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画像:社会福祉プラットフォームサービス Carefull

2024年4月18日

企業・経営 / プレスリリース

くらしアプライアンス社と(株)nanoniが人的資本経営に及ぼすフェムテックの影響を検証

社員一人ひとりが活躍する「人が生きる経営」の実現を目指して

パナソニック株式会社 くらしアプライアンス社(以下、くらしアプライアンス社)は、「経済産業省令和5年度フェムテック等サポートサービス実証事業」の検証の一環として、株式会社nanoni(以下、nanoni)とともに、ビューティ・パーソナルケア事業部(以下、BCBD)内の社員1,100名を対象に「フェムテック活用が人的資本経営に及ぼす影響に関する実証実験」を実施しました。5カ月間の実証を通じて、女性の健康課題に対する男性社員の理解度が15~20%上昇したほか、女性社員のキャリア意識や働きがいのエンゲージメントが7%上昇するなど、性差に関わらずコミュニケーションの活性化や社員の意識変革に繋がるという、フェムテック活用による効果が得られました。
2022年にnanoniが発表した調査によると、国内の60%以上の企業が「女性の健康課題」に対して課題を意識しておらず、「健康経営銘柄」「なでしこ銘柄」など国から認定を受けた企業でもなかなか現場レベルにまで対策や課題意識が浸透しきれていないという現状が明らかになっています。当社も例外ではありません。

くらしアプライアンス社は、より高い価値創出の実現に向けて、社員一人ひとりが持つ多様な個性を最大限に活かすという考えからDEIを推進し、さまざまな活動を展開しています。さらに、長年にわたって国内のビューティ・パーソナルケア市場をけん引してきたからこそ実現できる「女性特有の健康課題の解決を目指したフェムテックサービス」の開発を進めています。その一環で、フェムテックに重点を置きつつも多様な人材が活躍できる社内環境づくりを支援するnanoniのダイバーシティ推進サービス「carefull(ケアフル)」に注目。nanoniと共に、フェムテック活用が人的資本経営に及ぼす影響に関する実証実験を実施するに至りました。
くらしアプライアンス社は、今回の実証で得られた知見を生かして、社員一人ひとりが活躍する「人が生きる経営」の実現を加速させるとともに、当社ならではの“女性特有の健康課題の解決を目指したフェムテックサービス”という新たな価値創出に繋げていきます。

【独自プログラムの企画】

風土改革を推進する上で、女性が抱える健康課題に対する男性側の理解は、重要な役割を果たしているとの考えから、フェムテックを中心とした福利厚生プログラムに留まらず、当社が抱える具体的な課題に合わせて独自に企画したプログラムを提供。性別による違いを理解しあえる風土を目指し、性別や年代を超えて多くの社員が関心を持ちやすいプログラムを意識しました。

画像:生理痛体験プログラム実施画像

■生理痛体験プログラム
女性特有の健康課題の代表的な症状の1つである生理(月経)痛を男女問わず疑似体験できる場を準備。100人以上の社員が体験し、「疑似体験の痛みは本当の辛さより全然軽い」「少しでも女性の健康課題が理解できてよかった」などのコメントが寄せられました。

画像:DEI対談イベント:DEI×Femtech FESTIVALの開催

■DEI対談イベント:DEI×Femtech FESTIVALの開催
carefulを先行導入した株式会社アイスタイルとnanoniを交えた異業種対談会「DEI×Femtech FESTIVAL」をオンライン形式で開催。第1部は当事者目線で"私らしい生き方・働き方"、第2部では経営者視点で"働きやすい職場づくり"というテーマで実施し、合計501名の社員が参加する大変関心の高いイベントとなりました。

【主な実証結果】

画像:女性の健康課題理解

■男性社員の意識変化
導入前後のアンケート結果を比較すると
・不調のある女性社員に医療従事者への相談を促すことができる:15%上昇
・女性特有の健康課題は、働きやすさやキャリア形成への影響があると思う:20%上昇
となり、男性社員の「女性の健康課題」に対する理解促進に繋がる結果となりました。
男性社員でもセミナーやイベントなどに参加しやすく、かつ参加を促す工夫を凝らした結果、セミナー内容を通じて、男性社員から女性社員に健康課題に関して声掛けしやすくなったなど、ポジティブな変化が見られました。

