2024年11月15日
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パナソニック株式会社 オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は、低温で硬化する「二次実装アンダーフィル材[1] 」を製品化、2017年2月から量産を開始します。本製品は液状の樹脂材料で、基板への部品実装後に部品周囲に塗布することで基板と部品の間に侵入し、優れた実装補強効果が得られます。これにより接合強度が求められる車載部品の実装信頼性が向上します。
車載機器は厳しい環境での信頼性が求められるとともに、ADAS(先進運転支援システム)やIoTなど高機能化のトレンドがあり、高速通信が求められ、配線距離を短くする必要があることから、半導体や電子部品の配線微細化が進んでいます。そのため、はんだ接合部の面積が小さくなることによる接合強度の低下が課題となっています。また、はんだ接合部の実装補強材は150℃の高温で硬化させるタイプが主流ですが、高温を嫌う精密部品では、低温で硬化しつつも高い温度でも接着部が劣化しない実装補強材が要求されています。当社は独自の樹脂設計技術により、80℃の低温で硬化し、ガラス転移温度(Tg)[2] が140℃以上で、高温でも状態が変化しにくい「二次実装アンダーフィル材」を開発しました。
車載カメラモジュール、車載通信モジュール(ミリ波レーダー用モジュール)、車載ECU(電子制御ユニット)などへの半導体パッケージや電子部品の実装補強
高温を嫌うセンサなどの精密部品では、低温で硬化する実装補強材が要求されています。一方で、車載部材では厳しい環境に対応するため、高温と低温の温度サイクル性の確保も重要で、様々なタイプの実装補強材が必要とされています。今回、独自の樹脂設計技術の開発により、80℃で硬化し、140℃以上の高いガラス転移温度(Tg)を実現しました。これにより、車載に要求される実装信頼性を達成しています。また、同材料は、短時間硬化が必要とされる部品にも対応でき、150℃ 10分間でもTg140℃以上を達成することが可能で、多様な箇所に使用可能です。
半導体パッケージや電子部品は高密度実装化が進む中、はんだ接合部の面積が小さくなり、応力が集中しやすいため、クラックや剥離などの課題があり車載向けの高い接続信頼性の確保が難しくなってきています。当社は低温下でも樹脂の高いTgを実現できる反応性制御技術を開発しました。これにより、本材料と基板間の熱収縮差を抑制し、はんだボールにかかるストレスを低減します。車載カメラモジュールや車載通信モジュールなどへの半導体パッケージや電子部品の実装補強に適しています
ミリ波レーダーの部材などにも採用されている、バンプ(ICチップを基板に接続するための電極)間の距離が短い金バンプは、特に接合面積が小さく、実装補強材なしでは温度サイクル試験で剥離やクラックが発生する課題がありました。今回、当社の樹脂設計技術により、高い流動性を確保した二次実装アンダーフィル材を開発。基板と金バンプ、ICチップとの密着性に優れ、金バンプタイプのWLP(ウェハーレベルパッケージ)の実装補強にも対応でき、接続信頼性を向上できます。
品番 | CV5350AS |
---|---|
最低フローギャップ(μm) | 20 |
粘度 (mPa・s, 25℃) | 4000 |
Tg (℃) | 150 |
C.T.E.1 (ppm/℃) | 30 |
弾性率 (GPa,25℃) | 10 |
リワーク可否 | 不可 |
以上
記事の内容は発表時のものです。
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