガスなどの新たな材料開発はもとより、超高速駆動技術や適応型信号処理技術の開発による電力削減をはじめとする、放電/発光/光の取り出しに至るパネル発光の全プロセスにおいて、発光効率の大幅な向上を成し遂げました。これにより、「発光効率4倍(※1)」という驚異的な効率UPが図れ、42型フルハイビジョンタイプで消費電力(IEC動画基準)が、100W電球1個分相当となる「95W(※2)」の超・省エネ性能が実現できます。
加えて、PDPのアドバンテージであるコントラストの良さを高め、無限大とも言える「500万:1(※6)」の圧倒的コントラストを実現しました。更に、高い色再現性と微妙なグラデーションを表現する階調性とのシナジーで、純白の新雪から漆黒の暗闇の質感に至るまで、映像素材のディテールを忠実に再現します。
また、これらの高画質機能を、「広視野角」や「フル動画解像度(※7)」といった自発光タイプならでは圧倒的なデバイス優位性で、視聴位置や映像の動画スピードを問わずに発揮し続ける高次元な表示能力を有します。
この新技術は、2Dタイプの薄型テレビを、一層、高画質・省電力で提供できる事は勿論、フルHD高画質の3Dテレビによる、より臨場感あるホームシアターや、従来の概念を越える高画質・大画面でのビジュアルコミュニケーションを可能にするビデオ通話の実現など、リビングにおけるテレビの新たな楽しみ方を提供します。
そして、その効率性を、例えば省エネ性に特化するなど、様々なカテゴリーに応じ、最適且つ柔軟に活用し展開する事で、多様化する地域やお客様のニーズに、よりフレキシブルに対応する製品をお届けする事ができます。
PDPの発光原理は蛍光灯と同じですが、現行のPDPの発光効率は、一般的な蛍光灯の発光効率を100とした場合の約1割(※8)だとされています。換言するとPDPはまだまだ大きなポテンシャルを有していると言え、今後も確実に進化を重ねていく成長デバイスである事がわかります。このPDPの将来性には、民生市場のみならず、業務用市場からも高い関心が寄せられています。
とりわけ、FHDの4倍の超高精細画像を再現する4Kx2K(4,096×2,160画素)ディスプレイの更なる開発が今後一層進む事で、医療現場や映画の制作スタジオなど、より高精細で高画質な映像が要求されるプロの厳しいニーズを満たすものと期待されています。
今回開発した新技術を搭載したパネルは、【2010 International CES】(※2)に出展する、世界最大『152v型フルHD・3D対応PDP』と、世界初『Skype対応プラズマテレビ』(共に別紙製品開発リリースなどご参照)にも採用すると共に、グローバルに展開する2010年度のプラズマビエラの新製品にも順次搭載してまいります。
当社は、暮らしやビジネスにおいて新たな映像空間を提供する、この新・PDPパネルの積極的な訴求を図り、本パネルの搭載製品の市場導入を強力に推進する事で、「新しいエキサイティングな映像体験の創造」に取り組んでまいります。
以上
【用語説明】
※1: | 07年パネルと同一電力時のパネル輝度比。 |
※2: | IEC動画基準における42型フルハイビジョンモデルの消費電力値。 (IEC動画基準とは:国際電気標準会議(International Electrotechnical Commission;IEC)により規定された消費電力測定方法。IECが作成した実放送信号を代表する動画映像信号で測定した、10分間の積算電力を6倍し、1時間当たりの電力を算出するものです。) |
※3: | 会期【1月7日(木)〜10日(日)】/会場【ラスベガスコンベンションセンター】 |
※4: | 2008年1月8日開発発表。 |
※5: | 2009年1月8日開発発表。 |
※6: | 一画面内で同時に表現できる暗所コントラスト |
※7: | 動画解像度とは、動画像において、人の目で識別できる表示の細かさを定量的に本数で表すものです。 (次世代PDP開発センター(APDC)測定方式)。フル動画解像度は1080本。 |
※8: | 同一電力時の輝度を当社蛍光灯と比較した場合。 |