富士通株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:黒川博昭、以下、富士通)と松下電器産業株式会社 (本社:大阪府門真市、代表取締役社長:大坪文雄、以下、松下) (注1)は、このたび、富士通の生産管理システムと松下の工場見える化システムを連携させた「製造業見える化ソリューション」について、本日より、両社で販売活動を開始いたします。
本ソリューションにより、生産管理システムで感知した製造現場の進捗遅れや製造設備の一時停止といった状況を瞬時にネットワークカメラで撮影し、その映像を原因究明分析に役立てることが可能になります。両社は、本ソリューションにより、現場の見える化を高いレベルで実現し、稼働率向上、生産性向上に貢献していきます。
近年、製造現場では、問題や異常に対するタイムリーな原因究明に向けた情報の可視化へのニーズが高まっています。しかし、既存の生産管理システムでは異常や進捗遅れの結果データしか可視化されておらず、真の原因究明には現場調査を含め多大な時間と手間がかかっていました。また、人的作業による異常については、遅延としては感知できるものの、その情報は生産管理システムによる異常終了を報告する結果データでしか管理できていないため、せっかくの情報を現場でのタイムリーな原因究明に役立てることが困難でした。
上記のニーズに対応するために、富士通と松下は、富士通の工程管理システム「GLOVIA/MES(グロービア・メス)(注2)」と装置管理システムSCADA (注3)で構成する生産管理システムと、松下のネットワークカメラシステムで構成する工場見える化システムを連携させた「製造業見える化ソリューション」を提供いたします。
本ソリューションの導入により、製造設備の異常時のみならず、生産管理システムで感知した人的作業による異常に対しても、瞬時にカメラを向けて映像として記録することが可能となり、この映像を基に、製造設備の一時停止や緊急停止の原因分析、また、組立作業が遅延した原因について、作業分析や動線分析などの人の動きを加味した分析が可能となります。
「製造業見える化ソリューション」は、6月25日(水曜日)から6月27日(金曜日)まで、東京ビッグサイトで開催される「第19回 設計製造ソリューション展」の富士通ブースにて、両社による共同デモ展示を行います。
【製造業見える化ソリューションの利用シーン】
本ソリューションでは、組立・加工業を中心に以下の利用シーンを想定しました。
<シーン1>セル工程での組立作業時
組立作業が予定時間を超えて遅延を起こしている場合に、生産管理システムの組立時間遅延アラーム機能で異常を感知しネットワークカメラシステムに伝達します。これにより、遅延を起こしている工程に瞬時にカメラを向けて異常が起きた時の作業者の映像を撮影・蓄積することができます。また、この映像を基に、作業分析や動線分析を行い、組立作業が遅延した原因を分析することが可能になります。
<シーン2>製造設備の一時停止や緊急停止時
プレス、成形、表面実装作業で製造設備の一時停止や緊急停止により、遅延が起きた場合に、富士通の装置管理システム「SCADA」からの設備異常信号に基づき、問題のある設備にカメラを向け、映像を撮影し、蓄積することが可能になります。この映像を基に、製造設備の一時停止や緊急停止の原因を分析することが可能になります。
この他にも、ロット切り替えや部材のピッキング(注4)やキッティング(注5)作業時など、生産管理システムによる異常終了を報告する結果データだけでは異常の原因究明が困難だったシーンにおいて、映像を基に人の動きなどを加味した分析を行うことができるようになり、早期に原因を究明できる可能性が高まります。
【製造業見える化ソリューション構成商品】
対象システム | 価格 | 出荷時期 |
---|---|---|
工場見える化システム一式 | 560万円より | 2008年10月より |
生産管理システム一式(GLOVIA/MES、SCADAなど) | 600万円より | 2008年10月より |
本価格はハードウェアおよびソフトウェアの合計金額であり、システム構築費用は含んでおりません。
【販売目標】
今後3年間で売上30億円
【展示会への出展】
下記展示会への出展を予定しています。
会場:名古屋市南区 日本ガイシホール(6月25日から6月26日)
【注釈】
(注1) | 富士通と松下:富士通と松下は、2008年2月8日に監視映像蓄積分野において協業を発表。 |
(注2) | MES :Manufacturing Execution Systemの略。製造現場において製造作業の測定と管理を行うシステム。生産や業務の計画やプロジェクト管理をする基幹系のソフトと、生産現場の中間をつなぐ重要な情報システム。 |
(注3) | SCADA:Supervisory Control And Data Acquisitionの略。製造現場において、計測データの制御および監視を行うシステム。これをパソコン上で構築するためのツールをSCADA ソフトウェアという。 |
(注4) | ピッキング:注文や出荷指示に対して、部品を在庫から選び出すこと。 |
(注5) | キッティング:ピッキングされた部品を、組立作業者が作業を行いやすいように配置すること。 |
以上
【お客様からのお問合せ先】
富士通株式会社 富士通コンタクトライン 電話:0120-933-200 受付時間:午前9時から午後5時30分まで(土曜日・日曜日・祝日・年末年始を除く) 松下電器産業株式会社 パナソニック システムソリューションズ社 お客様ご相談センター 電話:0120-878-410 受付時間:午前9時から午後6時まで(土曜日・日曜日・祝日を除く)