2024年10月10日
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2012年5月22日
製品・サービス / トピックス
パナソニック株式会社デバイス社は、業界で初めて※2青紫色・赤色・赤外三波長のレーザ発光点が横一列に並ぶことで、光ピックアップの光学系簡素化が可能な「ラテラルハイブリッド型」三波長半導体レーザ(品番:LNCS01MR)を開発し、2012年9月より量産出荷を開始します。
【効 果】
本製品を使用することにより、ブルーレイディスクTM※1ドライブやプレイヤー向け光ピックアップの小型化かつ高品質化を実現できます。
【特 長】
本製品は以下の特長を有しております。
1.ラテラルハイブリッド型構造の採用で、青紫色レーザと赤色・赤外の二波長レーザの発光点を横一列かつ等間隔に集積することにより、光ピックアップの光学系簡素化が可能
ジャンクションダウン組立技術と、高精度組立技術の両立により発光点が横方向に一列に並ぶラテラルハイブリッド型構造を実現しました。発光点が一次元配置のため、光ピックアップ光学系の大幅な簡素化が可能となります。また従来構造に比較して本構造では青紫色レーザチップの更なる小型化が可能です。
2.青紫色レーザ優先の光学設計による赤色・赤外の二波長レーザの光利用効率低下を二波長レーザの高出力化で補い、光ピックアップの高性能化を実現可能
三波長半導体レーザを搭載したブルーレイディスクTM用光ピックアップでは、光利用効率が低い青紫色レーザの光学系を用いるため、二波長レーザの光利用効率が低下します。本製品は光利用効率低下を補い、十分な設計マージンを確保するために必要なレーザ再生光出力を実現しました。
青紫色レーザ:20mW、 赤色レーザ:15mW、 赤外レーザ15mW
3.5ピンタイプの高放熱化DカットCANパッケージ(5.6mmφ)の採用により、光ピックアップの薄型化に対応可能
通常用いられる丸型5.6mmφCANパッケージを5ピンとし、かつ、その一部をD形にカットした、DカットCANパッケージ(5.6mmφ)を採用することにより、丸型に比べ光ピックアップの薄型化が可能です。
【内 容】
本製品は以下の技術によって実現しました。
1.ラテラルハイブリッド構造実現のための、青紫色レーザのジャンクションダウン組立技術と、青紫色レーザと二波長レーザの発光点を横一列に等間隔で高精度に実装できる高精度組立技術(発光点間隔精度:±10µm、当社従来比約2分の1)
ラテラルハイブリッド構造の実現には、青紫色レーザを赤色・赤外二波長レーザと同じジャンクションダウン組立することにより発光点を横一列に集積する必要があります。今回、青紫色レーザの高耐熱電極を新たに開発し、ジャンクションダウン組立技術を確立するとともに、当社独自の高精度組立技術により、光学系簡素化に最も重要な発光点間隔の高精度化を実現しました。
2.当社が保有する記録用高出力レーザ量産・高信頼性技術を活用し、当社従来比3倍の光出力安定動作を実現した、再生用二波長レーザ高出力化技術
三波長半導体レーザでは、再生用赤色・赤外二波長レーザの再生光出力を高出力化(5mW→15mW)する必要があります。そのため、当社に強みのある記録用赤色・赤外二波長レーザの高出力化要素技術を活用することで、これまでの再生用レーザとほぼ同様の構造を維持しつつ光出力向上を実現しました。
3.小型化と高放熱化を両立しながら、三波長レーザの独立駆動とモニタフォトダイオード内蔵を実現した、高密度パッケージ設計技術
三波長半導体レーザは、青紫色レーザ・赤色レーザ・赤外レーザ3個のレーザと1個のモニター用フォトダイオードを独立に制御するため、5ピンのパッケージが必要となります。今回、当社が培ったパッケージ設計技術により、高放熱性かつ量産性を実現するための最適設計を行い、5ピンタイプのDカットCANパッケージを実現しました。
【従来例】
従来の三波長半導体レーザは、大きな青紫色レーザ上に赤色レーザと赤外レーザを並べた構成のため、発光点配置が2次元となり光ピックアップ光学系の簡素化が困難でした。そのため、1次元発光点配置の三波長半導体レーザが求められていました。
【実用化】
量産出荷開始 : 2012年 9月
サンプル価格 : 数量応談
生産能力 : 当初 月産30万個で開始し、需要拡大に応じて順次拡充
※1 “Blu-rayTM(ブルーレイ)”“Blu-ray DiscTM(ブルーレイディスク)” “Blu-ray 3DTM(ブルーレイ3D)”は、ブルーレイディスクアソシエーションの商標です。
※2 2012年5月21日時点、当社調べ。
【用語の説明】
[1] ラテラルハイブリッド型三波長半導体レーザ
青紫色レーザチップと赤色・赤外二波長レーザチップを横並びに設置し、ワンパッケージ化した三波長半導体レーザです。
[2] ジャンクションダウン組立
チップのPN接合(PNジャンクション)を下側(融着側)にして組み立てる方法のことです。逆にPN接合を上側にする組立方法をジャンクションアップ組立と呼んでいます。ジャンクションダウン組立の方が、ヒートシンクに発熱部であるPN接合が近いため放熱が良いとされています。
[3] DカットCAN(5.6mmφ)パッケージ
丸型金属パッケージの一部をカットしたもので、光ピックアップの薄型化に適しています。
[4] モニター用フォトダイオード
レーザの光出力をAPC(Auto Power Control)制御するため、レーザチップ後部に設置するフォトダイオードのことです。レーザ後部から出射されるレーザ光を検知することにより、レーザ光の出力制御を行います。
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