画像:キャリア意識

■女性社員の意識変化
女性社員のキャリア意識を導入前後で比較すると、
・将来のキャリアで取り組んでみたいと思っていることや目標がある:7%上昇
・BCBDの一員として働くことに誇りを感じる:4%上昇
という結果が得られました。セミナーや対談イベントを通じた「キャリアに悩む女性社員の実体験の共有」「社員の健康課題に寄り添った企画の提供」により、向上心や会社への帰属意識を高めることができました。

【担当者のコメント】

■株式会社nanoni CEO 張 氏
carefullは「すべての人に働きやすい環境を」というビジョンを掲げ、これまで企業向けにダイバーシティを推進するソリューションを提供してきました。今回、大手企業として先進的な取り組みを続けるくらしアプライアンス社様と協業できたことに、大きな喜びを感じています。本事業では、女性の健康課題を中心とした支援が人的資本経営に与える影響を定量化・可視化しています。従来、企業における女性の健康課題支援は、従業員のニーズや社会的な意義から検討されてきました。しかし、今回の取り組みにより、パフォーマンスやエンゲージメントの向上といった効果を数字で示すことで、「経営目線」でも投資に値する重要なテーマであることが明らかになりました。これらの成果をもとに、carefullは今後も企業内でのダイバーシティ推進とそれによる人的資本経営のサポートに注力していきます。

■くらしアプライアンス社 ビューティ・パーソナルケア事業部 ビジネスデザイン部 加藤
今回、立場や性別を超えた職場全体の取り組みを通じて、様々な健康課題やライフイベントにおける課題を相談できずに抱え込んでいたり、当然のように我慢していたりする社員の皆さんの働きやすさやQOLの向上につなげる一助となることができました。
BCBDは、美容・健康サポートを通してお客様一人ひとりのウェルビーイングを実現するというミッションを掲げています。多様化するライフスタイルの中で、職場に留まらずフェムテックという分野で生涯にわたる心身の健康と自己実現をサポートできることは、非常に意義深いものだと考えています。今後、くらしアプライアンス社ならではのフェムテックサポートサービスを提供し、深く生活に寄り添いながら、心身健やかに自分らしく過ごせる日々の実現に貢献したいと思います。

■くらしアプライアンス社 DEI・組織開発室 呉
DEI推進は、事業の持続的成長や顧客価値最大化を実現する肝になるという考えで、重要な経営アジェンダの一つとして取り組んでいます。特に、顧客の生活に密接に関わる家電を手がけるくらしアプライアンス社にとって、社員一人ひとりの多様な価値観と個性を生かし合うダイバーシティ&インクルージョンの取り組みは、顧客の多様なくらし方とウェルビーイングの実現を支援するくらし事業に直接つながります。
女性社員の活躍支援を起点とする今回の取り組みは、社員の皆さんやマネジメント層の巻き込み方の工夫等によって、女性社員に留まらず、組織全体のコミュニケーション活性化や働き方改革等風土づくり、社員エンゲージメントでの効果が検証できました。フェムテックの活用に対して、さらなる価値創出を期待しています。

※ 経済産業省実証事業「フェムテック利用動向調査 2022」:株式会社nanoni
https://www.femtech-projects.jp/assets/pdf/project_report_33.pdf

【パナソニック株式会社 くらしアプライアンス社】

パナソニック株式会社 くらしアプライアンス社は、家電の開発・製造・リサイクルを中心に事業を展開しています。100年育んできたくらしに寄りそう力で、人と地球の未来に続く、感動の商品とサービスを創造することを目指しています。
そして、職場環境の整備と”誰もが輝く”新しい働き方の創造の両輪で、社員一人ひとりのウェルビーイングを実現する「人が生きる経営」を加速させていきます。

【株式会社nanoni】

事業内容:フェムテックの導入支援サービス「carefull」を提供。社内ニーズの調査から福利厚生導入のコンサルティング、施策化までをワンストップで行っています。
代表者:代表取締役 張 聖
所在地:〒107-0062 東京都港区南青山3-15-9 MINOWA表参道3階

―carefullについて―

carefullは、多様な人材が活躍するための職場環境づくりを行うフェムテックの導入・制度設計支援サービスです。「女性社員の活躍推進をしたいが、何から始めればいいのかわからない」「社内風土を改善するパートナーを探している」といった悩みを持つ企業に寄り添い、包括的なソリューションを提供します。
公式サイト:https://xxnanoni.com/

参考資料:フェムテックの活用による企業の人的資本経営に及ぼす影響の検証

<実施内容>

(1)フェムテック福利厚生プラットフォーム「carefull」を試験的に導入し、女性特有の健康課題を包括的にカバーしたソリューションを提供

(2)導入前後のアンケート結果から、フェムテック活用による人的資本経営への影響を分析

・健康課題が主軸のオンラインセミナーの開催(全6回)

・産婦人科医とのオンライン医療相談

・健康増進プログラムの提供

・その他、匿名コミュニティや特典などの提供

<対象>

くらしアプライアンス社 ビューティ・パーソナルケア事業部(BCBD)在籍社員:1,100名

<実施期間>

2023年9月~2024年1月

<実証結果>

フェムテック活用により、性差に関わらずコミュニケーションの活性化や社員の意識変革に繋がる

(1)全体変化

・健康課題を抱えている社員のヘルスリテラシーが向上

・プレゼンティーイズムの損失割合平均が2.4%改善

・セミナー・イベント実施が社内コミュニケーションのきっかけに

(2)女性当事者の変化

・キャリア目標、働きがいのエンゲージメントが向上

(3)周囲の変化

・女性の健康状態への理解が促進

【実証結果】

■健康課題を抱えている社員のヘルスリテラシーの変化
実証期間の前後で比較すると、健康リテラシーの平均得点は利用者全体で約6%向上。carefullのヘルスケアオンラインセミナーなどを通じて、健康に関する適切な情報やアドバイスを提供した成果と考えています。特に男性社員の変化が大きく、実施前に比べて約12%向上しました。男女ともに正しい知識・情報を身に着けることで、自身の健康維持や周囲への配慮につながる可能性を示しています。

画像:ヘルスリテラシー
画像:労働生産性

■プレゼンティーイズムの変化
プレゼンティーイズムは、出勤しているにも関わらず心身の健康上の問題が作用して、パフォーマンスが上がらない状態のことです。健康問題が顕在化しているときは、プレゼンティーズムが高く労働生産性が低下してしまいます。今回、carefull(ケアフル)を利用した社員は、損失割合が全体で平均2.4%改善し、女性社員のうち37.7%のプレゼンティズムが改善しました。

画像:社内コミュニケーションの変化

■社内コミュニケーションの変化
検証・調査を通じて、男性社員、女性社員双方から好意的な反響が寄せられました。男性社員からは「月経やPMSがとても大変なことだとは知らなかった」といった意見が、女性社員からは「今まで言うことができなかったが、男性上司に生理でしんどいと伝えられた」という声が寄せられました。
セミナーやイベントを通して、職場での具体的なコミュニケーションの手法や会社が掲げる女性の健康課題への取組方針について理解を深めるきっかけを提供したことで、職場における“話しやすい空気づくり”に繋がりました。

画像:女性の健康課題理解

■男性社員の意識変化
導入前後のアンケート結果を比較すると
・不調のある女性社員に医療従事者への相談を促すことができる:15%上昇
・女性特有の健康課題は、働きやすさやキャリア形成への影響があると思う:20%上昇
となり、男性社員の「女性の健康課題」に対する理解促進に繋がる結果となりました。
男性社員でもセミナーやイベントなどに参加しやすく、かつ参加を促す工夫を凝らした結果、セミナー内容を通じて、男性社員から女性社員に健康課題に関して声掛けしやすくなったなど、ポジティブな変化が見られました。

画像:キャリア意識

■女性社員の意識変化
女性社員のキャリア意識を導入前後で比較すると、
・将来のキャリアで取り組んでみたいと思っていることや目標がある:7%上昇
・BCBDの一員として働くことに誇りを感じる:4%上昇
という結果が得られました。セミナーや対談イベントを通じた「キャリアに悩む女性社員の実体験の共有」「社員の健康課題に寄り添った企画の提供」により、向上心や会社への帰属意識を高めることができました。

【総括】

本実証を通じて、女性の健康課題に対するリテラシー向上により自己理解・他者理解が進むことで会社や組織のコミュニケーションが活性化され、社内風土の醸成にも効果が見られました。さらに、女性のキャリアに対する影響として、心理的に勤務が楽になり、働きやすいと感じることでパフォーマンスが向上したり、職場へのエンゲージメントが向上したりする効果が得られました。健康経営の実践において、フェムテックの活用は有効である推察されます。

記事の内容は発表時のものです。
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配信元:
パナソニック株式会社
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